インフォメーション
前回は、「顔つき」に説明したが、今回は「仕事」について説明しよう。
現代経営者の条件(16) |
[5]よき経営者の姿(2)
(2)仕事
①経営者の3つの役割
1.リ-ダ-
リ-ダ-とは、その組織の求心力の中心となる人物のことである。リ-ダ-としての経営者の役割は、組織の中で働く多くの人々を束ね、統率していくことである。そうした「人を統率すること自体」あるいは「統率する力」のことをリ-ダ-シップという。
リ-ダ-シップの定義「人についていこうと思わせ、そして彼らをまとめる属人的影響力」
2.代表者
経営者は、その組織を代表するただ一人の人間として、外部に向かっての代表者の役割を果たさなければならない。
3.設計者
企業のグランドデザインの提示者:大きな枠組み
・戦略の設計図「市場の中の組織の活動の基本設計図」
・組織の中の人々の活動の役割と連携、その管理のための構造設計図「経営システム(組織構造、管理システム)と人の配置の基本設計」
②リ-ダ-の条件:人格的魅力とぶれない決断
リ-ダ-とは、人間の集団を率いる人である。率いていくためには、実は人がついてこなければなりません。たんに先頭を歩いたり、あるいは積極的に振る舞うものの自分勝手に踊っているだけでは、リ-ダ-ではない。つまり、リ-ダ-の条件とは、人がついていこうと思える人の条件なのである。
1.人格的魅力
カリスマ性という表現があたる。人間的魅力の背後には人格的な温かさがあります。その温かさが接したときの心地よさをもたらし、その心地よさが人間としての信頼感につながる。組織のリ-ダ-としては、大きな方向性を出さなければならないが、この人なら大丈夫という人格的な基盤が必要である。
2.ぶれない決断
・ぶれない決断が、リ-ダ-への信頼感を生みだす。
・決断をしてくれるということが、それが信頼感を生む。
・決断自体が筋が通っていて、わかりやすく、正しい可能性が高い。
3.状況の変化とともに決断を安易に変えない
③代表者の条件:結果への責任感と社会への倫理観
1.三角形の頂点
2.一人で社会に向き合う
③設計者の条件:戦略眼と組織眼
1.企業全体の方向性を決める
2.資源の配分の基本枠を決める
3.組織の構造と管理の仕組み(経営システム)の基本を決める
4.その仕事の仕組みの中での人の配置を考える
④経営理念の策定者、伝道者
1.経営とは、他人を通して事をなすこと
・人々は、人間として、頭があり、心があり、感情がある。その人たちを動かしてこそ、経営なのである。
・組織の中の大多数の人は、ふつうの人である。能力、努力、感情もふつうである。
・優良企業:六割の人がきちんと自分の仕事を行なっている企業である。
2.策定者、伝道者
・組織で働く人々が理念的なインセンティブを欲する
・判断基準としての理念を人々が欲する
・理念はコミュニケ-ションのベ-スを提供する
⑤経営者の3つの顔
1.分配者
分配者とは、組織の内部の人々に対して富と権力と名誉と時間を分配する人。
2.教育者
・組織に働く人々の能力を育成する人
・あたかも教育者と同じようなスタンスで経営者は経営にのぞむ(教育者の本質)
3.哲学者
事業活動の意味を考え、企業の存在する意義を考え、働く人々の仕事の意味は何かを考えるという「考える人」の顔である。考えることを「哲学する」という言葉で表現している。