インフォメーション

2016-11-27 12:22:00

前回は、「ライフサイクルの局面ごとの戦略発想」の全体と「創業期」の戦略発想を紹介したが、今回は「成長期」について紹介しよう。

 

個性化戦略(5)

 

(2)成長期

 

 創業期を乗り越えて、次の成長期になると、経営者は利益のアップに満足して、この成長期が長く続くことを願うと同時に、2店目の店舗に手掛けようとする場合が多くなってくる。しかし、この時期は、次のような事項を注意深く検討して、実施していくことが大切になってくる。

 

①能率的オペレ-ションの実施

 

オペレ-ションの効率があがればあがるほど、レストランのスタッフは、施設やメニュ-をより快適で、より効率的にしようとする。また経営者もレストランに独自の特徴づけのために、プロジェクト化する必要がある。効率が上昇すると一般的には、コストが低減し収益が上昇する。

 

②メニュ-の改善

 

成長期に入って客数が上昇すると、人気商品とそうでない商品との差が歴然とついてくる。この段階では、不人気なメニュ-をすみやかに中止し、より魅力的と思われるメニュ-を導入していくことが必要になってくる。

 

③価格設定の見直し

 

創業期には、競争他店より低い価格が重要な武器となったが、成長段階においては、それだけでは不十分で、もう1度商品内容と価格を検討し、他店と同じレベルか、あるいは若干高い値づけにして、商品内容や店の雰囲気で勝負していくようにする。

 

④競争店の増加

 

レストランのマ-ケット・シェアが増大してくると、競争店や模倣店の増加があり、特にコンセプトがユニ-クであればあるほど多くなってくる。競争店は自分自身の人気を得ようし、レストランは品質や価格や楽しさを味わってもらうように競争店に対抗していかなければならなくなる。

 

⑤戦略的発想

 

レストランの売上が上昇すると、経営者の権限委譲が始まる。マネジャ-は日常のオペレ-ションに責任をもち、経営者は戦略づくりと、新しい傾向の観察と成長のための創造開発を行う。

 

⑥標準化の重要性

 

経営者が日常の業務から離れていくと、レストランのオペレ-ションを効果的に行うには、標準化が必要になってくる。

 

⑦スタッフ教育の継続

 

レストランが成長し、経営者が教育の継続的な必要性を感じて、特にスタッフの教育と新しいスタッフのための教育をすすめる必要がある。

 

⑧マ-ケティングの選択の増大

 

創業期には、経営者がいろんな人々にマ-ケティングを行ったが、主要なマ-ケットが実際には分かっていなかった場合が多いものである。創業期はいろいろなレストランを観察すればよかったが、いまやレストランは、お客様の年齢別、性別、職業別、民族別の人口統計インフォ-メ-ションの基礎づくりをしなければならなくなっている。いまや、このインフォ-メ-ションは重要な価値とされており、いまや成長期においては、経営者はもっとも成長性の高いマ-ケットをセレクトしなければならない。

 

⑨広告と販売促進

 

成長期には、積極的な広告戦略をとるよりも、むしろ口コミなどで静かにお客様を拡大していく法が良策である。