米国では調理機器のIoT化が急激に進化している。新型コロナウイルス禍の自粛ムードの中で自宅で料理をする人が増えたといわれるが、そうした背景もIoT化を後押しした。一方、どの調理機器が家庭のレシピデータを扱う中核になるかが注目され始めた。
米ミーターは、スマートフォンのアプリと連係させた調理用の温度計を開発した。料理に応じた適正な焼き具合の温度になると、自動的に知らせる機能がある。肉料理の場合、肉に差し込んだままオーブンに入れるだけ。肉の種類や焼き加減をアプリで設定しておくと、焼き上がったときに信号が鳴る。簡単な機能だが、何度も温度計を確認する必要がなくなるほか、肉の内部を適温に仕上げるため料理に失敗しないという。
家庭菜園として使う水耕栽培用キットもある。米エアロガーデンの製品は栄養素と水とLED照明だけで、野菜やハーブを通常の5倍も早く育てられる室内用栽培ポット。太陽のように強い光を照射するだけでなく、育ち過ぎないように調整する機能も備える。
料理では計量が重要になる
米インスタントブランズが2010年に発売し、今では世界的なヒット商品として知られる電気圧力鍋「インスタントポット」にもアプリと連動するモデルが出てきた。1000以上のレシピをアプリから選び、調理設定もワンタップだ。米エンバーのマグカップはバッテリーとセンサーを搭載し、温かい飲み物を好みの温度に保つ。アプリとも連動し、飲み物ごとの設定を送信することもできる。
料理で重要な点の1つは、材料を正確に量ることだろう。米ドロップのスマート計量器はアプリと連動するだけでなく、ほかのキッチン用品とも連係できる。レシピを選ぶとアプリを経由し、オーブンに計量データや温度設定などを送信。自分が集めたレシピの管理もアプリ内で可能だ。キッチンの中心を占めるようにと考えて開発しただけに、今後は目が離せなくなりそうだ。
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米国でキッチンの主役争いが激化 調理機器のIoT化の進展で :日経クロストレンド (nikkei.com)