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古本屋日誌
昨日は甲子園でジャイアンツ戦を見た。タイガースは首位に立っていて、また4連勝中なので、ショップでトラの大きな絵が入ったシャツをこうた。(3300円)
友人に取ってもらったグリーンシートの7段というバックネット裏のいい席で、キャッチャーミットに響く音や、バットの快音も聞こえてくる。
先発の伊原は調子が今ひとつで球数も多くて、いいあたりをされていたが、なんとか5回までは粘って2失点に抑えていた。同点に追いついて、9回裏に向こうのストッパーを打ち砕いて勝ったのには驚いた。
梶原一騎の原作の『巨人の星』には花形モータースの御曹司で、二枚目の満がタイガースに入って活躍していて、訳のわからない特訓を繰り返してジャイアンツに入る星飛雄馬と全然違うカッコよさだ。
『マガジン』に連載中の1970年代初頭のタイガースはよくわからない球団だった。
監督の村山が、江夏に1000個目の三振を王から取らせるために、中1日で先発するのを認めてしまう。
その試合はもちろん江夏は全然ダメで王に打たれてしまうが、それでも村山は交代させず続投させて、あくまで王から三振を取らせようとするのだ。勝敗なんかより、もっと意味のあることがあるという考えなのかね。確かにそれをよしとし、カッコいいやない、とする価値観もあるのだろう。
奈良の進学校、西大和学園の浮世博史がさくら舎から『さらにくつがえされた戦国・安土桃山・江戸時代史』を出した。
浮世は大阪教育大の院を出て、長らく中学受験の浜学園で社会を教えていたが、退職して今は西大和にいる。
これまでも百田尚樹の『日本国史』の問題点を細かく記したた全2巻の通史なんかも出していて、なかなか興味深い人物だ。
われわれが習った歴史の知識は、その後の研究で改められていることもいろいろあって、今回の本でも徳川時代の慶安の御触書が実は発布されていないことなんかが書いてあって驚いた。
それはありがたいことなんだが、浮世の面白いのは、世に通っている通説に異を唱えて、自分なりの解釈を出しているところだろう。
うなぎの捌き方は東京は背開き、大阪は腹開きで、これは関東では武士が多いので腹開きにすると切腹を連想して縁起が悪いからだとものの本にはある。
しかし、浮世が言うには東京でもうなぎ以外の魚は全て腹開きなわけで、うなぎだけが背開きとなっていらわけだから、通説では説明になっていないと言う。
確かにその通りで、彼は東京のうなぎの調理法に絡めて、なかなか説得力のある説明を記している。
長嶋茂雄が先日亡くなり、河出文庫から出ていた『長嶋茂雄語録』やPHP文庫の『長嶋茂雄大事典』なんかが高騰している。
長嶋のバカバカしい言動を面白がるファンもいるし、また河出文庫の『語録』は実質的には彼のプレーの写真集なので、『ナンバー』に掲載してあるようなアグレッシブなプレーを楽しむこともできる。
ただ1963年から73年に及ぶジャイアンツの9連覇なるものは茶番でしかない。
野球という偶然の要素も多く、弱いチームでも拍子で勝つケースもあるスポーツで、同一チームが優勝し続けるなど、興行にそもそもなっていない。
単に戦力を独占していただけの話で、そんな低レベルな試合を延々と見せられるわけだから、たまったものではない。
俺は1973年は小学6年だったが、学校を休み、例の最終戦(10月22日だ)を、甲子園にタイガースの優勝を見に出向いた。
一塁側のボックス席だったと思うのだが、近くには東京から来たとか愛知だとか、北海道からだとか、いろんなところから来ている人がいた。
熱心なタイガースファンなのかなと思ったのだが、そうではない人もたくさんいた。
「とにかく巨人は嫌い」「いつまでも優勝するなど下品」「巨人が勝つ試合など飽き飽きした」「長嶋て調子に乗ってるだけで不愉快」というのだ。
興行で、人気商売なのに、ジャイアンツのみ戦力を独占して勝ち続けるスタイルを下らない、バカげていると思う人がそれなりにいることがよくわかった。
実に健全な感性だ。
もう梅雨明けしたそうで、朝から強烈な日差しが降り注いでいる。
月曜日は、土日に出荷していないし、休日に好きな本をオーダーするお客さんが多いこともあって、毎週こなさなければならない作業がたくさんある。
前日の晩にオーダーのあった本を取り出す作業をするとともに、ゆうメールで送れるものは茶封筒に梱包し、宛名書きまで済ませておく。
プリンターで印刷してもいいのだが、インクが高いのでこのところ手書きにしている。
それもあって、この作業に2時間近くかかっている。
そして月曜は朝食を済ませてから、パソコンを立ち上げて、クリックポストやレターパック、ゆうパックに仕分ける。さらにクリックポストはプリンターで宛名も印刷して貼り付ける。これにやはり2時間近く要している。
本当は誰かに月曜の作業はやってもらったほうがいいのだが、なかなかそういう奇特な方はおられない。
今日は10時から枚方の岡東公園で「ひらかたブックバザール」という一日限りの催しがある。
Xで見てみるとかなりたくさんの個人や出版社などが出店するようだ。ただアップしてある画像を見ると、同人誌の類が多いように見えた。
せっかくだから昼前に行ってみた。
枚方市は40万都市なんだが、駅近辺にほぼ古本屋はない。
TSUTAYAの運営する新刊書店がT-SITEにあるが、全面ガラス張りのビルの壁面に、高く本棚が組んであってそこには洋書の類が並んでいる。
これは売り物ではなく、雰囲気を出すための装飾で、その前時代的なセンスには驚くばかりだ。
本は読むためのもので、飾りにするものではない。そういう下品な書店が駅前に蟠踞する街というのは、俺の記憶でもまあないな。
それはそれとして、梅雨明けだという酷暑、陽の光が容赦なく照りつける中、枚方市駅すぐの公園に行ってみると、30くらいの白いテントやキャンプに使うような三角のそれが並んでいる。
他にも子どもに絵本の読み聞かせをするブース、コーヒー、カレーなどを販売するセクションなども設けてあった。
肝心の並んでいる本だが、やはり同人誌風の個人で出しているマンガやミニ本が多くて、俺には合わなかったな。
なんでも当初は4時まで開催することになっていたが、暑すぎるため2時までに短縮したとのことだ。
同人誌や個人誌、自費出版の本は要するに目立ちたい、自己主張したいというポストモダン下の現代社会に極めて普遍的に存在する現象であり、人口が40万もあれば、それなりの商圏を形成できるのだろう。
出版物の裾野がひろがることであり、喜ばしいと思う。
ただこの手の催しは、コミケ的なイベントとして各地で開催されていて、屋内会場で、規模も巨大だ。お客さんも早くから並んで盛況なわけで、敢えて枚方で小規模な催しを開く意味はよくわからない。