インフォメーション

2022-11-09 16:40:00

[ホールフーズ2023]食のトレンド予測 トップ10

  • ツイッターでシェア
  •  
  • フェイスブックでシェア
  •  
  • ラインでシェア
  •  
  • ポケットでシェア

ホーム

>

記事一覧

>

食トレンド

>

今後の食トレンドを予測する中で、環境意識や食嗜好が多様な諸外国の動向は大きなヒントになります。オーガニック&ナチュラルを専門とし、アメリカを中心に500超の店舗を展開するスーパー「ホールフーズ・マーケット」が、今回で8回目となる2023年の食トレンド予測トップ10を発表しました。記事内容の抄訳をお届けします。

ホールフーズが予測する2023年の食トレンドは?

2022年10月19日、テキサスのオースティンを本拠地とする自然食品小売大手のホールフーズ・マーケットは、「2023年の食トレンド予測トップ10」を発表しました。第8回となる今回は、“ヤポン”の飲み物、野菜や果物のパスタ、パルプのアップサイクル、気候変動に配慮した呼びかけなどが、2023年に注目を集めると予想されています。


ホールフーズ・マーケットのCMO(マーケティング責任者)
ソーニャ・ガフシ・オブリスク氏のコメント:
「私たちのトレンド予測には、商品そのものだけでなく、顧客が商品を選ぶ際の優先事項の方向性も示されています。植物性ミルクの製造過程で生まれるパルプをアップサイクルしたパンや焼き菓子、養殖の昆布のような食材が人気を博すことに、とてもわくわくしています。今回のトレンド予測には、サステナブルな取り組みによる製品ラベルから、アニマルウェルフェアをリードする鶏肉・卵のサプライヤーまで、社会に真のインパクトをもたらすことをミッションとするブランドが数多く登場します。私たちは、これらのトレンドが食品業界全体や、食卓やランチボックス、店舗の棚で見られるのを楽しみにしています。」

2023年 食トレンド予測トップ10

1. New Brew: Yaupon (新しい一杯を:ヤポン)

15187_image01.jpg

ヤポンは、アメリカ南東部に自生するヒイラギ科の植物で、在来種としては北米で唯一、カフェインを含む植物として知られています。アメリカの先住民は、この植物をハーブティーにして淹れ、「黒い飲み物」としてお清めの儀式で飲んでいました。

ホールフーズ・マーケットの本社があるオースティンでは、バーテンダーがヤポンを使ったカクテルを試すなど、そのマイルドでどこか土臭さを感じさせる風味とユニークな効能で人気が高まっています。

2. Pulp with Purpose(「パーパス」のあるパルプ)

15187_image02.jpg

Morning Consult社の世論調査によると、生活者の3人に1人が、少なくとも週に1回は非乳製品の代替ミルクを使用しているそうです。しかし、その代替ミルクの製造過程で捨てられている副産物はどうなっているのでしょうか?

TikTokのクリエーターたちは、家庭で余ったナッツやオート麦のパルプを利用する方法を模索しており、現在この分野でイノベーションを起こそうとするブランドも登場しています。副産物のオート麦や大豆、アーモンドのパルプをアップサイクルすることで、小麦粉やベーキングミックスなどの代替品を探している現代のパン職人のための新製品が生まれています。

3. Produce Meets Pasta(農作物とパスタの融合)

15187_image03.jpg

まずはひよこ豆のパスタ、次にカリフラワーのニョッキです。そして、忘れてはならないのがズードル(ズッキーニを麺状にしたもの)です。現在、カボチャのスパゲッティやパルミット(ヤシの芽の部分)、青バナナを使った新たな植物性パスタの新製品が生まれています。

これらは私たちの野菜・果物の摂取量を増やす手助けになります。特別な代用食を求める人、食生活にもっと野菜を取り入れたいと考える人、単に新しいもの好きの人、全ての人に対して、これらの新しい植物性パスタが役に立つでしょう。

4. The Great Date(偉大なるデーツ)

15187_image04.jpg

2022年春、TikTokでデーツを使ったスニッカーズ風のレシピが紹介されると広く拡散されました。しかし、デーツの流行は新しいものではありません。古代メソポタミアの時代から栽培され、親しまれてきたものです。

