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2017/10/27(金)
クールジャパン店舗1年、中込専務が手応え
開業から1年を迎えたマレーシア・クアラルンプール(KL)のクールジャパン店舗「イセタン・ザ・ジャパン・ストア」を訪れた三越伊勢丹の中込俊彦専務(海外事業本部長)は26日、「当初は(運営や市場浸透が)難しい面もあったが、『食』の分野が強く支持され、ブランドへの理解が進み、徐々に顧客も増えている」と手応えを語った。今後の展開として、日本ブランド紹介の一方向ではなく、マレーシアを中心とする東南アジアとの協業や双方向の商流をつくることが成長のカギになるとの考えを示した。
イセタン・ザ・ジャパン・ストアは、日本が世界に誇る商品、サービスを売り手側のコンセプト・理論を重視して提案するプロダクトアウトをコンセプトに三越伊勢丹ホールディングスと海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)が新設した世界で初めてのコンセプトストア。当初からその挑戦的な試みに注目が集まっていたが、中込専務は、「初めは(浸透に)時間がかかった。日本のものを全て持ってきても理解が難しい部分はあったが、1年たって理解が進み、徐々に顧客が増えている。特にレストランやフードコートなどの食分野でマレーシアのお客様に強い支持を得ている」と述べた。
■売るだけでない使命果たす
また、この1年での取り組みの中で特に、マレーシアのビジネスの担い手とともに進めた事業の将来性を強調。「一方的に日本を紹介しても理解は難しく、日本の消費者にもマレーシアやアジアを分かってもらうことが大切だ」と話し、取り組みの一例として先ごろ商品化した、東南アジア諸国連合(ASEAN)で収穫されたカカオ使用のオリジナルチョコレートブランド「ナユタ チョコラタジア(NAYUTA CHOCOLATASIA)」を挙げた。イセタン・ザ・ジャパン・ストアでの売れ行きは非常に好調であるといい、「シンガポール、中国(の消費者の嗜好=しこう)にも合うと思う」と今後の展開拡大に意欲を見せた。三越伊勢丹はナユタ チョコラタジアを来年、日本に逆輸入することを既に明らかにしている。
中込専務は、ナユタを例に「売るだけでない、相互にやるという、こういったことが使命だと思っており、この一年での大きな成果だ」とも強調。クールジャパン店舗の今後の新たな展開が期待できそうだ。