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2013-12-23 10:11:00
    By
  • JULIE JARGON

 

 

Keith Bedford for The Wall Street Journal

無グルテンのピザを用意するカリフォルニア・ピザ・キッチンの店員(米ニューヨーク)

 グルテンを含まない食品への需要が高まっていることがレストラン・チェーンの悩みの種となっている。顧客や政府当局からの一層厳しい要件に合致するメニューの作成に苦戦している。

 多くのチェーンはグルテンを除去した食品がより健康的と考える顧客層が拡大していることを受け、こうした顧客を誘致するため「無グルテン」のメニューを提供したいが、それを実現するのは難しい。レストランの台所のカオスを踏まえれば、材料は容易に混ざり合ってしまい、レストランでは無グルテンを確約するのに消極的だ。

 来年から施行される米食品医薬品局(FDA)の規則によると、無グルテンと表示される食品ラベルには、グルテン含有率が20 PPM(100万分の1)未満でなくてはならない。グルテンは、小麦、大麦、ライ麦に見つかるタンパク質。この規則は主に加工食品を対象としているが、FDAの広報担当者は、レストラン業界は「無グルテンのラベルは連邦定義と合致するよう迅速に動く」べきだと述べた。

 

 

(左)グルテンを除去した食品を選ぼうとする米国人の割合は年々増加している/(右)「無グルテン」をうたうレストランのメニューの割合

 

 カリフォルニア・ピザ・キッチンのような一部のチェーンはグルテン汚染を予防する新しい手続きを説明している。他のチェーンは無グルテンを実際に確約せずにグルテンを避けたい顧客へアピールする選択肢を提供しようとしている。

 テキサス・ロードハウスの広報担当者、トラビス・ドスター氏は 「当社はかなり保守的となるだろう」と述べた。このチェーンは、「グルテンにやさしい」メニューの品目を来月顧客に通知する計画だ。FDAの指針は「当社が無グルテンとはいわない理由の1つだ」と述べた。

 

 米国人約200万〜300万人(人口の1%弱)がセリアック病という自己免疫疾患を持ち、グルテンの摂取が栄養の吸収に干渉する。さらに1800万人の米国人がグルテン過敏症を持ち、下痢、貧血、その他、セリアック病患者と同様の症状を持つ。抗体がないため、セリアック病患者と同様に内臓損傷がある。

 市場調査会社NPDグループによると、特に健康上問題のない数百万人の米国人も食事からグルテンを抜いている。米国人の30%弱がグルテンを避けているとしており、その数は3年前の25.5%から増加している。