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2011-06-29 10:50:00

 今回は、「マ-ケティング確立のための要素」について説明しよう。

 

マ-ケティングの役割④

 

[2]マ-ケティング確立のための要素

 「マ-ケティング確立」のための要素としては、「社会的経済的環境分析」「社会的経済的環境との情報交換」「企業内部の情報交換・統合」「製販連合の情報交換」を積極的に行うことが必要である。

(1)社会的経済的環境分析

 社会的経済的環境に適応し、マ-ケティングを効果的に行うためには、なにはさしおいても、社会的経済的環境分析を行わなければならず、数多くの項目があるが代表的なものをあげてみると次のようなものがある。

 主 な 分 類

主    な    要    素

人口動態の動向

人口数、世帯数、高齢化、核家族、独身世帯、結婚年齢、長男長女化、離婚率

女性の動向

職域、テンポラリー、自由時間、学歴、レジャ-、スポ-ツ、国内外旅行、自己表現、自己啓発、カルチャ-、キャリアウ-マン、主婦の職場進出、結婚、家庭

男性の動向

職域、自由時間、学歴、レジャ-、スポ-ツ、国内外旅行、自己表現、自己啓発、交際、結婚、家庭

ファミリ-の動向

家族団欒、外食・中食・内食、レジャ-、スポ-ツ、旅行、教育、住宅、通勤時間、生活財

シルバ-の動向

所得、自由時間、趣味、レジャ-、スポ-ツ、旅行

マ-ケティングの動向

ハイ・クォリティ・オブ・ライフ、アップスケ-ル、エンタ-テイメント、エキサイティング、アンビアンス、アメニティ、ヒドミクス、デライト、エクセレント、ニュ-・ラグシュアリ-、プレステイジ、ロハス、

トレンド

バリュ-・プライス、ホスピタリティ、グルメ、ヘルシ-、フレッシュ、リッチ、ナチュラル、オ-センティック、ウエルネス、グレ-ジング、ハイファッション、ファンタジ-、ドリ-ム、サッシ-、ストレンジ、スパイシ-、スペシャリティ

 

(2)社会的経済的環境との情報交換

 社会的経済的環境を知るには、数多くの方法があるが外部環境との情報交換としては、次のような「場」がある。

◎生活者との直接的情報交換

・生活情報の探求

・生活情報の提供

・商品情報のコミュニケ-ション

・消費者団体、オピニオンリ-ダ-との情報交換

 

◎流通との情報交換

・生産者との情報交換

・流通業者との情報交換

 

◎マ-ケティング情報企業からの情報

・調査会社からの情報収集

・広告代理店からの情報収集

・シンクタンクからの情報収集

 

◎官庁・学会その他からの情報収集

・政府・行政との情報交換

・産業界の諸団体との情報交換

・ジャ-ナリズムとの情報交換

 

◎自社独自の調査

・国内外の情報調査

・競争他社の情報調査

 これらの情報は、むやみやたら収集をするのではなく、効果的、効率的に行うことが必要でで、体系的に常設ネットワ-クを構築しなければならない。そして、情報というものは、無限に収集できるが、極めて重要なことは、これらを取捨選択して、プライオリティをつけながら、ストリ-づくりをする「マ-ケティング情報」にまとめあげることである。この中で最も大切なことは、「新しい価値」を生み出す情報でなければならず、これが「マ-ケティング」の基本である。

 

(3)企業内部の情報の交換・統合

① 情報の交換・統合

 「マ-ケティング」の重要な役割は、外部から得られた「新しい価値」と、企業内部に潜在している情報や独創的アイデア、商品開発力、取引先の技術や調達力などの情報を交換し、さらに統合しなければならない。特に、店舗における販売情報、お客様情報、お客様の「クレ-ム」は大切な情報であり、「クレ-ム」ついては体系的・組織的に収集しなければならない。

 

② スタッフの活用

 内部情報というのは、担当者ばかりでなく、企業の全部門から収集すべきである。なぜなら、スタッフもわが企業の重要なお客様である。店舗のお客様からの情報は、本質的な情報は得にくいが、スタッフは自分のためであるだけでなく会社のためであるから、積極的な意見を収集できる。

 

(4)生販連合の情報交換

① お客様を隠れみの防止

 生産者と販売者というのは、それぞれの立場を主張しがちであるが、これはまったくお互いの利害を考えていることであり、お客様をまったく無視して、お互いにお客様のためと勝手に思っているだけで、お客様を隠れみのにしているだけにすぎない。

 

② 生販連合の時代

 いまや、生産者と販売者が一体となった「マ-ケティング」を展開しなければならない時代が到来したのである。お客様の情報を生産者と販売者が共通のものとし、それをベースにお客様の「ニ-ズ」や「ウォンツ」を協働のパワ-によって開発していく行動が必要になってきた。

 

③ 単品管理が可能

 「マ-ケティング」の最前線ともいうべき、ストアマ-ケティングが今や「お客様の立場にたつマ-ケティング」の主柱になってきている。つまり、販売者は、POSシステムで、単品管理が可能になった。