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「おもてなし」の第16回として、日本のレストラン業界に「ホスピタリティ」という概念を紹介した、「日本フードサービス協会」の活動の続きと「サービスの経済化」について紹介しよう。
④ コ-ネルフ-ドサ-ビスマネジメントスク-ル
アメリカの大学には、ホテルレストラン大学が数多くありるが、当時日本ではわが国では、立教大学観光学部ぐらいしか存在してなかった。「ジェフ」では、フ-ドサ-ビスに関する大学構想があり、その第一弾として「フードサ-ビスマネジメントスク-ル」を開校した。
第1回は、1980年(昭和55年)8月に立教大学観光研究所とコ-ネル大学ホテル経営学部の主催、ジエフ後援で、その内容は次の通りであった。
1.米国におけるフ-ドサ-ビス産業の動向
2.フ-ドサ-ビス産業の社会的役割
3.ホスピタリティ産業としての位置づけ
4.経営戦略とマ-ケティング戦略
5.マ-ケティング・コミュニケ-ション
6.モチベ-ションとリ-ダ-シップ
7.人材育成
8.日本のフ-ドサ-ビス産業への提言
多くの参加者は、コ-ネル大学の講義に感動したとともに、日本のフードサ-ビス業界の近代化や国際化に目を向けるとともに、「ホスピタリティ」という言葉はアメリカ研修参加者以外には初めてだった人が多かった。
⑤ ジェフ綱領
「ジェフ」は、設立当時から「ジェフの主張」をかかげ、「ジェフの綱領」としていたが、社会的経済的環境の変化によって、改正し現在の「われわれの誓い」としている。ここに「ホスピタリティ」が登場したのは協会設立10周年の翌年1986年(昭和61年)であり、接客サ-ビスに「ホスピタリティ」の重要性が位置づけられた。
われわれの誓い 食とホスピタリティを通し、お客様とともに喜びを分かち合うこと、それがわれわれの原点です。 1 お客様に満足していただけるよう、ホスピタリティの向上に努めます。 2 お客様に安心していただけるよう、安全で健康的な食の提供に努めます。 3 食と農の連携により、潤いのある食生活への貢献と内外に向けた日本の食文化の普及に努めます。 4 地球温暖化の防止など、環境問題への積極的な取り組みに努めます。 5 社会の一員として、雇用の創造と地域社会の発展に努めます。 |
(10)サ-ビスの経済化
かつて、サ-ビスというと、おまけとか割引とかの意味で使われることが多々あったが、現在では、接客サ-ビス、サ-ビスの経済化とかサ-ビス産業とかというときに使われている。サ-ビスの経済化というのは、現代商業・流通辞典によると「経済活動全体に占めるサ-ビス関連業種の割合が高くなっていくことをいう。」としている。
同辞典によると、「本格的なサ-ビス経済化の段階に入ったのは、第二次産業の構成比が止まり、第三次産業の構成比が50%を超えるに至った1975年頃といわれている。」と説明されている。
ちなみに、産業分類は、次のように設定されている。
第一次産業 | 主な土地が中心の産業(自然の恩恵を利用した産業)農林業、漁業、鉱業 |
第二次産業 | 原材料を加工する産業(主に機械が中心の産業)製造業、建築業、鉱業 |
第三次産業 | 形に残らない産業(人が中心の産業)小売、飲食、宿泊、医療・介護 |