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古本屋日誌

2025-01-18 16:15:00

昨日から谷町四丁目の古書会館で月例の古本市、早速朝から行ってみた。

 

文学書を扱う、人気の矢野書房は以前は毎回参加していたが、少し前から隔月となり、今月は出店していた。

 

またSFを得意にしているディックは毎回きれいな文庫本や新書本もたくさん出している。山口昌男の岩波現代文庫『敗者の精神史』上、下もあった。

 

 

真木書店も毎回たくさんのサイン本を出品していて、今回はそれ以外に、森瑤子のたくさんの赤い角川文庫、ちくま学芸文庫の『ニーチェ全集』なんかもあった。

 

欧米文学を専門にする寸心堂はいつもおしゃれな展示をしている。ワゴンにはたくさんの文庫本を詰めているが、その上には小型の本棚を二段に重ねて、単行本、文学全集の端本をきれいに並べている。

 

 

今回は河出文庫の『フィネガンズ ウェイク』全3巻がとりわけ目を引いた。

 

 

古本横丁は300円均一でいろんな本を並べていて、線引きがあってコンディションは悪いが、筑摩叢書の『ツタンカーメン発掘記』も並んでいた。

 

汎書店はワゴンいっぱいのブルーバックスを出品していた。

 

厚生書店は今回もワゴンにたくさんの文庫本を出品していて、素晴らしく、中には講談社文庫の『パンとペン』も見られた。

 

今月末に古本組合から『大阪古書組合百年史』が8000円で刊行されるとのことで、事前予約を勧めるチラシが配られていた。

 


2025-01-17 09:17:00

昨日からさんちかホールで恒例の古本市。早速朝から行ってみた。

 

さんちかは改装工事が進んで、ホールのある3番街の前、阪神電車よりの、以前はヴィッセル神戸の巨大なペイントを描いた仮囲いのスペースだったところには上島珈琲店が出来ている。

 

10時にオープンして、階段を降りてホールに行くと、震災30年ということで、特設コーナーが設けてあって、あの地震を扱ったいろんな本が並んでいる。

 

中でも目を引いたのは1月17日から数ヶ月におよぶ朝日新聞などの束で、黄ばんではいるものの、しっかりしていて、よく保存していた人がいたものだと驚いた。(値段は3万)

 

もちろん17日の朝刊一面は、地震とは関係ない貿易摩擦の話で、そういう日常が粉々になってしまったわけだ。

 

 

また神戸の古い写真もたくさんあって、中には手彩色された美しいものもあり、俺は興味はないけれど、研究者やコレクターには垂涎ものなんだろう。

 

 

小野十三郎の詩集やエッセイもたくさん並んでいて珍しかったが、新書の『大阪』はなかった。

 

だいぶ前に出た本だが『廣重名所江戸百景、新印刷による』が外箱に傷みがあるものの5千円で売っていたのは安いと思ったな。

 

「サンコウ書店」のブースでは1948年に出た『復興 大阪』(毎日新聞)という敗戦後間もなく出た大阪ガイドブックが3000円で出ていて、こんな本があるのかと驚いた。

 

パラパラ見るとホステスが横について接客するスタイルの喫茶店が簇出、復活したダンスホールの脅威となっているとある。

 

そりゃそうだろう、下手くそなダンスなんか踊りたくないからな。

 

いしいひさいちの『バイトくん』1から3(プレイガイドジャーナル)が4000円で売っていた。この本の前にでた『バイトくん』はヤフオクでえらい高値で取引されていたが、「いしい商店」という彼のサイトで電子で復刻されている。読むだけならそれで充分楽しめる。

 

この古本市では古書目録も発行されていて、その中には毎日新聞社が、だいぶ前に出した『川瀬巴水木版画集』(二重箱付)が10万で載っている。

 

さんちかは30分くらいで切り上げてブックオフセンター街店に行ってみた。

 

ここはセンター街に面していてニトリやサイゼリアが入っているビルの5階ワンフロアーを占めていて、実に広いし、本は整理整頓されているし、通路も幅がとってあってお手洗いまで完備されていて素晴らしい。

 

日本一の古本屋の名に恥じない店だと思う。

 

唯一問題なのは、本のチェックが甘いことで、線引きがある本に気づかず高い値段で売っているケースがしばしばあることだ。

 

 

物凄い量の本が入ってくるので、限られた人数ではチェックしきれないということだろうが、いうまでもなく古本屋としては恥ずかしいことだ。

 


2025-01-15 13:34:00

先日NHKでドキュメント20min『ふたりの、終われない夜』の放送があった。

 

 

ロックバンドの伊藤雄和が師匠と仰いでいた西村賢太の思い出をかたる番組だ。

 

