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2017-09-23 22:32:00

世界中からさまざまな食が集まるニューヨークで、寿司やラーメンに続く和食
人気の牽引役としてうどんが注目を浴びています。街を歩くと、店先に「Udon
(うどん)」の看板を掲げるアジア料理店、持ち帰り用の惣菜を売るデリカテ
ッセンの一角にあるうどん販売コーナーなどをしばしば見かけます。市内には
うどん専門店もいくつかあり、なかには2時間待ちの行列ができるほど人気を
集める店もあります。 

また、スーパーマーケットでは乾麺や半生麺のうどんが販売されており、外食
だけでなく家庭でも味わうことができます。これらを手に取ると、一部の商品
のパッケージに「Gluten-free(グルテンフリー)」と表示されていることに気
づきます。これは、小麦などに含まれるたんぱく質の一種であるグルテンを含
まない食品を示すもので、昨今、米国で需要が高まっており、パンやパスタと
いった本来小麦を原材料とする食品の多くにグルテンフリー商品が登場してい
ます。市場調査会社によれば、グルテンフリー食品全体の市場規模は2015年時
点で約16億ドルに上り、前年比成長率は10%を超えています。

こうした需要の高まりの背景には、主に二つの要因があると考えられています。
一つは、国民の約0.7%が罹患していると言われるセリアック病です。セリアッ
ク病は、グルテンに対する免疫反応が引き金となって起こる疾患で、現時点で
は有効な治療法がなく、患者はグルテンを含む食品の摂取を控えるほかありま
せん。もう一つは、健康志向の高い人々の間でグルテンフリー食品がヘルシー
フードであると認識されていることです。有名アスリートや人気テレビ番組の
司会者がグルテンフリーの食生活を始めたことが話題となり、こうした認識が
広がったとも言われています。

現在、米国で流通しているグルテンフリーうどんの多くは米粉を使用しています。
多様なライフスタイルや嗜好を持つ消費者が存在するこの国で、うどんの人気
の高まりとともに、米粉の需要も高まっていくかもしれません。

                  (ニューヨーク事務所所長補佐 倉内)