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2021-09-25 18:08:00

明日のフードビジネスへの展望

【第175回】

 

今回は、「BCG流経営者はこう育てる」()について紹介しよう。

 

現代経営者の条件(29)

 

(3)勇気は蛮勇とは違う

 

●柳井正

 

 「経営者である以上、株主に対して収益を上げて成長する責任を負っています。リスクを恐れて何もしないでいたら、それこそジリ貧になって会社はつぶれます。リスクを取らない限り、収益も上らないし会社も成長しないでしょう」

 

●鈴木敏文

 

「暗闇の中に飛び出す勇気が必要です。セブン-イレブンを日本で始めた時も、日本でコンビニエンスストアなんて絶対無理だと<さんざん反対された。米国のセブン-イレブンを買収する際も反発があった。

中国に出店した時も、IYバンクを始めた時も、周囲の人はみな反対です。勝算がない、リスキ-だと。でもリスクを取らないと、成功も手に入らない。暗闇の中に飛び出したんだから、先が見えなければ、手探りで着実に進むしかないでしょう」

 

(失敗するリスクをいかに管理するか)

 

1.失敗する確率とダウンサイド・リスクを最小化すること

 

2.失敗しても落ち込まず、失敗から学習すること

 

(4)失敗する確率とダウンサイド・リスクを最小化する

 

ダウンサイド・リスクというは、「最悪ケ-スが現実のものとなった場合に事業や企業に与えるインパクトの大きさ」です。優秀な経営者はリスクを取りますが、例外なくこのダウンサイド・リスクに対する感覚が研ぎ澄まされています。

同時に優秀な経営者ほどリスクを回避します。彼らは、リスクに対して異常なまでに神経質です。可能な限りあらゆるリスクを洗い出し、常に最悪を想定して手を打ちます。すなわち、「最もリスクを回避する人だけが、最も果敢にリスクを取ることができる」のです。

 

●柳井正

 

「リスクを取るということは、失敗してもいいということです。ただ、この範囲までだったらいい、ということを計算することです」

 「つぶれない会社にすることです。一勝九敗でいけど、再起不能の失敗はしない」

 

●鈴木敏文

 

 「人間は、30mの高さから飛び降りないでしょう。大ケガを負うのは目に見えています。では、何mまで飛び降りることができるのか、1mか、2mなのでしょうか。

いざという時のために、飛び降りることができる高さを見極めておく必要がありま。リスクに対する会社経営も同じです」

 

●高原慶一朗

 

 「臆病の積み重なりこそが大胆なんです。大きな勝負のできる人は大胆ではなく、むしろ慎重居士であることが多いものです。大事を成すのは実は臆病な人です。

勇気と臆病は対立する概念だと考えられていますが、そんな単純なものではありません。事業をやるためにはこの両方を持たなくてはならないんです」