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2023-11-26 14:58:00

【企業目標マネジメント・システム】【3】

「企業目標マネジメント・システム」と「マネジメント計画」の「意義」を「スタッフ」全員に徹底したならば、「マネジメント計画」の種類について、考察しなければならない。

(2)マネジメント計画の種類

  総合計画と個別計画

「マネジメント活動」というのは、多様な組織で形成されている。例えば、「チェーン・ストア」を展開している「本部組織」を見ても、「経営企画部」「店舗開発部」「店舗運営部」「海外事業部」「商品開発部」「ネット販売部」「調達部」「広告・販売促進部」「広報部」「物流部」「情報システム部」「設備部」「人事部」「財務部」「総務部」「法務部」などがある。

さらに、「店舗運営部」は、「ナショナル・チェーン」になると、地域別に「運営部」があり、自社で工場を所有していると「生産部」があり、海外から「商品や原材料」を調達していると、「海外事務所」を設けている。「個別計画」というのは、これらの「組織単位」で立てられた「計画」で、「店舗運営部」、「海外事業部」や「ネット販売部」で立てられるのが「販売計画」である。

「店舗開発部」で立てられるのが「店舗開発計画」であり、それぞれが立てられた「売上高」を合計すると、会社全体の「売上高計画」になる。また、「調達部」は「調達計画」「生産部」は「生産計画」などが、連動している。さらに、他の部門で言えば、「人事部」では、「新規採用計画」「教育訓練計画」「人事労務計画」や、「経営企画部」では、「マネジメント計画」「新規事業計画」や各組織において、それぞれの「計画」がある。

これに対して、「総合計画」は、「マネジメント全体」にわたる「計画」である。この「計画」は「売上高計画」でいえば、「個別計画」を各組織で立てた「売上高」を合計するものではない。なぜなら、「個別計画」は「計画」を低くみる傾向にある。「総合計画」は、「マネジメント」の「全体計画」から、あるべき「売上高計画」「利益高計画」「設備投資計画」「財務計画」および「その他計画」を総合的に立て、「個別計画」との「企業目標マネジメント」の「システム」を最大限に発揮させていく。

  期間計画

「マネジメント計画」を「計画」の対象を時間の長短で分類するならば、一般的に「長期計画」「中期計画」「短期計画」に分類される。この「期間」というものは、特に定義はないが、一般的には、「長期計画」は5年~10年、「中期計画」は3年~5年、「短期計画」は1年といった区分をしている。

この中で、「長期計画」が5年、「中期計画」が3年、「短期計画」が1年というものが多い。「短期計画」の1年というのは、多くの会社の「会計年度」に合致させているものであり、「予算計画」「差異分析」「修正計画」などが行なわれる。この「年度計画」は、さらに「中間決算」に合わせて「半期計画」となり、さらに細分化され「四半期計画」「月次計画」になり、それに合わせて日常の業務が推進される。

「長期計画」というのは、「短期計画」だけだと「将来展望」がなく、仕事に従事している「スタッフ」の「モラ-ル」は低下するし、対外的には投資家の意欲を創出できないし、取引先にも好印象を与えなくなる。

企業というのは、社会的責任を担い、地域社会に貢献して、企業市民化を図らなければならず、そのためには絶えず発展をしていかなければならない。これらを総合的に推進していくのが「長期計画」である。

しかし、「乱気流とカオス時代」には、「長期計画」のように「期間」が長くなると、直接「短期計画」と連動することが難航してしまう。そこで、「長期計画」と「短期計画」との中間に、「中期計画」を立てるようになってきた。ただし、「長期計画」を放棄したのではなく、「長期計画」を達成するための「短期計画」とのパイプ役を果たしている。

一般的に、「期間」が主に語られているが、「戦略的」に考えていくべきで、「長期計画」を「発展のための戦略構想」、「中期計画」を「構造改革の戦略構想」、「短期計画」を「現在を生き抜く戦術計画」と位置づけると、「短期計画」の意義が明確になるし、「計画内容」も充実して、「企業マネジメント」に役立つ「計画」となり、さらに「計画」の遂行もスムーズになる。「期間計画」を推進するにあたり、「企業目標マネジメント」をフルに駆使することが不可欠である。

  戦略的計画と戦術的計画

「戦略的計画」という、企業が社会的経済的環境を予測していくための「計画」である。つまり、現在の延長線上で、「企業マネジメント」を想定していくのではなく、将来の社会的経済的環境を「創造」して、あるべき「企業の将来像」を描き、その方向に向かって「イノベーションと創造的破壊」を行っていき、「社会的経済的環境を創造する戦略的計画」である。

「戦術的計画」というのは、現在の環境にどう「即応」し、「適応」していくかの「計画」である。つまり、「戦略的計画」との関連で、どのように日常の「企業マネジメント」の効果をあげていくかであり、企業内外の諸条件のなかで、「経営資源」の有効活用によって、「最適な業績を達成する計画」である。

したがって、「戦略的計画」は、企業の構造改革にまでおよんでいくので、「長期計画」や「中期計画」にならざるを得ないが、「戦術的計画」は日常業務活動が中心になるので、「短期計画」になっていく。重要なことは、「戦略的計画」と「戦術的計画」は、相互に関連を保持していかなければならない。

つまり、「戦略的計画」というのは、「戦術的計画」をリードするものであり、「戦略的計画」によって方向づけられた「創造的破壊とイノベーション」を、「戦術的計画」を通じて段階的に実現していくものである。

したがって、「乱気流とカオス」が起きると、「戦術的計画」が一人歩きしがちであり、企業の命運まで影響を与えてしまいかねない現象が起きてしまう。「乱気流とカオス」が起こったときこそ、「短期」でも「中期」でも即座に「戦略的計画」を確立して、「戦術的計画」への連動をさせていくことが極めて重要である。この時こそ、「企業目標マネジメント」をフルに活用しなければならない。