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古本屋日誌
今日は枚方の野村證券に出向いてインデックスファンドの話を聞いた。
新NISAで5年で1800万円まで非課税になるから、その仕組みを聞いてみたかった。
でも、考えてみたら、株式取引にせよ、ファンドのことにせよネットで十分情報は得られるし、口座開設もすぐできる上に、ネット取引の方が手数料も格段に安い。
それにもかかわらず、敢えて店頭まで出向き、野村證券のアドバイザーの手を煩わすというのは一種の老害みたいなものだよね。
しかしこの高齢化社会では、痴呆になってしまっている老人はたくさんいるし、簡単なスマホの手続きも自分ではできなくて、金を払って窓口でやってもらう人も後をたたない。
それどころか松屋とか、やよい軒といったファストフード店の自動販売機が扱えず、立ち往生するのみならず、大声で店員を呼びつけて文句をいうバカもたくさんいる。
だからもはやどんな産業であれ、そういう厄介な老人を視野に入れていかざるを得ないと思うのだ。
生協なんかがやっている宅配のお弁当屋さんなんか、呼びかけても返事がないとか、なんか違和感があるとかで家の中に入ってみたら、住人が倒れていて救急車を手配したとかいうのはよく聞く話だ。
つまり宅配業者は老人の命綱みたいな仕事になってしまっている。
証券屋さんなんかは、話しを聞かない人や簡単な操作もおぼつかない連中を相手にする羽目になって、要らぬ人件費を強制されているところはあるだろう。
でもアドバイザーの話し方次第で、買わせたい株とかファンドを容易に宣伝できて、収益を上げられる可能性もあるのではないのかな。
今日は珍しく寒い日で、気温が低いのみならず、北西の風が強くて、セーターを2枚重ね着した上からカーディガンを羽織ってもまだまだだ。
仕事で神戸に出向いて、ブックオフセンター街店にも寄ってみた。ここはフラワーロードから西に入って数分のジュンク堂のすぐ近くにある雑居ビルの5階。他にサイゼリアやニトリがある。
この店は神戸のブックオフの旗艦店だと思う。京都なら三条駅ビル店、大阪なら心斎橋店にあたるもので、ワンフロアーにあらゆるジャンルの本が集めてある。(古文書や古い文学書、一枚刷り、地図、和本、戦前の黒っぽい本なんかは無いが、それらを扱う店は古本屋というよりは骨董品屋だと俺は思う)
品揃えは心斎橋や三条よりもレベルが高く、いい本を持っていると思う。
その分だけ店員さんもプロ意識が高くなるのだろうと思う。その証拠にセンター街店は本の分類が細かい上に正確だ。
文庫でいえば、内外の文豪の作品が一カ所に集められているが、例えば大江健三郎だと新潮文庫の作品、講談社文庫のもの、岩波文庫のやつなどそれぞれの文庫ごとにまとめて並べてある。普通は大江健三郎だよ、あとはお好きに見てよ、と並べるだけなんだけどね。
客にとってそこまで細かくしてもらわなくても、俺はいいんだけどね。でも仕事でやってるとだんだん細かく分類したくなるものなのだ。
日本マクドナルド社の創業者、藤田田はワニブックスからあれこれ経営の指南書を出している。
『ユダヤの商法』はとくに有名で、先年復刻されるまで高値で取引されていた。
また『ユダヤ流金持ちラッパの吹き方』もその序文に、自分の商売のノウハウをこの本で公開した、本当はこんな安い値段の本ではいけないのだが、慈善事業と思ってやっているということを記していて面白い。
藤田は常々、時は金なりなんかでは無い、時間は金では買えやしないだろうという。
確かに金なら失敗してもまた仕事をするなりして増やすことはできるが、失われた時間は2度と戻ってこないわけだ。
それで彼は今後の商売は店舗を構えて客を待つ伝統的な方式ではなく、頭の中であれこれ工夫してやっていく知識産業や時間を節約できるシステムが求められるだろうというのだが、確かに現在の通販産業の隆盛を見ると確かな眼力を備えていたといえるな。
古本業界でも、店舗に出向いて欲しい本を探しても時間の無駄でしか無いことがしばしばある(ただ、なんとなく面白い本に出逢いたいという欲求を満たすには、お店は素晴らしいけど)。
通販ならたちどころに欲しい本を見つけられるから、大幅に時間を節約できる。
今日で阪神百貨店の古本市は終了。
せっかくなので昼過ぎに行ってみた。
最終日ながら、本は補充してあって、金沢のオヨヨ書林にはちくま文庫の『昭和史探索』『失われた時を求めて』そして『現代民話考』のセットが並んでいる。
やはりなんといっても、松谷みよ子が編纂した全12巻の『現代民話考」は欲しいところだが、全巻きれいな帯が付いていて38500円。
これは古書価としては安い方だと思う。
ただ日本な古本屋サイトやメルカリ、ヤフオクにはかなり出品されていて、珍しい本とはいえない。
他には、三重県のぽらんという古本屋は、少し前に河出書房が出した『スピン』という文芸雑誌の創刊号を出していて3500円となっている。『スピン』は今も定期的に刊行が続いているのだが、創刊号はこれくらいする。
また大阪の古書ゆうらくはだいぶ前にプレイガイドジャーナルが出した『大阪青春街図』の1番初めの版を3000円で出していた。少し傷みがある本だが、これくらいはすると思う。
ナンシー関の『信仰の現場』は彼女の唯一のルポだ。
自ら信者が集まる場に出向いて、インタビューしたり、取材したりしてその実像を描こうとした意欲作だ。
その第一回は矢沢永吉のコンサート(平成3年)で、ナンシーは取材許可を取ってから出向いている。
ところが、「後でチェックの嵐に会い、ひどい目を見た」からそれから後は事前に取材許可などは取らず、ゲリラ的に現場に出向いたとある。
そうなのか、矢沢永吉は取材にはチェックを入れたこともあるのか、とちょっと意外だったな。
確かにナンシーは遠慮会釈なくなんでも書いてしまうところがあって、それが魅力でもあった。
この本でもNHKの渋谷にある見学コースに出向くのだが「私は、NHKから学ぶものなどひとつも無いと思っている」と書くのだ。
彼女とっては、こんな無意味なNHKをありがたがる連中とは一体どんなアレなのか、見てやろうという姿勢だ。
結局、見学はタダなので、ささやかな家庭サービスを求める家族連れがたくさん訪れていると結論づけるのだが、彼女自身は「やっぱり見て学ぶものなどなかった」と書いている。
ただ俺はナンシーがNHKに出演して、例の消しゴム版画のコツを伝授している番組を見たことがある。
彼女は仕事の一環との捉え方なんだろうけど、NHKはけっこう懐が深いよね。