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2016-07-29 23:29:00

(1)強いお酒はもう古い?
 中国を代表するお酒といえば、「白酒(アルコール度数50度前後の蒸留酒)
」。中国の宴席には欠かせない存在です。しかし、中国の大手新聞社の調査に
よると、80年代生まれの中国人男性のうち白酒を好む割合はわずか2%と、若
年層の白酒離れが深刻化しています。

(2)実は赤ワイン消費量が世界一
 白酒とは対照的に絶好調なのがワイン(赤)。経済成長による生活レベルの
向上と、それに伴う健康志向の高まりにより、アルコール度数が低くて健康
的、かつスタイリッシュなイメージのワインが富裕層を中心に数年前から大人
気。今では庶民でも楽しめる一般的なお酒になりました。現地スーパーに並ぶ
品数の多さからもその人気ぶりが窺えます。ちなみに、赤ワインが人気である
理由のひとつには「赤はおめでたい色だから」という中国ならではのものも。

(3)日本食ブームが追い風に
 一方日本酒はというと、一般的に「日本料理店で飲む高級な酒」もしくは「
贈答品・日本土産」として認識されており、まだまだ馴染みの薄い存在。しか
し、和食のユネスコ無形文化遺産登録などを背景とした世界的な日本食ブーム
のなか、ここ中国においても日本料理店が急増中。中国人が日本酒に触れる機
会は確実に増えてきています。中国で日本酒文化普及に取り組んでいる日本料
理店オーナーに話を聞くと、最近は中国系メディアからの取材が増え、中国人
の日本酒に対する関心の高まりを強く感じているとのこと。実際に中国への日
本酒の輸出量は伸び続けています。

(4)日本酒ブーム到来の予感
 中国人の多くは日本酒に対する知識はまだほとんどなく、日本酒の奥深さに
愉しみを見出すのはこれから。関税率の高さがネックではあるものの、ワイン
と同程度のアルコール度数であることやワインブームを経験したグルメ層の存
在など日本酒を受け入れる土壌はあります。近年の日本食ブーム、訪日ブーム
の流れの延長として日本酒ブームが到来する可能性は高いのではないかと感じ
ています。

                     (北京事務所 中川所長補佐)