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2022-11-28 21:23:00

ポストコロナ時代の流通サービス産業の展望(9)

 

[6]脱炭素社会

「脱炭素社会」と言うと、「流通サービス産業界」の多くの企業は、真剣に取り組んでいない。しかしながら、「脱炭素社会」というのは「SDGs」と同様に「ポスト・コロナ時代」には「社会的役割」の一つとして位置づけなければならない。

(1)脱炭素社会とは

「脱炭素社会」というのは、「カーボン・ニュートラル(Carbon Neutral:地球温暖化の主な原因となる二酸化炭素排出量を抑制するための活動)」である。わが国においては、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち、2050年カーボン・ニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言した。

 

(2)カーボン・ニュートラルの目的

「カーボン・ニュートラル」の目的は、「温室効果ガス排出を全体としてゼロ」で二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量から、森林などによる「九州」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることである。「カーボン・ニュートラル」の達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減・吸収作用の保全及び強化をする必要がある。

 

(3)世界共通の長期目標

地球規模のかだいである機構変動問題の解決に向けて、2015年に「パリ協定」が採択され「世界共通の長期目標」として、次のように合意された。

 

世界的な平均気温上昇を産業革命以前にくらべて2℃より

十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)

 

今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と

吸収源による除去料との間の均衡を達成すること

 

 

(4)なぜカーボン・ニュートラルを目指すのか

世界の平均気温は、2017年の時点で、工業化以前(18501900年)と比べ、すでに約1℃上昇したことが示されている。このままの状況が続けば、さらなる気温上昇が予測されている。

近年、国内外で様々な気象災害が発生している。個々の気象災害と気候変動問題との関係を明らかにすることは容易ではないが、気候変動に伴い、品後、豪雨や猛暑のリスクがさらに高まることが予測されている。

日本においても、農林水産業、水資源、自然生態系、自然災害、健康、産業・経済活動などへの影響が出ると指摘されている。

こうした状況は、もはや単なる「気候変動」ではなく、人類やすべての生き物にとって生存基盤を揺るがす「気候危機」とも言われている。

「気候変動」の原因となっている「温室効果ガス」は、経済活動・日常生活に伴い排出されている。国民一人ひとりの衣食住や移動といった「ライフスタイル」に起因する「温室効果ガス」が我が国全体の排出量の約60%を占めるという分析もあり、国や自治体、事業者だけの問題ではなくなっている。

「カーボン・ニュートラル」の実現に向けて、誰もが無関係でなく、あらゆる主体が取り組む必要がある。

将来の世代も安心して暮らせる、持続可能な経済社会をつくるため、今から、「カーボン・ニュートラル」「脱炭素社会」の実現に向けて、取り組む必要がある。