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古本屋日誌
今日から来月から7日まで、阪神百貨店8階で古本市。
さっそく朝から行ってみた。
この百貨店では夏と冬、年に2回古本市を開催しているが、今回は規模が小さく、参加店も少ない。大阪、京都、神戸、三重、石川、富山の古本屋だ。
いつもは8階の展示スペースの半分くらいは使って本を並べているのだが、今回は小さく区切った2箇所での開催で、係員が配置されていて「混雑緩和のために入口と出口を別々にしております」とアナウンスしている。
そして、展示スペースには銀色の支柱を立てて、規制線張り巡らしてある。
そのため2列になって本を見るのが面倒だし、入り口は空いているのに、出口の方へ向かう人がたくさんいて滞留したりしていた。
大阪の古書ゆうらくは「怪奇小説傑作集』(創元推理文庫、1冊200円)ちくま文庫の『太宰治全集』(1冊300円)など格安の文庫本がたくさんあった。
寸心堂は洋書の文学書がたくさん並んでいるのはいつも通りで、他にも岩波文庫の『金枝篇』や『ドンキホーテ』の箱入りセットが見られた。
神戸のワールドエンズガーデンには山松ゆうきちや辰巳ヨシヒロ漫画が目についた。
その他の古本屋でも、諸星大二郎の『孔子暗黒伝』(JUMPコミックス)や『アダムの肋骨』『コンプレックスシティ』、大江健三郎の『個人的な体験』(新潮文庫の初版、帯)『洪水はわが魂に及び』(新潮文庫、初版 帯)なんかが廉価で販売されていた。
昨日から来月の13日まで、一乗寺にある恵文社という本屋で、小規模な古本市が開催されている。
さっそく初日の朝から行ってみた。
京阪の終点、出町柳駅から叡山電車で三つ目が一乗寺で、ラーメン街道の最寄りであり、京大の学生や教員がたくさん住んでいる地域だ。
そのため新刊書店の恵文社も美術書や文学書中心の品揃えで、一般書店が必ず置いている実用書やハウツー本、自己啓発本の類はない。
11時のオープンに合わせて行ったのだが、たくさんの『あまカラ』『甘辛春秋』(『銀座百点』の元になった雑誌だ)山田稔の小説、川崎彰彦の小説、詩集(『わが風土抄』を初めて見た、3000円だった)天野忠のいろいろな詩集、小島信夫の様々な著作、坪内祐三の『東京』などの本、古い旺文社文庫、講談社文庫の後藤明生の著作、『芸術新潮』のたくさんのバックナンバー、洲之内徹の新潮文庫、神戸の『VIKING』、雑誌『SUMUS』(中には洲之内徹の特集号も1000円で出ていた)、沖縄関係の様々な本、昭和30年代の探偵小説、根本敬や大友克洋、近藤よう子、齋藤なずなの漫画、松岡正剛の『生と死の境界線』、タルモンの『フランス革命と左翼全体主義の源流』(これは珍しい本、15000円になっていた)角川選書の『表現の自由を脅すもの』などなど、ほかの古本市ではあんまり見かけない本が並んでいて驚いた。
月刊『HANADA』の2月号に西村賢太の愛人が独占手記の第二弾、12ページを書いている。
西村は、しばらくの間、月の半分は愛人の住まう岡山で生活していて、そこで原稿用紙に執筆したり(彼は全て手書きだった)、出版社に連絡のファックスを送ったりしていた。
今回の手記では、岡山の愛人宅に、何者かが侵入して不審なモノを残していったり(音叉だというのだが)、西村が東京から送ってきた段ボールを開封して、再びテープで密封した痕跡があるのだという。
また西村は、手元に携帯電話と預金通帳を置いていたが、それを彼女はこっそり覗き見しようとした。
携帯はパスワードがわからず、開かなかったが、通帳の方はしっかり残高を見たという。
その残高をはっきり書いてほしいが「そんなものか」程度でしかなかったとある。
