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古本屋日誌
今月の16日と19日、いずれも朝息苦しくて目が覚めて、動悸もおさまらないので、布団を出て2階から下に降りたのだが、息苦しさはおさまらない。
少しの間ではあるものの、呼吸ができない感じになり立っていられなくなった。四つん這いになっているとすぐ楽になったが、1年前にもあった息苦しさがひどくなった感じだ。
その時は萱島駅前の和田内科を受診してレントゲン、血液検査などを受けたが「睡眠時無呼吸症候群ではないかな、検査キットを渡すから今日から寝るときに装着して調べましょう」ということになって、3日間調べてデータを取って封筒に入れて調査機関に送り返した。(その結果は和田内科にしばらくして伝えられるのだ)
その後息苦しさはなくなったので、継続して受診することはしなかったのだ。
今回それがぶり返した感じで、早速ネットであれこれ調べてみたら気管支喘息の症状によく似ている。
晩や早朝息苦しくなり、寝ている姿勢から上半身を起こすと楽になることがある。また発作が起こると、急に息ができない感じになるが、しばらくすると治るというあたりがそっくりだ。
今日10時前に、今度は萱島駅近くの内田内科を受診してみた。ホームページを見ると気管支喘息の治療の話が詳しく書いてあったからなのだ。
1時間くらい待って(寒い時期でもあり、患者が多かった)レントゲン、問診、血圧、酸素濃度などを受け「結核の跡が右肺にあるね、また胸水が両肺に溜まっていた痕跡もある。血圧が150とちょっと高めやね。それで気管支を広げる薬を1か月分出しとくわ、痰が取れたら持ってきてくれ」とのことだったな。
今日から谷町の古書会館で古本市。
朝は冷え込んでいたが、前日は出荷以外何の仕事もせずに家でくつろいで、早寝したので、問題なく朝から行ってみた。
今回は、文学書専門の矢野書房や洋書を揃える寸心堂が参加していなかった。
真木書店はちくま学芸文庫の『ニーチェ全集』をたくさん売っているほか、集英社文庫の森瑤子の本をたくさん並べていた。
古書ディックはきれいな新書、文庫本。ここの本はいつもとりわけ状態がいい。
アジア号は一枚刷りのほかに『南方熊楠全集』が目を引いた。
12月は正月休みを控えて、大掃除に精を出す人もかなりいるようで、初旬までは古本屋に引き取りを頼んでくるお客さんが多い。
だからたくさんいい本が集まっていて、今月はこれからも京都、大阪で古本市がある。
『本の雑誌』1月号、ライターの岡崎武志の連載で、古本業界は供給過剰なので、買取価格も伸び悩んでいる旨の話が書いてある。
東京の古本屋で岡崎が見聞きした話として、『接木の台』で有名な和田芳恵の全集を100円均一でこうたとある。
店舗を構えて古本を売るのは、東京ではなかなか難しい。(大阪、京都も同様だな)何せ土地が高すぎる。
何代か続いてビルを構えているのならまだしも、高い家賃に人件費まで支払ってペイするのは困難だろう。
でも通販での売り上げは店舗のそれを遥かに上回っているのは間違いないわけで(だから店を続けられるのだ)、岡崎の話は一面的すぎる。
店舗であれ、通販であれ、売れたらいいわけだからトータル的には本は昔と変わらず売れ続けている。
原書房からバイセルの『ブックセラーズダイアリー 2』が出た。
2021年に出た本の続編で2015年1年のスコットランドの古本屋の日記だ。
正編が愉快な作品だったので、続けて出版して欲しかったから、ようやく手にすることができて嬉しい。(なんでも3までイギリスでは出ているそうだ)
客とのやりとりのほか、通販での注文数とその出荷数(本が見つからなくて出荷できてないことがしばしばある)に加えて店での1日の来客数、売上高も記してある。
通販はAmazonがほとんどのようだが、注文通り出荷できている日の方が少ないくらいで、これが許されるのが不思議だ。
この本で2月のデータを調べてみると通販の注文冊数は67なんだが、見つかったのは57冊にすぎず、品切れ率は15%近い。
日本のAmazonは7日間の品切れは、2.5%以内と定めていて、これを超えるとペナルティがあるようだ。
フランスの話だが、電気屋に冷蔵庫の修理を電話で依頼して曜日と時間を決めたにもかかわらず、大幅に遅れてやってくることは常態だと聞いたな。そういうフランス時間みたいなものはヨーロッパ各地で普通なのかもしれない。
客の話では、電話での注文で「これこれの本が欲しいんだが、おたくは送料が2.8ポンドになってるけど、ほんまにそんなにかかるのか。俺は実際にかかる分しか払いたくない」というのが面白かった。
こういう客は我が国にもいる。
なんでもイギリスのAmazonは2015年当時は送料は一律2.8ポンド、すなわち470円くらいだったという。実際はそこまでかからんやろという話だ。
でも梱包資材の金が必要だし、わざわざ郵便局や宅配業者のところまで持って行く仕事があるのだから、多めにもらうのは当たり前だ。
そもそもAmazonの規定にも送料には実際の送料のほかにさまざまな手間の代金が含まれることは明記してある。
ノベルの情報誌『ダヴィンチ』が恒例のBook of THE YEARを特集している。ノンフィクションもおまけで付いていて、なんでも星野源の本がいいそうだ。『ダヴィンチ』らしいよね。
『本の雑誌』も同様の特集を組んでいて、ノンフィクションでは『力道山未亡人』がトップにあがっている。
いまさら力道山と言われても、プロレスなんか俺は関心ないし、今年は不作だったのかもしれない。
『桐島聡 逃げる』は感心した作品なんだが、誰も取り上げていないのは不思議だ。
1971年の渋谷暴動で機動隊員をあやめたとされて、半世紀近く指名手配をされていた人物で、いまさらどうでもいいようなもんだが、それでも東京近辺にずっと居住して、整形もせず、仕事を続けていたのだから俺は興味深いと思っている。
この作品を元に映画が同時進行で2作制作されていて、まもなく公開となる。
2022年の年末に印刷も終わり仕上がっているにもかかわらず、内容に問題があるとして出版元のイーストプレスが回収してしまった『中野正彦の昭和九十二年」という小説がある。
刷り上がっているのに、回収するとはよほどややこしい内容なのか、ぜひ読んでみたいところだ。
ネットで探すとAmazonやメルカリで何点か出品されているが、値段が6000円を越えている。定価は2200円のようだし、ちょっとそれでは手を出せない。
お客さんに持っていないか尋ねたり、古本まつりで気をつけたりして、ようやく手に入れて一読。
主人公中野正彦はピザ屋のバイトで貧乏な生活を送りながらも、「会長」を頂点とする秘密結社に所属して、反日と目された人物へのテロを計画し、実行している。
面白いのはほとんど実在の人物名が使われていることで、彼らが「お父さま」と呼んで尊敬やむあたわざる人物は、ちゃんと安倍晋三となっている。
中野は彼が反日的と判断した人たちをあれこれ理屈をつけて罵るのだが、確かにそういう人たちはいるわけで、その言動をリアルに描いてあると感じたな。
ストーリーは急転直下、今まで「お父さま」と仰いできた安倍晋三に加えてトランプ大統領も暗殺せよとの司令が会長からもたらされる。加藤はそのテロ計画に参加するのだが、実行当日東京は直下型の大地震に見舞われて大混乱に陥るのだ。