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2014-03-28 23:11:00

中国  2014年3月25日(火曜日)
大連で日本ブランド展、消費者に直接アピール[経済]

日本の商品や文化を中国消費者に知ってもらおうという民間主導のイベント「大連ジャパンブランド2014」が22、23の両日、遼寧省大連市の商業施設で開催され、目標の2万人を大きく上回る約2万8,000人の来場者でにぎわった。

JTBチャイナなど日系4社による実行委員会が主催。大連をはじめ中国各地で事業展開する日系企業や日本の地方自治体など24社・団体がブースを構え、週末の買い物客らに食品や衣料、文具、日用品などの展示即売を行った。

2012年から大連で中国向けの製麺を手掛けるシマダヤ(東京都渋谷区)は、日本式の焼きそばを実演しながらラーメン、うどん、焼きそばの冷凍麺を販売。海外事業戦略室の加藤隆史マネジャーは「消費者の声を直接聞けるいい機会。中国ではまだなじみの薄い冷凍麺だが、反応は非常に良好」と手応えを深めていた。

トンボ鉛筆(東京都北区)の販売子会社である蜻テイ文具商貿(大連)(テイは虫へんに廷)も「売れ行きは予想以上」(西山建司総経理)。同社が扱う商品は全て輸入品のため中国ブランドに比べ値は張るものの、西山総経理は「メーンの購買層は学生。中国にはない日本製文具のデザインは人気があり、筆記具の握り心地など品質の違いも理解してくれる」と胸を張った。

大連は中国の他都市に比べ、日本をよく知る消費者が多い。大連で「板橋米穀店」を開設し、中国向けに日本産米の販売を手掛ける板橋貿易(東京都中央区)の小澤靖・食品部長は「試食した人は『日本の米は冷めてもおいしい』と言ってくれる」。中には具体的な産地にまでこだわりを持っている消費者もいたといい、その「知日派」ぶりにあらためて驚いた様子だった。

会場ではこのほか、日本の伝統文化とキャラクター、ポップカルチャーを幅広く紹介。 茶道、空手道などの実演、体験会に加え、ウルトラマンや熊本県のゆるキャラ「くまモン」、鹿児島県のローカルアイドルグループ「セブンカラーズ」のショーなどで来場者を楽しませた。

ジャパンブランドは12年2月の広州市を皮切りに、これまで広州で3回、山東省青島市で2回、四川省成都市で1回開催してきた。事務局を担当するJTBチャイナの矢田部拓彦副総経理は「日本人コミュニティーが一体となって中国各地の日系企業を盛り上げていきたい。今後も出展企業を増やしながら継続し、自治体の参加もさらに呼びかけて日本への観光誘致にもつなげられれば」と話した。

今年は11月に3回目となる青島、12月に4回目の広州開催を予定している。今回が初開催となった大連では来年以降も継続を計画しており、今後は江蘇省蘇州市や湖北省武漢市などへの展開も視野に入れている。