俺は音楽にはほぼ何の関心もないので、伊藤なんたらがどういう人なのか全く知らない。

 

ただ番組の中で彼のライブの模様が映っていたのだが、かなり小さい箱でやっているように見えたし、命綱をつけてビルの外壁の清掃作業をしているシーンも挟み込まれていたから、ひょっとしたらマイナーなアーティストなのかもしれない。

 

 

西村とはライブの推薦文を依頼したところから付き合いが始まり、互いに「ちゃん付」で呼び合う仲になったが、ある時仲違いをして、以後関係修復には至らなかったという。

 

ケンカの理由は、俺には理解できないようなもので、ある時伊藤の携帯に非通知の着信があって、出たら「大声で喚いてる人がいた、それが西村さんだったようだ」という。

 

「なんで俺だとわかんねえ‼️」「そんなもの、非通知でわかるわけないです」というわけだ。

 

才能のある人はえてして、周りにいる人を振り回して迷惑をかけることが多いよね。

 

また番組には西村がそこから『藤澤清造全集』を刊行すると内容見本まで作成していた古本屋、朝日書林の荒川義雄も出演して、西村が30歳くらい、まだ芥川賞を取るだいぶ前の電話の録音を流してくれた。まだ何者にもなれず、鬱屈していたであろう西村はあれこれ本音のようなことを話していた。

 

それは、自分は太宰治の気持ちがわかるという話なのだ。

 

彼は幼い頃神童といわれて、みんなからちやほやされたが、長じてからは芽が出ない日々の中みんなを見返してやろうと思っていたはずだ。

 

 

俺も(西村賢太自身のことだ)神童と呼ばれていたのに、いまだにうまくいかない、だから同じように見返してやろうと思っているんだ、という話がえんえん録音されている。

 

なるほど西村はずっと藤澤清造の没後弟子であり、その祖述者でありたいと語っていたが、それは自分を売り込む戦略みたいなもので、本心は作家として有名になりたいというものだったわけだ。

 

 

これはクリエーターとして当然のことで、有名になったら藤澤清造全集にこだわる理由も無くなったと考えられるよね。

 

 

それにしても西村が「神童」と呼ばれていたとは初耳だな。本当なんだろうか❓小説を読む限りはパッとしない、どこにでもいそうな子どもという感じなんだけどね。


2025-01-13 19:41:00

今日は一乗寺の恵文社の古本市の最終日なので行ってみた。

 

行きしな、三条で降りて、ブックオフ三条駅ビル店を覗いたが、例によって魅力的な本がない。このところずっとこの調子で不思議。

 

中公文庫の『フロイス日本史』シリーズ、ちくま文庫の『大菩薩峠』シリーズ、岩波文庫の『南総里見八犬伝』シリーズなんかは長いこと売れないまま棚に並んでいる。

 

また岩波文庫の『ブッダのことば』、講談社学術文庫の『現代語訳 日本書紀』『続日本紀』なんかは同じ本がズラリと相変わらず並んでいて壮観だ。

 

すぐ北側にある「えいじ」できつねうどんと玉子丼のセットを食べる。(1200円)

 

ここのマスターはもと南極探検隊の料理人だったという異色の人物で、店内はラテン音楽が流れ、カウンターの一角には当時の南極大陸の写真がある。

 

きつねは京都風のもので、大阪のきざみうどんに似ているが、揚げの切り方が違う。大阪のように細長くは切らず、ほぼ正方形で大きい。

 

再び京阪に乗って出町柳まで出向く。

 

ホームから地上に上がるには3回エスカレーターに乗る必要があるが、大阪風の右立ちではなく、東京風の左立ちに今回はなっていた。

 

どちらかというと大阪風のスタイルの時の方が多いが、鞍馬や叡山に向かう観光客が多い時などは、先頭が左立ちになって、後の人は逆らわずにその真似をする。(三条から出る地下鉄は完全に東京風のスタイルだ)

 

地上に出てセブンイレブン近くにある「hellow cycling」に出向いて電動自転車を借った。(30分160円、この日は2時間近く利用して730円だった)

 

以前この近くには「pippa」という電動ではない普通の自転車のレンタルスペースがあったが、いつのまにか撤退して、代わりに「hellow」が進出してきた。

 

「pippa」のアプリを見ると京都からは撤退してしまっていて、俺が前にチャージしておいた600円分が使えない。

 

これはおかしな話で撤退するなら少なくともチャージした分は返金しないといけない。

 

しかしこの会社の理屈では東京とか他にも営業を続けている都道府県があるから返金はしないのだそうで、そのいい加減な主張にはあきれたよ。

 

まず枡形商店街に近づいたのだが、例によって豆大福の「ふたば」は大変な行列。

 

