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2013-02-23 22:10:00

今回から、「マ-ケティング戦略の確立」について説明しよう。

 

マ-ケティング戦略の確立(1)

 

 「マ-ケティング」の「定義」と「役割」を認識し、さらに「市場調査」の分析をおこなったなら、次に重要なことは「マ-ケティング戦略」を確立することである。

[1]戦略としての考え方

 まず「戦略」であるが、ベンクト・カ-トレフの「入門企業戦略事典」で、次のように説明している。

 戦略という用語は戦争の技法から採用したものだ。戦争での意味は、利用できるあらゆる資源を使って、国や勢力圏の政策を立案し実施することである。

 それとの類推で、この用語は幅広い長期の方法という一般的な意味で使われる。

 経営管理の専門用語に取り入れられ、しだいに従来は方針とか経営方針とかいわれていた意味合いを帯びるようになった。

(1)マ-ケティング戦略とは

① お客様の立場に立つ

 「マ-ケティング」というのは、「お客様の立場に立つ」視点から企業活動のあらゆる側面を考えなければならないことを示唆している。また企業あるいは集合体としての産業は、お客様の「ニ-ズ」や「ウォンツ」に対して、「感動」や「感動を倍加」をしていただくように提案することによってのみ、その存続が保証されるものであり、企業あるいは産業が発展し続けるためには、絶えざる「お客様の創造」が必要とされている。

 

② 最良の会社

 基本的な企業の役割は、絶えざる「マ-ケティング努力」と、それを成功に導くための「イノベ-ション」の努力なのである。世間で企業を評価する場合に、その指標の一つとして売上高があげられているが、近来は利益で評価されている。つまり、優秀な企業は「最大の会社よりも最良の会社」である。

 

③ マ-ケティング戦略の意味

 最良の会社たるべきには、「マ-ケティング戦略」を次ぎのように定義する。

 「マ-ケティング戦略(marketing strategy)」とは、「経営戦略」に基づいて、お客様を創造する「クォリティ・オブ・ライフ」を提案できるような「価値創造」を目的とする、マ-ケティングの長期的な路線の指針を確立すること。

 

「マ-ケティング戦略」については、三上富三郎が次のように説明している。

 マ-ケティング戦略(marketing strategy)とは、企業のマ-ケティングの長期的な路線、政策を、与件・戦略・環境変数の最適結合を通じて決定し、マ-ケティングミックスを形成する計画である。

 

 「マ-ケティング戦略」については、佐川幸三郎が「新しいマ-ケティングの実際」で、次のように説明しているが、本質的な問題として「戦略がもつべき革新性」をあげている。

 軍事用語として、戦略は戦争の総合的な準備・計画・運用の方策をいい、戦術は戦闘実施の方策をいう。戦略と戦術は戦争の術(art of war)の二要素といわれている。戦略はこれからの新しい産業社会のありようを洞察し、これに対処する創造的なアイデアと技術を伴った総合的な計画でなくてはならない。局所的な戦闘に勝つための戦術においても、発想における独創性を必要とするものである。

 戦略は組織の長期的大局的な活動計画であるから、企業の哲学(philosophy)並びに目標と密着している。哲学は基本的な考え方であり、目標は成果の具体的な指標であり、戦略はそのための方向づけと方法論である。この三者は三点セットになっていて、切り離すことはできない。