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古本屋日誌
今日から四天王寺の古本まつり、早速朝から行ってみた。
参加している古本屋は大阪、京都、神戸、滋賀、奈良、名古屋、岡山、広島となかなか広範囲だな。
大阪の古本市としては最大だろう。
初日は10時ちょうどに開店なので、どこに行くか迷うところだ。
100円均一コーナー、池崎書店、クロックワーク、南部堂、小町書店、シルヴァン書房などこれまでいい本が置いてあった古本屋は多い。
今回の100均コーナーは文庫本も多くていい本があった。これまで行われていたスタンプラリーはなくなり、代わりに、LINEの友だち登録をしたら、100均の本を一冊もらえるシステムに変更されていた。
池崎書店はいつも通りの素晴らしい品揃えで、音楽本もたくさんあった。
クロックワークは滋賀の古本屋で、たくさんのレコードを並べていて壮観。文庫本も150円でいつも通りたくさんある。小町書店はいつも通り1冊300円、5冊800円でさまざまな文庫本、新書、東洋文庫、単行本を販売していて人気だ。シルヴァン書房は京都の古本屋で、店主はお元気そうで何よりだ。去年の下鴨の古本まつりは参加されていなかったが「暑いからな、俺は下鴨と勧業館でも倒れたからな。もう今回も持ってくる良好減らしたんや。とりあえず生きてる感じやな」とのことだ。
それはさておき、今回は外国人がたくさんみえている。大阪万博のバーターなのかもしれないけど、ありがたいことだな。彼らのお目当ては錦絵とか和紙を貼ったうちわ、掛軸、こけしなどの民芸品だ。江戸百景の錦絵は400円くらいで売っている。
天王寺さんは西門の石の鳥居は鎌倉時代のものだし、乳貰いの布袋さんは面白いよね。南部堂は愛知県から参加しているのだが、500円均一で紙もの、興味深い万博関連の班などを並べている。
雨だれが地面に穴を作らないなどの7不思議もあるし、もちろん四天王寺式の伽藍、猫の門、寺宝館、古墳の石棺、亀の池、引導鐘、さらに極楽寺庭園もあって見どころ満載で、外国人に人気があるのは当然だと思う。
佐川恭一は、洛南高校から京大文学部に入って作家になったのだが、学歴をえることに血道をあげている男子校(R高校となっている)の様子や、京大に入って話題が受験のことしかなく、周りとコミュニケーション出来なくなる学生のネタをエッセイや小説で次々発表している。
最近のでは3月号の『小説新潮』に『ある唾液フェチの半生』を掲載しているのだが、R高校時代、受験合宿中、女子が入ったあとの風呂に侵入して、男子の集団が正座をして風呂の湯を飲んだとか、その後は誰もその話題はせずにまた真剣に受験勉強に戻ったとかあって、バカバカしくて素晴らしい。
風呂の湯を飲むとというのは女子の汗などに、えらい価値を置いているからなんだが、その変態ぶりがよいね。
大阪では以前は法事に来たおっさん(坊主のこと)に風呂に入っていただいて、そのお湯をありがたいと飲んでる年寄りもいたようだが、ちょっとそれとも違うね。
全集には書簡も収録されることがある。新潮社の『三島由紀夫全集』なんかがそれだ。
ところがその手紙そのものが欲しいというお客さんもいるようで、今回東京の、月の輪書林という古本屋が出した古書目録を入手したのだが、フルカラーでたくさんの手紙、葉書が掲載してある。
巻頭は、大杉栄が堀紫山やその娘らと写っている写真で50万の値段がついている。
写真は10数人の集合写真なのだが、人物は1人を除いて特定されていて、エピソードとともに解説されている。
俺が思うにはカラーで写真も載っているし、人物も解説されているのだから、資料としてはそれで十分だ、あえて入手してためつすがめつ眺めても得られるものはないのではないか。
しかしそうではないんだよね。大杉栄に愛を感じている人たちは一枚しかない貴重な写真を、愛の証として手元に置きたいのだろう。
来月1日からの岡崎公園、みやこめっせでの古本市の目録を手に入れた。パラパラ見ているが、100万を超えるモノはないようだ。
この古本市には、22の古本屋が参加するのだが、京都以外は奈良と三重の一軒ずつ。
以前は大阪の古本屋もそれなりに参加していたのだが、今年はゼロ。
俺が思うには会場のレンタル料とかの兼ね合いで、参加が難しくなってきているためではなかろうか。
屋内の広い会場で、冷房も完備していて、天候に左右されないのは素晴らしいことだが、やはりかなり高いのではないだろうか。
必然的に出品される本も骨董品的な、それなりに高いものが多くなってきている。
普通の古本なら、日本の古本屋サイトでもAmazonのサイトでも、検索すればどんな本でもたちどころにヒットするわけだから、わざわざ高いお金を払ってるみやこめっせで販売する合理性がない。
やはり一点ものの文学書や刷物、古地図、和本、映画ポスター、生原稿、掛け軸、サイン本といったコンディションが大切なものを並べることになる。
ただ俺は、例えば個人が書いた日記とか、家族の写真アルバム、学校で使っていたノート、学校から配布されたプリントとかも出品してもらいたいと思っている。
大阪で1番の古本屋は天牛書店なのだが、マスコミや新聞社からの取材もあるようだ。
天神橋店に、まだ安藤さんがいた頃の春先、俺が本を見ていたら、ある新聞社の新入社員がやってきて、「この商店街のお店を回って、レポートをしているのですが、少しお話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか❓」と言っている。
「いいですよ」となって
「このところAmazonだとか、ヤフオクとか、古本を売るプラットフォームが多様化していて、そういう通販の売り上げも伸びているようです。お店をやられていて、脅威に感じられることはありませんか?」
「うちはAmazonでの販売もしていますし、日本の古本屋サイトでも販売しています。そのへんのことは十分わかっていますね」
前々から天神橋店の人たちからは「店の売り上げよりもネットでの売り上げの方が多いんだから、そういう時代だよね」という話は聞いていた。
店舗販売VS通販などという図式は成り立たないことくらい分かりそうなものだが、バカは仕方がない。
「最近で1番大変だったことはなんでしょうか❓」
「それはうちの店の通販サイトを立ち上げた時ですね、本当に大変でした」なるほどカード決済などで、気をつかうことが多いんだろう。
俺が最近の天牛書店で、前と違うなあと思うのは線引き本の扱いだ。
前は天神橋店なんかでは、レジのところで盛んに消しゴムを使って鉛筆や赤鉛筆の線引きを消している姿が見られたが、このところはお見受けしたことがない。
線引きのある本はその旨明記して安く売ってるわけで、客の中にははその方がいい人もいるだろう。
つまり古本なんだから、コンディションがよくないのは当たり前、線引きなんか気にならないという人もそれなりにいるのだ。