そして数千年経った今、乾燥デーツは「天然のキャンディ」とも言われ、甘味料として大きく見直されつつあります。家庭でのパン作りだけでなく、ペーストやシロップに入れたり、ケチャップやオーバーナイトオーツの隠し味にしたりと、さまざまな用途で使われています。どこか昔ながらのキャラメルのような香りがするデーツは、今が旬です。

5. A Poultry Revolution(鶏革命)

15187_image05.jpg

鶏は鶏らしくあるべきだと考える生活者が増え、鶏肉や卵の購入時にはアニマルウェルフェアの視点が重視されるようになっています。グローバル・アニマル・パートナーシップ(G.A.P.)では、鶏の生活だけでなく、私たちが食べる鶏肉の品質向上のための新たな一歩「The Better Chicken Project」を実施しています。

さらに、鶏卵においてもアニマルウェルフェアの流れが続いています。ホールフーズ・マーケットで日々取り扱う鶏卵の生産者は、雌鶏の飼育にあたってのアニマルウェルフェア基準をケージフリーからさらに発展させ、屋外で過ごす時間に重きを置くようになっています。

6. Help From Kelp(昆布の恵み)

15187_image06.jpg

昆布はそのままの形で大気中の炭素を吸収します。そのため、気候変動が叫ばれる現代において、昆布の養殖はこれまで以上に重要さを増しています。

昆布は成長が早く、真水や添加物も不要です。栄養価が高いため、麺類やチップス、魚醤などの食品に使われています。生活者が代替食品や新たな味わいを求めるなかで、昆布を使った食品の人気が高まっています。

7. Climate-Conscious Callouts(気候変動に配慮した呼びかけ)

15187_image07.jpg

気候への配慮はこれまで以上に重要です。そのため、各ブランドは食品や飲料の生産において、気候変動への影響の低減に取り組んでいます。

生活者がブランドや小売業者に対して、炭素や気候に関するより多くの取り組みを期待する時代において、私たちの店舗では、商品ラベルにサステナビリティへの取り組みを表示しています。ホールフーズ・マーケットの専門家チームは厳格な品質基準を設定し、進化を続けるこのテーマに関する情報を提供することで、お客様にラベルの内容を信頼していただけるよう努めています。

8. Retro Remix(レトロ・リミックス)

15187_image08.jpg

マカロニ&チーズやピザ、昔ながらのシリアルなど、私たちは皆、子供の頃に食べた懐かしい食べ物を時々味わいたくなるものです。Mintel社の調査によると、アメリカの生活者の73%が過去を思い起こさせる味を楽しんでおり、そうしたノスタルジックな食べ物が主流になる兆しを見せています。いったいどうなるのでしょう?レトロな食品が、健康志向の高い生活者のために、より良い素材や特別な食事に配慮されて生まれ変わり、究極のマッシュアップとなるかもしれません。

9. Only the Finest for Fido(愛犬には最高のものを)

15187_image09.jpg

ASPCA (The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals、アメリカ動物虐待防止協会)によると、パンデミック下で2,300万超の世帯がペットを飼うようになりました。現在、飼い主の多くがオフィスに戻ったことにより、大切なペットの健康や味覚への配慮がこれまで以上に重要視されています。

ボーンブロスといったペット用サプリメントは爆発的に売れており、ペットフードのレシピでもおいしさが追求されています。モフモフのお友達の幸せのために、ホールフーズ・マーケットのペットフードやサプリメントにも、業界をリードする品質基準が求められます。

10. Avocado Oil Craze(アボカドオイルに夢中)

15187_image10.jpg

長きにわたり食卓の必需品だったアボカドオイルが、ついにあらゆる商品の主流となりつつあります。アボカドオイルの人気の理由は、高いオレイン酸含有量および発煙点(スモークポイント)にあります。スナック菓子やマヨネーズ、インスタント食品などにおいて、キャノーラやベニバナといったオイルに代わって、アボカドオイルが定着していくのは確実でしょう。

[ホールフーズ2023]食のトレンド予測 トップ10 - FoodClip| 食ビジネスの動向やトレンドを届ける専門メディア (cookpad.com)

 

writing support: Sachie Mizuno