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古本屋日誌

2025-08-17 15:16:00

15日は8時半ごろ起きて、桃と食パン、コーヒーの朝食、注文品を郵便局に持って行ってから、嫁と枚方に行く。

 

 

 

ローンの返済分を銀行の口座に入れないといけないのだが、なんでも偶数月の15日は年金の支給日だそうで、郵便局でも暑い中たくさんATMに並んでいた。面倒なので、ネットから振り込むことにした。

 

 

枚方に着いて、封筒やポリ袋が少なくなってきているので、交野線の踏切近くにあるシモジマに出向いたが、今日までお盆休み。やむなく引き返してT-SITE。

 

3階の蔦屋でちくま文庫から宮本百合子の『伸子』が今月出たことを知って早速買う。(1400円くらい)

 

 

大正時代の末に雑誌『改造』連載された長編小説だが、あの天才作家宮本百合子の私小説の傑作。

 

 

金持ちの娘、伸子が年上の学者に惚れて結婚するのだが、ニューヨークから帰宅して、自分の実家に夫を住まわせて結婚生活を始める。

 

 

ところが古い人間関係のしがらみで、夫と義母の関係がしっこりこず、伸子には次第に夫が優柔不断に見えてしまう。2人はついには離婚してしまうのだ。

 

 

伸子は自分は何にも仕事もしておらず、親がかりなくせに、夫を責める困った女で、夫を親戚付き合いや義母との関係に引き込もうとするわけで、俺は旦那に同情を禁じ得ないね。

 

 

宮本百合子は、数年後日本共産党の委員長、宮本顕治と結婚して、顕治が12年にわたって網走刑務所に収監中も手紙を送り続けていた。

 

 

百合子はどう考えても極めて優秀な、近代日本を代表する作家であるにもかかわらず、正当に評価されていないのは不思議だ。

 

全集が新日本出版社から31巻で出ているが、古本市やブックオフでは220円で売られていたりするから、世間の連中のものを見る目は節穴であり、何にもわかっていないことがよく分かる。

 

 

11時に野村證券。予約してあって、NISAの説明を嫁が聞いていた。担当の方はのむラップという株や債券をミックスしたおまかせ運用を勧めていた。

 

 

わしも心動いたが、買い付け時に手数料が1%余りかかってくるのが少し気になった。

 

 

終わってから再びT-SITEの2階に出向いて、ねこのグッズをたくさん扱っている喫茶店で昼食。

 

 

広い店内に、時分どきなのに、客はわれわれしかおらず、すぐ上の3階にあるスタバはほぼ満杯なのに不思議だ。

 

 

俺は喫茶店はコーヒーの味も大事だとは思うけど、ゆったりしてくつろげることも、極めて大切だと思うので、混んでいるスタバに行きたいとは思わない。


2025-08-15 19:54:00

8月13日の晩、NHKで伊藤清彦の『未来からの遺言』を元にしたドラマが放送された。

 

伊藤の作品は1980年に青木書店から発売されたもので、長崎の被爆者がその体験を捏造していたというものだ。

 

 

この本の中で、伊藤は、被爆者が持ち上げられる世相の中で、被爆者になりすますことで、生きがいを得ている構図があると指摘している。

 

 

またその一方でたとえ8月9日から5年後、10年後であっても長崎市内をおとずれ衝撃を受けて生き方を変えざるを得なかった人は、被爆者なのだという表現もしている。

 

 

伊藤は共産党の支持者で、なりすましていた吉田さんもそうであったし、原水爆禁止を訴えるデモにも参加していたので、彼に特別な親しみを感じていた。

 

 

伊藤の考えでは、アメリカは原爆を長崎に投下することで、赤ん坊から年寄りまで市民全員の殺害を意図したわけであって、被曝しながらも生き残った人間はそれだけでアメリカの目論見を打ち破って戦っているというのだ。

 

 

さらに吉田さんの場合は反戦運動に立ち上がってもいるわけだから、さらに高いレベルでアメリカの犯罪と戦っていることになると書いている。

 

さて今回のドラマだが、伊藤役で、被爆者を訪ね歩いて被曝体験を聞き取るのは本木雅弘、吉田さん役は阿部サダ夫だ。

 

本木は阿部の証言に不審なところがあると気づいて、本人にきつく問いただすシーンがあった。

 

これは元の作品にはまったく無いもので、伊藤としては自分が被爆者にそういうことを面と向かって問いただす資格もないし、相手を傷つけることになりかねないと考えていたからだ。

 

 

また被爆者が生きているだけでアメリカの目論見を打ち破っているんだという話も全然出て来ないし、ドラマは所詮この程度のものとしか言いようがない。

 


