インフォメーション
消費量の増加から、穀物全体、油糧種子の期末在庫率は低下する見込み。北半
球では冬作物の収穫期、春作物の生育期に入り、作柄への影響等今後の天候に
注視。
穀物全体の期末在庫率は 18.7%と前年度(19.9%)を下回り、FAOの安全在庫
水準(17~18%)に近づく見込み。
主な品目別の需給
(1)小麦
生産量は前年度より増加するが、消費量を下回り、期末在庫率は低下する見込
み。
【生産量】662百万トン(+2.2%)
【消費量】670百万トン(+2.1%)
【期末在庫率】27.2%
◇ロシアは生育期の降雨で、前年の干ばつによる減産から回復の見込み。
◇ウクライナは収穫が本格化。単収増から生産量は回復の見込み。
◇高温乾燥の影響が深刻であったEU北西部(仏、独、英)は、6月の降雨で乾
燥が緩和されたものの、フランスでは減産の見込み。
◇米国の冬小麦は、テキサス州等で乾燥による作柄悪化。春小麦は、土壌水分
過多による作付面積の減少等が懸念。
◇カナダで降雨過多による収穫面積の減少見込み。
(2)とうもろこし
生産量は史上最高を更新するものの、消費量を下回り、期末在庫率は低下する
見込み。
【生産量】872百万トン(+6.4%)
【消費量】878百万トン(+4.1%)
【期末在庫率】13.2%
◇米国では価格高騰による作付面積増とともに単収の増加から、史上最高の生
産量見込みとなるも、期末在庫率は、引き続き低水準(6.4%)。
◇ブラジルの2010/11年産の冬とうもろこしは、6月中旬の降雨で乾燥の影響
が緩和。8月以降収穫期を迎える。
(3)米
アジア諸国での収穫面積増等により、生産量は史上最高と見込まれるものの、
消費量をわずかに下回り、期末在庫率は低下する見込み。
【生産量】456百万トン(+1.4%)
【消費量】456百万トン(+1.9%)
【期末在庫率】21.1%
◇中国では揚子江中下流域の洪水等の影響で、早生種の生産に被害。
◇米国では主に長粒種の作付面積の減少から、生産量が減少見込み。
(4)大豆
生産量は消費量をわずかに下回り、期末在庫率は低下する見込み。
【生産量】262百万トン(▲0.8%)
【消費量】263百万トン(+3.3%)
【期末在庫率】23.6%
◇米国では収穫面積の減少により、前年度より生産量が減少。
◇中国の旺盛な大豆(搾油用)需要で、米国の中国向け輸出需要は継続、一方、
アルゼンチン、ブラジル等の輸出量も増加。
詳しくは、「食料需給インフォメーション」
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/index.html
内「海外食料需給レポート」
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_rep/index.html
でご覧ください。