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2019-11-04 15:19:00

今回は、前回に引き続き、「リーダーの資質」について説明しよう。

 

現代経営者の条件()

 

[4]ドラッカ-が語るリ-ダ-の心得()

 

(4)リ-ダ-の主要な課題は、いかにして各種のバランスを上手にとるかである

 

 リ-ダ-のとるべき第1のバランスは、長期と短期、大局的(ビッグ・ピクチャ-)と細部の些末事とのバランスである。大局が見えないリ-ダ-は、たいてい毎日の業務活動の“捕虜”になっている。

 リ-ダ-のバランスとりでさらに難しい問題として、大勢の部下の目標を一つに絞ることと、それを分散化することのどちらにするかの決定である。

 最後にリ-ダ-のバランスとりでもっと難しいものに、「慎重さ」と「緊急性」という重要な均衡をどう図るかという課題がある。

 

(5)“口動人”ではなく真の“行動人”たれ

 

有能なリ-ダ-は、自ら最前線(フロント・ライン)に出かけて行く人であり、現場へ出る人ということである。また有能なリ-ダ-というものは、デリゲイション(権限委譲)も、現場の判断を重視するエンパワ-メントもどしどしする人である。

 賢いリ-ダ-でも、一つだけ部下に委任しないことがある。それは何か。それは、自分の方が格段に巧くでき、違いがわかり、基準を評定でき、この点は皆(部下)にもよく覚えておいてほしいと思うことである。そういう仕事こそ、他人に任せないで自分でやるべきである。

 

(6)もっとも重要なのは、タスクに目を配ることであって、自分自身についてではない。

 

(7)NIH(お山の大将)根性を捨てよ

 

NIHNot Invented Here

 

アメリカの企業でも、しっかりしているところは絶えず冷静に自らのパフォ-マンスを見つめ直し、東に優れたものがあれば直ちに赴き、西に傑出したものがあればすぐに吸収しに行くといった行動哲学を有していると指摘している。

 ドラッカ-は、産業や市場におけるあらゆる戦略の中で、この「アントルプルヌ-リアル・ジュ-ド-」(企業家的柔道)こそ、ずば抜けてリスクが少なく、成功の公算が大きい方策であるとしている。

 

(8)これからの乱世で組織が生き残って成功するには、自らを変革の促進者(エ-ジェント)に変えていかなければならない。