2025-08-14 16:43:00

今日は9時くらいまで寝て、ヨーグルトと食パン、コーヒーで朝食をいただきながら、昨日のカープ戦の録画を見た。

 

 

高橋が150キロを超えるストレートにスライダー、カットボールなどを駆使してカープ打線を料理して素晴らしい。タイガースは2安打ながら、カープのエラーに付け込んで2点を先取して、及川、石井で逃げ切り、優勝へひた走っている。

 

 

カープの選手は全員86の背番号をつけて試合前には黙祷も行われた。

 

 俺はアメリカを批判しない鎮魂などあり得ないと思うけどね。まるで自然災害が起こったかのようなお話ばかりで、殺された人は浮かばれはしないね。

 

 

いつも通り郵便局に注文のあった本を持って行って、京阪電車で今日も下鴨に来てみた。

 

さすがに今日は雨は落ちてはこないが、夏空ではなく曇っていて、萱島よりずっと過ごしよい環境だ。

 

 

三密堂書店は定期的に蔵書目録を出していて、下鴨でも貰える。その中に松田元の『祇園祭細見』改訂版も掲載してある。

 

この本は最初1977年に出て長らく品切れだったもので、祇園祭の山鉾を魅力的なイラストと詳細な解説で説明したもので、写真で見るよりわかりやすい。

 

 

去年、その後の変遷や復活した山鉾の説明なども加えて改訂版が出たのだ。

 

 

1977年の本と比べてみるとかなり異同がある。岩戸山の説明では古事記などにある天地開闢神話や天の岩戸の説明が新版ではカットされている。

 

 

また伊弉諾尊が陣羽織姿だったり、天照大神が男姿になっていることに関しての著者のコメント「時代考証などを全く無視した江戸時代の人々のおおらかさ、祭りを文句なしに楽しんでいた雰囲気がそのまま形となって残っているようで、理屈っぽい現代人は少し見習うべきではないかとさえ感じる」が省かれている。

 

2冊を比べて読むとなかなか面白い。

 


2025-08-13 15:30:00

今日は昨日暑い中、重たい本を運んだせいで、肩や腕痛い。日能研関西に勤めていた先輩にこのところずっと手伝ってもらっているので、だいぶマシではあるが、寄る年波には勝てない。

 

8時半ごろ起きて、パンと冷やしてあった桃の朝食、注文のあった本を梱包し郵便局まで持って行ってゆっくりしてから、1時過ぎに下鴨に到着。

 

雨は降ってないが、地面はびしびしょで、のんびり歩いて糺の森に着いた。

 

森の中にはいく筋も川が流れていて、花森書林のマスターの話では、少し前に猛烈な雨に見舞われて、「ひどい目に遭いましたわ」とのことだ。

 

確かに急な雨でブルーシートをかけるのが遅れたのか、文庫本や新書本の置いてある100円均一の平台がぐっしょり濡れて、本もかなりダメージを受けている古本屋もあった。

 

 

糺の森の入り口近く、億ションの南側に数年前に鴨社資料館「秀穂舎」というのが出来た。古い民家風の建築でいかにも古そうに見せる京都の人たちの得意技が存分に発揮された建物だ。

 

ここと糺の森の中に新しく作った神宮寺復興の庭園、さらに下鴨神社の本殿(国宝)と大炊殿(重文)の3箇所に入れて800円という有料参拝券を販売している。

 

しかしこれは下鴨神社の歴史を学べるし、糺の森を散歩して、池亭庭園も見れるし、さらにてくてく歩いて国宝や重要文化財の建築物を目にすることもできるわけだから、値打ちもあるし安い。

 

 

国宝と最近の建築物を抱き合わせにし、新しい方もそれらしく装うことで古風な感じが醸し出されて、実に京都的な金儲けの手法だと感心する。

 

 

 

実はもう少し南側、もともと民家が立っていた、50坪はゆうにある正方形の区画が数年前から更地になっていた。

 

 

今年は、その一角に赤い、神社の神域を示す木の板が張り巡らされて、その奥には木製の小さなお社が建てられていて、参拝できるようにしてある。

 

 

由緒を書いた立札、賽銭箱もあって、それによればこの場所にはもと「天神宮社」というのがあった、この近くには学問所の先生たちがするでいたのだそうだで、令和18年に予定される遷宮の際にこの社も復興されるのだという。

 


2025-08-12 15:18:00

今日からようやく、下鴨の糺の森で大規模な古本市。

 

雨の予報だが、京都古書研究会のXを見ると「お待たせしました、今日は開催します」とある。

 

 

