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古本屋日誌

2019-12-19 14:12:00

「漫画アクション」の監禁嬢は最新号で最終話となった。

謎解きはこの前の回で終わっていて今回は後日談だ。人は無意識のうちにも誰かを傷つけずにはおれないという話であった。

まああれですね、それはそうなんだが主人公が15の中坊で彼女はいるのだが悶々として性欲を持て余しては何人かでつるんで男同士で慰めあっていたというストーリーは面白かった。

作者が言うには「それはあまりにも純粋な発露だった」とのことだが、そんなものかなあ。

さて最終話は例によってオープニングページはあべのハルカスの遠望で、次のページを開くと通天閣を見上げているシーンとなる。まあ舞台としては戎橋の上なのでこういうシーンは特段の意味はなく、作者の遊びであり、読者へのサービスだ。

主人公が大阪教育大学時代に付き合っていた女は急に大学を辞めて実家の「村井古書店」を継いだんだが、主人公に己の暴力性に気づかせるために父親を監禁されるという設定になっている。

その古本屋の外観が示されて中の様子も描いてあるのだが依然としてリアルのどの古本屋なのかはわからない。新世界周辺のどこかのようではある。

それはそうと雑誌「フリースタイル」は最新号でマンガ特集を例によって組んでいて、様々なジャンルの論客が「今年のマンガのベストテン」を論じている。そして2019年のマンガ界の回顧なんだが通常呉智英、いしかわじゅん、中野晴行の3人なんだが、今年は呉智英が「検査入院」のため出席できない、「悪い病気でなければいいんですが」という話になっている。

「週刊ポスト」の隔週の連載もずっと休載となっているし、気がかりなことではある。


2019-12-18 11:04:00

草思社から出たピンカーの「21世紀の啓蒙」なんだが、例によってわれわれは悲観的なムードに支配されているのだが、そんなことはないんだ、21世紀はもっと明るいとこれでもかこれでもかと主張が続く本でした。

われわれが直面している地球温暖化に関しては「このままでは21世紀末には4℃くらい気温が上昇したり、地表の氷が溶けて海に流れ込むために海水面も上がったりという危機的状況に直面している」という。また対策として2050年くらいまでにCO2の排出量を現在の半分にし、世紀末にはゼロに近づけないと危機的状況は避けられないともいう。

ピンカーは「CO2の排出量のピークは過ぎたのではないか」といい、今後劇的にCO2を減らすには原子力発電を大々的に推し進めるべきだという。

まあどうですかね、原発を増やしてCO2対策をしろというのは日本では無理ですな。これだけ頻繁に巨大な地震が起こるようでは大津波の可能性は極めて現実的だし、それどころか原発建屋の直下で地震が起こる可能性すら否定し難い。


2019-12-17 13:53:00

先日のNHKスペシャルでAmazonなどの通販サイトで横行していると言うやらせレビューの特集があった。

何でもネットでやらせを書く人を募集しているとか、中国にはやらせレビューを大量に書き込む業者があって一件40元(600円)で請け負うとか、果てはスマホを大量に並べてプログラムで自動的にレビューを書き込む工場の映像も「極秘映像」と称して流れた。

販売実績を伸ばすために大量の星を⭐️5つのレビューを生産する、購買者はどうしてもそれに惹かれて購入するから少々元手がかかっても売り手としてはペイすると言うことのようだ。

何でもヘルメットのように頭に装着するハイビームライトの製造販売業者が、突然「購入したライトが爆発した」とのクレームを受けて販売停止に追い込まれた。返送されてきた製品をチェックしてみたら未開封だし、爆発した痕跡もない。つまり同業他社からの嫌がらせで、これによって100万円以上の損害を被ったことも報じられていた。

まああれですね、高校で習った自由貿易の話では相対優位にある製品に特化して生産して輸出をすれば買う方も自分も、またそのほかの業者もウィンウィンになれるということでしたけどね。

それにしてもネットで注文を受けて出荷して生計を立てるなどというスタイルはちょっと前まではありえなかったわけで、それが今や商売の主流になっているわけですから、確かにわれわれの住むこの現代社会は便利に、快適になってきている気はするよなあ。

 


2019-12-16 11:36:00

アメリカの社会学者スティーブンピンカーの新刊「21世紀の啓蒙」が草思社から出たようだ。

まだ入手できてないのだが、以前「暴力の人類史」を読んでこれまで第二次大戦が大量の戦死者を生み出した人類史上最悪の戦争と思っていたのに、その蒙を破られてびっくりした。

ピンカーは資料を博捜して当時の人口を推定して各時代の戦乱によって何割くらいの人が影響を受けたかを割り出していた。それによれば唐末の安史の乱による戦死者数は3600万人でそれを20世紀半ばの人口に換算したら4億2900万人死んだことになるという。この数字は第二次大戦の戦死者5500万人をはるかに上回っている。

ほかにもモンゴルの征服では換算して2億7800万人、中東の奴隷貿易では1億3200万人死んだことになっていて、確かにこれを読むと人類は戦乱を忌避して進歩してきているようにも感じるよなあ。

今度の新著でどんな話が聞けるのか楽しみではある。


2019-12-15 12:02:00

漫画雑誌「アクション」に連載中の河野那歩也の「監禁嬢」にはミナミの戎橋や道頓堀橋周辺の風景が見開きでたくさん出てくる。作品の舞台が当面大阪で、主人公たちがひとときデートを楽しんでいるというだけのものなんだが、初めが御堂筋が道頓堀川と交差する道頓堀橋上空からの大開の俯瞰、ついで戎橋上空からの俯瞰、例のグリコの大看板、道頓堀川から見たかに道楽、ドンキホーテの観覧車と続く。

おそらく精密な写真を元に描き起こしたものだろうが、見ていて楽しい。主人公の元高校教師は教え子と一緒に出身校の大阪教育大学の学寮に向かうのだが、ここの描写もリアルで駅からかなりの距離がある山の頂上にキャンパスはあって、登り口に到着するとそこからエスカレーターを三基乗り継いでようやく到着するあたりも忠実に描写してある。校舎、図書館、学寮の描写も極めて忠実だ。

夏になるとこの山間にはびっくりするくらいの蛍の乱舞が見られてというあたりもリアルなんだが、ここで主人公が学生時代に図書館で知り合い、付き合っていた女の話が出てくる。女は突然大学を辞めて父親が経営していた古本屋を継いだという話になっていて、主人公は数年ぶりにその古本屋を訪ねるのだ。

間口が2間くらいはあって、うなぎの寝床風に奥行きがあり三列に本棚が置いてあって、ただ地べたに本は積み上げていない清潔感のある古本屋なんだが、これが思い当たるふしがない。

ここまであくまでもリアルで、現実をなぞっていたのに古本屋だけ、少なくとも私の記憶にはない店が描いてあって悔しい。