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2016-11-11 13:17:00

インドネシアでは、低品質ながら安価なインド産の水牛肉が豪州産牛肉と競合している。BMIリサーチ社によれば、豪州産のボックスビーフ価格がキロ当たり4.40ドルに対し、インド産カラビーフ(水牛肉)の輸出価格はわずか3.10ドル。この価格差が、インドネシア市場に注力してきた豪州の牛肉輸出業者を悩ませている。

インドネシアは今年から冷凍の水牛肉カットの輸入を開始した。これは高値(キロ当たり117,000インドネシアルピア=米ドル換算9ドル)にある国内産牛肉価格を引き下げるために政府が下した決断だ。2016年のカラビーフ輸入予定量は8万トンで、2015年に輸入された豪州産牛肉の2倍以上の数量だ。

BMIリサーチの担当者は「インドネシアの牛肉価格は、近年急騰している。国内供給が不十分であるため、政府は輸入レベルで供給量を確保しようとしている。そのため、インドは低価格な牛肉を大量に輸出できるようになった。東南アジアや中東、また中国でも輸入牛肉の需要が拡大しており、そうした国々ではインド産牛肉が安定した需要を生み出している」という。

豪州産の輸出業者が苦戦している背景には、インドネシアの生体牛輸入許可システム変更に加えて、カラビーフがこの市場に足がかりを築いたこともあり、この2カ月間の豪州産牛肉の輸入量はごくわずかな量に留まっている。

カラビーフは、露店でよく売られているバスコボールのようなポピュラーな製品に使用されている。牛肉を直接購入する消費者は、むしろ水牛肉を避けて冷蔵の豪州産牛肉を買うのではないかとの指摘もあり、インドネシア市場におけるインド産水牛の本当の影響が明らかになるのはもう少し先になるだろう。

 

※2016年10月26日 FOODMARKET.com