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古本屋日誌
オカルト雑誌『ムー』にいた若杉良作が講談社から『天皇を覚醒させよ』を出した。
皇室に新興宗教にかぶれた女官がいて、天皇を折伏しようとしていたという話だ。
1936年に女官の島津治子は逮捕されるのだが、彼女は心霊団体に入り浸り、不敬といえる思想を持ち行動していた。
供述によれば高松宮が摂政となり、今上(裕仁のこと)は15年後に死ぬというのだから、確かに当時の基準で言えば不敬に当たるだろう。
昭和天皇はかわいそうといえばかわいそうだよね。
2.26では秩父宮を将校たちは担ぎ上げようとしていたし、ノモンハンでは何の相談もなく、陸軍の将兵はソ連との国境を超えて進軍していて統帥権など無視されているわけだから。
それはさておき、興味深いのは昭和46年に宮中から魔女とされて追放された女官の話だ。
戦後、宮中では様々な祭祀を減らしていこうという動きがあったのだが、香淳皇后はそれに反対し、古株の女官と共に、古式に則った儀式を遵守し、その頻度も従来通りにするように要求していたという。彼女ら守旧派が抗争に負けて罷免されることになる。
儀式によっては天皇が2時間も正座しなければならない式次第もある。高齢の爺さんにそれを強いるのはいかにも気の毒に思える。
天皇制は天皇に人権を認めていないし、民主主義と反する身分制度だと俺には思える。
うちのパソコンとプリンターは今年2月にジャパネットたかたで買い替えたものだ。ちょうど設定、下取り付きのキャンペーン期間で14万くらいでこうた。
その前のは10年以上使用していて、パソコンはともかくプリンターに著しい不具合が起こって、スムーズに印刷できるときが少なかった。
問題なのは印刷できたと喜んで、郵便局に持ち込み、バーコードを読み取ってもらおうとしたら、一部が欠けていて読み取れない郵便物がしばしばあることだった。再び家にとってかえして印刷しなければならない。
いざ買い換えるとなって、ジャパネットに注文すると、なぜか急に普通に印刷できるようになり情が移りそうになった。
しかし新しいプリンターもまだ半年も経過していないのにもかかわらず、パソコンを立ち上げて最初の印刷にかなり時間がかかるかかる時がある。2、3分何にも起こらず、しびれをきらして再印字指令を出すと動き出して、同じアドレスが2枚出てくる。
それが、今日は最初の一枚はスムーズに刷れたが、そのあとはうんとも、すんともプリンターは言わずに、エラーコードも出ないで沈黙が続く。
パソコンからプリンターとの接続をチェックしてみると、上手く繋げていないことがわかった。
代わりにスマホから印刷指示を出してみると問題なく刷り上がってくる。
となれば、プリンターとパソコンを繋ぐコードに問題がありそうだ。
ジャパネットのお客さまダイヤルに連絡してみると、092で始まるお客さまサポートに案内されて、状況を話すと「明日午前中にこちらからお電話差し上げます」とのことだった。
接続は線でなくても出来るはずなので、暇な時にやってみようかとも思っている。
中川右介がNHK出版新書で『昭和20年8月15日』を出した。
著名人が敗戦の日、天皇の放送を聞いて抱いた感慨を集めた異色の本だ。
大体が虚脱感を抱き、喜んだりもし、敗戦を受け入れられずに抗ったりという感じだ。
ただ面白かったのは、『仁義なき戦い』の深作欣二だ。
「馬鹿にしやがって、こんなざまでなにが聖戦だよ、英霊だよ、靖国神社だよ。天皇、政治家、軍人、役人、学者、教師たち、今までおまえたちが言ったりしてきたことは、何から何まで嘘っぱちじやねえか」とある。
まあ、その通りだな。天皇に対して至極真っ当な批判をしているのは、当たり前のことなんだが、ちょっと面白かった。
通販サイトでは、コンディションの点でお客さんからお叱りをいただくことがある。
本の良し悪しはある程度個人差があるので、一概にお客さんの言うことがもっともだとは思わない。
しかし店舗なんかとは異なり、手にとって本をしっかりチェックできないわけだから、業者としてはクレームは重く受け止める必要があるだろう。
他によくお客さんから問い合わせが来るのは、ゆうメールで発送している本がまだ届かない、追跡番号を教えてほしいいうものだ。
土日祝日はゆうメールの配達はないし、追跡番号もないから、その旨をご案内して「すいませんがもうしばらくお待ちください」と申し上げることになる。
古本屋によっては全ての本をクリックポストやゆうゆうメルカリ便などの追跡番号を備えた手段で発送するところもあるので、お客さんもその感じでお聞きになるのだろう。
これはコロナ禍以降、通販サイトで本を買う人が増加した影響で、今まで通販で買い物をした経験のない人が、たくさん買い物するようになった影響だと思う。
お金をカードなどで先払いしたのに、手元に本がないという状況に慣れていないわけだ。
古本屋の店主は友人も少なく、趣味もなく、話題にも乏しく、生真面目な感じの人が多いのではないか。
買取でお客さんのところへ行っても、あまり会話が弾むというようなことはなく、ダンボールから本を取り出しては査定に励む沈思黙考の仕事だ。
店売りをしている場合は、お客さんと話をするケースもあるが、この業界は客の方が圧倒的に本の知識を持っているから、教えてもらうことになる。
知りたがりの店主ならいいが、そもそも聞き上手な人は少ないから、イライラしてきてちゃんと聞かない。
買取の依頼が来るが、大半は自分の店向きではない本なので、とにかくうまく断る方に手一杯になってしまうから、客と上手く関係を作ることなど出来はしない。
これまでの古本屋はほとんどが街の古本屋だった。通販なんかはやっていない。
だからその地域のお客さんから買い取った本を、チャチャっと値付けして店に並べてこうてもらう。
今高騰している西村賢太の稀覯本とかでも、相場は知っていても(もちろん知らないこともあるし、そもそも関心がないこともある)300円で買い取って700円で売る。
文庫本ならほとんど70円で買い取って250円、300円で店に出す。だから値付けも楽だし、相場の勉強なんかは必要なかった。商売としてはこれでよかった。
変に勉強して相場の値段をつけて店に出すと、売り上げが落ちるし、店に本を売ってくれるお客さんが「なんや、このところ俺が安う売ってやったのを、えらい高こ売っとるな」と次から売ってくれなくなって、いいことが一つもない。
でもそういう値付けをしていると緊張感が薄れてしまうのも確かなのだ。
また年齢を重ねて、子どもに店を任せることになれば、自分はもうやることも無くなってしまって、虚脱感に苛まれる。