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2023-10-28 14:53:00

【企業目標マネジメント・システム】【2】

「企業目標マネジメント・システム」の「意義」をマスターしたならば、ついで「社内全員」に徹底させていかなければならない。なぜなら、「企業目標マネジメント・システム」は、「全員参加」が絶対的な条件であるからである。

[2]企業目標マネジメント・システムの徹底

「企業目標マネジメント・システム」というのは、日常の仕事そのもので、別に行うものではないということである。つまり、「企業目標マネジメント・システム」というのは、日常の仕事を楽に効率化していくもので、「生産性の向上」につながる。この結果、日常の仕事が楽しくなって、苦痛を除去してくれる。

(1)企業目標によるマネジメント・システムの不理解

多くの企業で、「企業目標マネジメント・システム」が失敗している最大の要因は、「制度」そのものが、日常の業務の他の「制度」と思われていることである。さらに「企業目標マネジメント・システム」が、一般的に「目標管理」として導入されているので、「管理強化」として理解されているのである。

(2)企業目標によるマネジメント・システムの理解

「企業目標マネジメント・システム」というのは、「企業目標と個人の目標を一致」させ、「全員参加マネジメント」を発揮させることによって、「サクセシィブ・カンパニー」の道に邁進することであることを全員に徹底させることである。さらに、「企業マネジメント」全体を活性化させるばかりでなく、「個人の業務」を「管理」するのでなく、「働きがい」のある企業として「独創性」や「創造性」という「個人の持つ能力」を発揮させる「場」となっていく。

 

[3]マネジメント計画

「マネジメント計画」というのは、「部門的計画から総合的な計画」へ、「短期的計画から長期的計画」へ、「時流中心計画から社会的経済的環境創造計画」へという形で発展してきた。

(1)マネジメント計画について

  部門的計画から総合的計画へ

「マネジメント計画」は、初めのうちは、販売計画や生産計画のように、重要な業務活動を合理的に遂行するための「部門計画」に重点がおかれていた。しかし、企業が大規模化、複雑化するにつれて、企業の諸活動が全体の「統一性」、「整合性」や「機能性」が要請されるようになり、「総合的計画」が立てられるようになった。

このようななかで、「予算制度」が登場してきたが、多くの企業では、「予算統制」を主目的としている場合は、過去の実績主義が横行して、「財務部門」とか「経理部門」主導型であるために、「総合計画」には、不向きな面が見出される。しかし、企業の将来性を予測し、その目標に向かって企業の諸活動を総合化するには、企業の総合活動の大きな指標である達成すべき「利益計画」を「総合的マネジメント計画」の中心にする積極的な「予算制度」の基盤になってきたのである。

  短期的計画から長期的計画へ

「予算制度」を中心とする「利益計画」というのは、企業の会計年度が1年であるため、短期間にならざるを得ない。ところが、企業が長期的に成長や創造的破壊を展開しようという場合には、短期的には無理が生じるために、「長期的計画」が重視されるようになった。一般的に「長期的計画」というと「5年」という期限であるが、社会的経済的環境の変化が著しい今日では、「3年」という期限の「中期計画」が中心になっている。

「長期的計画」は、「長期的ビジョン」を反映することができるし、「人材の計画的採用」「計画的な教育訓練」によって「マンパワー」の蓄積が図れることと、「設備投資計画」が着実に行われるために「将来の構図」が明確にできることが特徴である。しかし、多くは「短気的計画」の積み重ねから「長期的計画」に頼ったために効果が薄く、いまや社会的経済的環境を創造し、企業の将来の「パラダイム」からの「戦略的な長期計画」が不可欠になってきた。

さらに、重要なことは、「乱気流とカオスの時代」には、「長期的計画」や「中期的計画」に固執せず、「乱気流とカオス」が起こったときは、直ちに「短期的計画」を修正し、さらに「中期的計画」」や「長期的計画」の修正が必要になってくる。多くの企業では、「乱気流とカオス」が起こると、ただあわてふためいて、「短期的計画」すらも修正しないばかりか、「中期的計画」や「長期的的計画」に手をつけず業績を悪化させている。

  時流中心計画から社会的経済的環境創造計画へ

数々の「乱気流とカオス」は、予測が不可能な社会的経済的環境変化が起こると、「長期計画」は紙クズ化してしまった。高度経済成長時代は、「時流」に乗ることが最優先された時代であり、何が「時流」かを血眼になって探ることが「市場調査」であり、「時流」を発見するとバスに乗り遅れるなという風潮が強く、いずこの企業も一斉に参入しては、競争を繰り返していた。これが「企業戦略」と考えられていたのであった。

「乱気流とカオス時代」になると、「時流」というものは、ほとんど見当たらくなり、企業は不透明な低成長経済下で、「サクセシィブ・カンパニー」のためには、内部の「効率化計画」をまず行い、限られた「経営資源」を有効に活用する「戦略的経営戦略」へと移行して行き、「企業マネジメント」の体質改善を図るとともに、自社の特徴を生かした事業分野を見出す努力が図られた。

不況期が訪れると、本格的マーケティング時代とか、お客様優先主義とかいう言葉が流行するが、成長期になると、これらの言葉はいつのまにか、企業優先主義に代わってしまうことが繰代えされた。そして、「マーケティング戦略」不在になってしまった。

しかし最近の不況期は、出口のないトンネル時代と言われて多くの企業が、人員削減や設備投資の注視によって、リストラや価格破壊という言葉に躍らされて、無理なリストラやディスカウントを行い、企業の適正な合理化、つまり贅肉落しどころか体質を弱体化させてしまい、自らを誤った方向に導いてしまう企業が続出した。

しかし、不況期にもかかわらず、「増収増益」を続ける企業も数多く輩出している。これらの企業の共通点を探ると、「社会的経済的環境の適応と創造」を重視し、「お客様発・お客様参加共創」の「企業戦略」や「マネジメント計画」を実践している。

つまり、お客様の「課題」の解決や「要望」の発掘することに血眼になって、物言わぬ「お客様」の心底の「要望」を探り提案を行って、「社会的経済的環境の適応と創造計画」を行っている。「社会的経済的環境の適応と創造計画」というのは、あらかじめ「お客様」の「社会的経済的環境条件」を、いくつか想定した「企業戦略」と「マネジメント計画」が必要とされることである。つまり、「多面的マネジメント計画」時代になっている。

また、「乱気流とカオス時代」を想定して、「お客様発」「お客様参加共創」のために、「ウォッチング」と「インタビュー」を積極的にしかも継続的で地道な活動を行っている。さらに、世界経済の「乱気流とカオス」のように、予測しえない社会的経済的環境変化が起こり得ると言う認識が生まれ、「不足事態適応計画」や「危機管理マネジメント計画」などを行う時代になってきた。

いずれにせよ、社会的経済的環境は大変動することを当然視し、突然現出する時代に迅速に適応していく、「経営姿勢」と「マネジメント計画」に「柔軟性」や「弾力性」を持たせることが新しい課題である。