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今回は、「個性化戦略」を論じる前に、「競争」について考察をしておこう。そのはじめとして「競争の流れ」と「差別化戦略」について説明をしよう。
個性化戦略(7) |
[4]競争とは
企業間競争は必ず起こるものであり、そのために「競争」の種類を認識することによって、「個性化戦略」を確立することが可能となる。
(1)競争の流れ
「マ-ケティング戦略」で「個性化戦略」を展開する場合、自社の置かれている位置を確認してから、「戦略」や「計画」を行わなければならない。
【世代別マ-ケティング戦略】
世 代 | 第1世代 | 第2世代 | 第3世代 |
マ-ケティング戦略 のコンセプト
| 差別化戦略 (segmentation strategy) | 競争戦略 (competitive strategy) | 個性化戦略 (personal strategy) |
市場深耕のレベル
| 市場深耕化 (market differentiation) | 中市場深耕化 (Market differentiation) | 市場裁断化 (market fragmentation) |
商 圏 | 大 商 圏 | 中 商 圏 | 小 商 圏 |
訴 求 対 象 | あらゆる客層 | 若干の絞込み | 完全な絞込み |
商品コンセプト | マスマ-チャンダイ ジング | ミドル・マスマ- チャンダイジング | スモ-ル・マスマ-チヤンダイジング |
コンシャス | プライス・コンシャス | バリュ-・コンシャス | バリュ-・コンシャス+プライス・コンシャス |
サ-ビス・レベル | グッド・サ-ビス (満 足) | ベタ-・サ-ビス (感 激) | ベスト・サ-ビス (感 動) |
需 要 開 発 | 潜在需要開発 | 真空需要開発 | 深層需要開発 |
ビジネス・タイプ
| 業種から業態への転換 | 業態確立の本格化成長時代 | フォ-マット時代
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①差別化戦略とは
「差別化戦略」というのは、第1世代の戦略であり、その意味するところは、マス・マ-チャンダイジングの大量生産・大量販売時代において、「マ-ケティング戦略」として駆使された。
「差別化戦略」というのは、他社がすでに展開している「マ-ケティング戦略」に対して自社をアピ-ルするために、どこか少しでも異なる要素を作り出す「戦略」である。
しかし、この種の「戦略」は、マ-ケットの発展期にとられる場合が多く、生活者の訴求対象も後発企業は先発企業もほとんど変わらないことが多く、「マ-ケティング戦略」も差をつけるのがかなり困難で、同種の業態・業種の場合は、後発企業はどうしても、先発企業の物真似的要素が多くなってしまう。
つまり、差別化による競争というよりも「同質化競争」であり、また「競争」というよりは、「競合」といった要素がものすごく多いのが現実の姿である。
この時期の「マ-ケティング戦略」は、お客様志向を唱えながら、どちらかというとまだまだ企業対企業の論理が優先される時代であることは否めないし、お客様の方に顔を向けていない。