インフォメーション

2013-04-28 00:14:00

コンサルティング事業や日本食材の輸出などを手掛けるラ・ディッタ(東京都港区)は、地方自治体などと連携し、シンガポールで日本の食や文化を発信する事業を拡大する。

地方自治体などが海外で観光客誘致と農産物輸出に向けた取り組みを積極化していることが背景。同社の広報担当者は「ASEAN(東南アジア諸国連合)のハブであるシンガポールで、日本の多くの県や自治体が積極的に地域の資源を売り込んでおり、ローカルの関心が高まっている。これを商機と捉えている」と説明する。

今月26日には、地場会員制クラブ「シークレット・クックス・クラブ」で、官民が連携し地域資源を積極的にシンガポールに売り込んでいる岐阜県と協力してイベントを開催。シンガポールに在住するフランス人シェフが、飛騨牛をバスタブに張ったお湯で低温調理するというユニークな調理法で仕上げる特別メニューを一晩限りで20人程度に提供する。

同社は2011年秋から東京で1種類の食材をコース料理としてふるまうイベントを実施。同担当者によると、生産者や流通業者、料理人などから食材にまつわる情報も聞けると好評で、月1回のペースで定例化していた。これを初めて海外に輸出する格好だが、反応が良ければ定期化につなげたい考えだ。

アメリカン・エキスプレスが会員を招待する6月のイベント企画も担当。京都から舞妓を招致し、京都府が認証している観光大使や地場着付師と連携し、シンガポールの社交クラブで行われる催事を盛り上げる計画だ。

ラ・ディッタは11年7月、シンガポールに現地法人を設立。シンガポールを東南アジアの情報発信拠点と位置づけており「高所得者層だけに照準を置くのではなく、より幅広い層に対してあらゆる角度から、日本の食や文化を訴求していく」(同担当者)ことを目指し、日本の食や文化の海外発信を柱に1年半後をめどとしたシンガポールでの飲食業へ本格参入する意向を示す。将来的にはシンガポールを軸に、マレーシア、インドネシア、タイなど周辺諸国に事業を広げていきたい考えだ。