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2013-08-23 23:50:00

2013年7月26日(金)から28日(日)まで、ロンドンのアールズ・コート第2展示場において、日本のポップカルチャーをはじめさまざまな日本文化を紹介するイベント「ハイパージャパン2013」が華やかに開催された。イベント入口には色とりどりのコスチュームに身を包んだ若者たちが長時間行列する姿が見られ、展示場周辺は文字通り興奮と熱気に包まれていた。

 今回で5回目となる同イベントの入場者数は3日間総計で6万2000人(内、英国人を中心とする欧州人が95%)、前回の4万6000人を大きく上回り、ハイパージャパンの認知度が年々高まっていることがうかがえる。先頃パリで開催され、4日間でなんと21万人を動員した世界最大級の日本エンターテインメントの祭典「ジャパンエキスポ2013」にも見られるように、日本のポップカルチャーやアニメ、ゲーム、デジタル・コンテンツは、ここヨーロッパにおいて今爆発的にその裾野を広げている。「ハイパージャパン」を主催する、ロンドンの日系メディア会社「クロスメディア」代表 丸茂和博氏へのインタビューなどを交え、大盛況の中で幕を閉じた「ハイパージャパン2013」をリポートする。

芸者の裏舞台を公開! 日本の伝統文化を正しく紹介

特設ステージで、小唄や踊り、三味線などを披露する、紗幸さん(右端)と芸者さんたち
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 イベント初日の会場では、あるブースに驚くほどの人だかりができていた。ゴスロリ系の女の子グループ、コスプレイヤー、子ども連れの若いカップルなど、さまざまな人々が携帯電話やカメラを手に、普段なかなか見られない光景を写真に収めようと押し合っているーー。彼らの前で、西洋人として初めて芸者になったオーストラリア出身の女性、紗幸(さゆき)さんを含む数人の芸者さんのパフォーマンスが繰り広げられていたのだ。これは、花器や掛け軸などを配した畳敷きのブースを置屋に見立て、着付けやメーク、踊りのお稽古など芸者たちの裏舞台を見せるというもの。「今まで“ゲイシャ”にはミステリアスなイメージがあったが、あの真っ白な顔はこうやってできるのかと妙に納得した」とは、ブライトンからやって来た、ロリータ・ファッションを身にまとった女の子2人組のコメント。

 事実、芸者・紗幸さんのパフォーマンスは、今年の目玉イベントのひとつだったという。「『ハイパージャパン』は世界的に見ればまだ規模は小さいですが、常に日本の最新コンテンツを紹介しつつ、その一方で、歪んだイメージを持たれがちな日本の伝統文化についても、正しく紹介していきたいと考えています。若い人だけにアピールするのではなく、幅広い年齢層に訴求できるもの、また現地の方の“ツボ”を刺激するコンテンツを常に開拓しています」と語るのは「ハイパージャパン」広報担当の高橋由紀子氏。

電子音楽と映像をメインに、パントマイムなどを融合させた独創的なステージで、3日間にわたり観客を魅了していたパフォーマー集団「白A」
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きゃりーぱみゅぱみゅと同じ事務所アソビシステムの期待の新人、Yun*chiのコンサートも、大きな盛り上がりをみせていた
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 その他、同イベントのハイライトでもある特設ステージでは、連日強力なラインアップが目白押し。日本の「ブルーマン・グループ」として、今や世界的な注目を浴びている「白A」のユニークなパフォーマンスや、ロリータ系、制服系などのファッションに身を包んだ“Kawaii ファッション”のファンが、ステージに一堂に会したファッション・ショーなど、ステージは常にたくさんの立ち見客で溢れていた。