土日祝日は出荷していないので、今日はかなりたくさんの注文品を郵便局まで運び込んで、その足で出町柳に向かい、9時半くらいに到着した。

 

 

まだ少し雨が降っていて、人出はあまり多くない。これまで11日の海の日が初日だったのでたくさんお客さんが来ていたが、今日はお盆とはいえ、平日だし雨降りだから仕方がない。

 

 

南の端にはテント懸けした売店があって、かき氷350円、ジュース150円などとなっている。

 

 

一通り北の端まで開店前に見て回ったが、雨が少し滴り落ちているし、大半の書店は平台などをブルーシートで覆っていて、どんな本があるのかわからない。

 

 

結局、全品300円均一、5冊なら800円というお馴染みの小町書店から始めることにして、講談社学術文庫、ちくま文庫、岩波文庫や保育社のカラーブックなんかにいい本があった。

 

 

しかしこの本屋さんは商売上手いな。

 

 

大体5冊も欲しい本はなかなかないので、ほとんどのお客さんは2、3冊を手にして思案投首。

 

 

2冊なら600円これでもいいのだが、あと3冊こうても800円だから、なんとか3冊選ぼうとするし、3冊の人は900円になってしまうから、当然あと二冊探すから滞在時間がすごく長引く。それで要らん本もこうてしまうわけだよ。

 

 

雨は10時前には上がって曇り空で、時折涼しい風が吹くコンディションで、これなら確かに「納涼古本まつり」の名前に恥じない。御手洗川も例年にない水量で、川幅いっぱいに音を立てて流れている。

 

 

三密堂書店は、いつも通り、珍しい文庫本、新書本、単行本がテント内に並んでいて、素晴らしい。(岩波書店が出した『日葡辞書、索引』が18000円)

 

 

また別にテント懸けして1冊150円、3冊なら400円の恒例のコーナーがあって、岩波文庫の『耳袋』、講談社学術文庫の『今鏡』『続日本紀』などもあった。

 

 

ぼあい書房は山田風太郎の角川文庫が1冊300円でたくさん並んでいた。佐伯俊男のカバーで、保存状態もよく、中には帯がついてる本も見られた。

 

 

赤尾照文堂はいつものように、とてもきれいな岩波文庫、講談社文芸文庫、ちくま文庫などを取り揃えていて、『現代民話考』(全12巻のうち11冊、12巻は欠が30000円)や『森有正エッセー集成、全5巻』なんかが目を引いた。

 

 

京都スターブックスはテント内の一角に珍しい講談社学術文庫を並べていて『徳島の盆踊り』『プリニウス書簡集』(1260円)なんかが目を引いた。

 

竹岡書店はいつも通り、たくさんの単行本を3冊500円で並べていて壮観だ。

 

欧文堂は1冊100円の文庫をたくさん並べていて中には中公文庫の『講和条約』全12巻、文春文庫の『平和の失速』全8巻なんかもあった。

 

 

トキシラズは岩波文庫、新潮文庫、中央公論社が出した日本の名著シリーズなんかがあって、新潮文庫の伊丹十三の『自分たちよ』なんかは珍しい。

 

ここは元々糺の森だったところで、(今も糺の森と言われているが、センターは通路になっていて、森とは言い難い)現在中央部は木が生えておらず、イベントスペースのようになっているが、元はちゃんとした森だった。

 

その後何故か、大型バスの駐車場となったのだが、ある時期から京都の人たちの商売気が発揮されていろいろ復古的な建物が作られるようになった。

 

 

御影通りの南側、下鴨神社への参道の東側には大きな武道場があって、時折古本市にも使っていたが、突然取り壊されて今は億ションとなっている。

 

しかしその過程でマンションと参道の間に小川が作られ、いろんな草花も植えてマンションを隠して、古い感じをうまいこと作り上げた。

 

 

糺の森にも、突然ラグビーの発祥の地だとして、ラグビーボールの像が作られて、さらにスポーツ全般にご利益があるとする神社まで併設された。

 

神域は大きめの玉砂利を敷き詰めてあって、もう苔むしていてあたかも悠久の昔から鎮座されている感が出てきているのはプラン通りなんだろう。

 

 

さらに万葉集の志貴皇子の石走る垂水の上の歌に、何故なのか、ちなんで、大きな岩から水が流れ出る施設が設けられて、これも既に風格が出てきている。

 

さらに明治の廃仏毀釈で取り壊された神宮寺を庭園を設けて一部復興した。

 

 

入園料を取って庭を見せるシステムになっている。神宮寺だから元は堂塔があったと思うのだが、それは復元しないようで、融通無碍なところも、京都らしい。