これが残念だよな。とにかく、1億とか10億とかそういう金の高ではなかったということだろう。
その当時西村は、大して仕事の依頼もない時期で、月に短編小説を1つ書く程度だったのだが、その収入は「わたしがOLしていた頃のと大して変わらない額」でしかないと書いている。
というわけで、今回の手記は取り立てていうほどのものではなかったなあ。
それにしても西村賢太の本では、青い箱に入った『羅針盤は壊れても』が高騰している。
ヤフオクでは10万を越える金額で落札されていて、びっくりした。亡くなった頃はせいぜい5.6千円だったのに。
ブックオフは日本最高の古本屋であることは間違いない。
都心部に巨大な店舗を構えて交通至便、店舗は広く、明るく、清潔で、整理整頓されていて本が探しやすい。
幅広いジャンルの雑誌、文庫本、文学書、ノンフィクション、図録、美術書、人文系、実用書、レコード、CD、DVDなど、どの古本屋をも凌駕する品揃えで、普通の古本屋に飽き足りないお客さんを惹きつけている。
それなのに京都の三条駅ビル店や大阪の心斎橋店の現状は不思議だ。
三条の店で驚いたのは、同じ本がずらりと並んでいることで、講談社学術文庫の『日本書紀』(上、下全2巻)なんか17冊もずらりと並んでいる。
『続日本紀』(上、中、下)は8冊あるし、岩波文庫の『ブッダのことば』は7冊並んでいる。
また中公文庫の『フロイス日本史』が700円くらいの値段で7.8冊、数年前からずっと動かない。ちくま文庫の『大菩薩峠』も岩波文庫の『南総里見八犬伝』もずらりと並んだまま。
『日本書紀』や『続日本紀』は大学の教材になっていて、単位を取得したらもう不要だから、一斉にブックオフに売ったんだろう。
店側がいずれ売れると判断して買い取るのは、問題無いのだが、古本屋としてそれをずらりと棚に並べるのは理解できない。
また売れない本をいつまでも置いておくのも、場所代がかかっているわけで不思議な現象だと思う。
現状の三条駅ビル店は「いい本を買い取ることが出来なくて、何もならべる本がないので、とりあえず場ふさぎに並べておくかな」ということなんだろうか。
年末は古本屋の繁忙期であり、大掃除などで邪魔になった本の引き取りを希望されるお客さんは数多い。それにもかかわらず本を集められないというのが不思議なのだ。
新潮新書から奥窪優木の『転売ヤー闇の経済学』が出た。丹念な取材が行われていて、初めて知ることが多かった。
ディズニーランドやシーで新しく発売されたグッズの買い占めの話では、入場者1人あたり何個までと買える品数が決まっているのだが、バイヤーは入場ゲートで一度に4回入場券を示して、4人分の購入権利を獲得していた。(現在はできないようだが)
俺はディズニーにもUSJにも何の関心もないから、どうでもいい話だったが、驚いたのは自治体が発行している、二割引であれこれ買える商品券のネタだ。
去年は大阪市発行のやつがあって、本屋でも使えるし、魅力的なんだが、大阪市民限定で、門真市民の俺は手に入れられなかった。
ところがこの本によれば、適当な住所、偽名で登録しても、はねられることはなく簡単に商品券を手に入れられたというのだ。
確かに住民票と照らし合わせれば、記入された住所や氏名がデタラメだとすぐ判明するだろうが、人件費などの手間を考えると自治体側はやらなかったのだろう。
ほかにも1人1回しか申し込めない限定品でも、アドレスチェックが行われているのに、1人で何人分もの購入権を手に入れているのだ。
何でも同じアドレスだが、ドットを入れる位置を変えれば、問題なく申し込める上に、購入権獲得のメールは1つのアドレス宛に全部送られてくる、というのだから驚くほかはない。