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2020-06-13 22:33:00

セブン、2万店で生命保険販売 MS&ADと提携

金融機関
小売り・外食
2020/6/8 2:00
 
 
 

 

コンビニで生保の加入契約が可能になる(都内のセブンイレブンの店舗)

コンビニで生保の加入契約が可能になる(都内のセブンイレブンの店舗)

 

セブン―イレブン・ジャパンは保険大手のMS&ADインシュアランスグループホールディングスと提携し、全国約2万店で生命保険の販売を始める。生保業界では生保レディーなどと呼ばれる営業担当者による対面販売が原則だが、新型コロナウイルスの感染拡大で顧客と会うのが難しい。両社は電話相談窓口を設け、コンビニで契約を完了できるようにする。生保の販売モデルが変わるきっかけになりそうだ。

セブンとMS&AD系の三井住友海上あいおい生命保険がまずがん保険の販売を16日から始める。コンビニ業界が生保を取り扱うのは初めて。保険料は最低で月千円未満に設定し、高齢者を中心に年6万人の契約を目指す。

ネットにつながる店内の複合機に氏名など加入に必要な個人情報を入力し、レジで保険料を支払うと契約が完了する仕組みだ。スマートフォンやパソコンを通じて、専用サイトから事前に手続きの一部を済ませることもできる。

両社は保険の販売資格がある職員をそろえた専用のコールセンターを設置し、24時間365日いつでも相談を受け付ける。商品に疑問がある場合でも、電話で保険ショップと変わらない対応ができる環境を整える。三井住友海上あいおい生命は対面と同等の品質を保てるとして、コンビニの複合機を通じた保険加入の容認に踏み切る。個人保険の新規契約数が年30万件強の同社はコンビニでの販売を通じて契約数の上積みを狙う。

コロナ禍で対面での営業自粛が広がった生保業界では明治安田生命保険など大手も特例措置で非対面での保険加入を認め始めている。

コンビニではこれまでも保険を扱ってきたが、説明の必要が少ない損害保険が中心。セブンは自転車保険や1日レジャー保険など4つの損害保険に対応し、2019年度の加入件数は182万件だった。ローソンファミリーマートも保険会社と組み、1日自動車保険など損保商品の加入窓口になっている。

保険の販売拠点の数は頭打ちだ。調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、複数社の保険を販売する「保険ショップ」は19年時点で前年比6%減の2497店だった。セブンは4月末時点で全国に2万930店あり、複合機を設置するほぼ全店が生保加入の窓口になる。コンビニが保険会社、銀行・郵便局の窓口、保険ショップに次ぐ生保の第4の販売チャネルとなる。