いつもは店の前の歩道でおさまっているが、今日はさらに行列が伸びて、河原町通を渡った歩道のところにまでたくさん並んでいる。

 

枡形商店街の中のうどんと鯖寿司の店も大変な行列で驚いた。

 

ここは井戸水を使っているそうなんだが、やはり三連休で観光客が並んでいるんだろう。

 

枡形には古本屋が3軒も並んでいて、どの店も特色ある品揃えで素晴らしい。

 

さらに自転車で東大路を北上して、知恩寺のすぐ北側にある、日曜と月曜だけオープンしている「古本と雑貨 福」に出向いた。

 

ここは初めて行ったのだが、住宅地の角地で、店の前に均一本が並んでいるわけでもなく、ただ小さな、30センチ四方くらいしかないプレートに「福」との店名表示と、ガラス扉に「OPEN」の文字があるだけ。

 

 

店内は黒く塗られた板が全体を包んで落ち着いた雰囲気で、100円均一の文庫本、古本屋とか古本に関するたくさんの本(岡崎武志のいろんな本、『古書無月譚』『古本屋を困らせる方法』など)、喫茶店の本、神戸の同人誌『VIKING』のバックナンバー、山田稔、川崎彰彦、上林暁らの単行本が目を引く。

 

他にはグラスや皿、箸、アクセサリーなんかも並んでいる。

 

 

さらに自転車で東大路を北上して、元田中から高野をへて、ラーメン街道に至って、目的地の恵文社に到着。

 

最終日でかつ連休中でもあり、たくさんの人が詰めかけている。

 

俺は初日にもここにきているんだけれど、まだ残っている本で目を引くのは『天野忠全詩集』、川崎彰彦の『虫魚図』『わが風土抄』、山田稔の『教授の部屋』『太陽の門をくぐって』タルモンの『フランス革命と左翼全体主義の源流』、単行本の『二笑亭綺譚』、新潮文庫の洲之内徹の二冊なんかだな。

 

 

このへんの本はどれも興味深いもので、歴史的価値もあるものばかりだ。

 

 

しかも場所は一乗寺という、京大の連中がたくさん住んでいる文教地区でもあるのだが、それでも短期間の古本市では売り切ることは難しいということになる。

 


2025-01-12 10:45:00

御田寺圭が『フォールンブリッジ』という評論集を徳間書店から出した。

 

中身なんだが、現代科学の進歩は停滞しており、かつて見られたような画期的な発明、発見に至っていない。

 

そして中途半端な才能しかなく、当然発明や発見を成し遂げることも出来ない人たちが有名大学から大量に生み出されているという。

 

 

それらの人たちは、会社や大学の中でそれなりの地位を占めるのだが、(例として弁護士を御田寺は挙げている)つまりは既存の秩序を維持して利益を得ているわけだから、それを掘り崩して新しいものを作り出そうとする本当に才能のある人間を抑圧する方向に流れてしまうのだそうだ。

 

 

既得権益を守りたいからだという。

 

 

なるほど確かに俺が生まれた頃にはすでに今あるモノは全部あったね。飛行機、ロケット、水爆、電話、テレビ、コンピューター、ロボット。

 

移動手段として蒸気機関車の発明は画期的だったが、それは19世紀のことだ。でもそこからスピードは多少速くなったはものの、異次元の乗り物は何一つ生まれていない。

 

ロケットだって、ワープが不可能なことは科学的に実証されているから、われわれはせいぜい光速にある程度近いスピードで宇宙に乗り出していくことしか出来ない。

 

1番近い恒星までは4光年もあって、行って帰ってくるだけで8年以上かかってしまうから、われわれは所詮は地球の裏庭でうろちょろしていくのが関の山だろう。

 

 

御田寺は天才が生まれなくなった原因は論じていないが、猿から進化したわれわれにとってはこの辺りが脳力の限界であって、さらに飛躍するには、何百万年もかけて脳がその容量も含めて大幅に進化を遂げないといけないのかもしれない。

 

また、パッとしない、量産される「秀才たち」の問題は確かに深刻だよな。東大、京大だけでも年間5000人から卒業生が生まれるんだからね。

 

俺は大阪府立天王寺高校の出身だが、高3の同じクラスで有名になった人はいないな。

 

垂水秀夫は京大の教育学部に入り、その後法学部に転学部して、中国大使になった。しかし中国大使という仕事は、俺には意味のあるものとは思えないから、その程度では仕方がない。

 

生物研究部の部長だった大西克也は東大文学部の教授となったが、まともな単著もなく、評価しようもない。

 

 

京大法学部では中西くんが国際政治学者となっていて、これは著書を読んでも大したものだと思う。

 

仁比聡平は共産党の国会議員となったが、到底意味のある仕事とは思えない。