Welcome

古本屋日誌

2018-01-18 00:01:00

昨日はお昼くらいに雨が上がって、郵便局に出荷に行きましたが、その後また雨が降り出しました。久しぶりに文楽劇場で良弁杉と恋飛脚を見た。

まあ文楽はけったいなストーリーですよね。良弁杉の方は赤子が鷲にさらわれて行方不明となりその母親は悲しみのあまり錯乱し非人に身を落として探し続けている。東大寺の大僧正良弁が二つの時に鷲にさらわれて何とか助かったと知り、ツテを求めて良弁と会い親子の対面を果たすという話です。

鷲が赤子をさらうんですかね?奇怪な話です、さすがはバカ話のオンパレードである文楽ですね。良弁は母親と会い鷲にさらわれた赤子を探していると聞いても「お母さんの心痛はいかばかりかと、似た境遇にあった私はよくわかる」というのだが、鷲に誘拐される赤子なんかそうそういるもんかなあ。間抜けな発言です。また良弁は鷲にさらわれてこれまで親孝行できず親を苦しめたと言って泣くんですが、2歳で誘拐されたんだから、親孝行も何もないだろう。さらに今は大僧正となり立派な袈裟も身につけているが母親を不幸にしたわけだから、そのへんの非人とかにも劣る人間だとも言って嘆くのだが、非人がダメな人間だとかいうのは俗世間の価値観なんだからそれを丸呑みして肯定する良弁の発言は意味がよくわからない。

というわけでやはり例によってバカバカしいストーリーではあり、谷崎のいう通り白痴の芸術に他なりませんが、それはそれで楽しいものです。

特に完璧な大阪アクセントの節回しは美しく、何物にも代え難い。


2018-01-17 13:44:00

今朝は夜半からの雨で気温も高く驚きました。先日寝屋川えびすのしまいえびすにお参りして福笹をこうたんですが、雄猫が目をつけて食べようとし、挙句は食べた固い笹を戻していました、神さんも出来れば消化して身につけて欲しかったようですが。寝屋川えびすもやはり裏参りということで、本殿の裏に別の参拝所があり、木槌はなかったですが、長方形の板がはりつけてあってそれを手で叩いてしっかりお願い出来るようにしてありました。えびすはつんぼだという言い伝えによるものですね。

溝口健二の「祇園囃子」をお客さんからお譲り頂きました。以前「浪華悲歌」と「西鶴一代女」は見たことがあり西鶴の方はくだらない作品でびっくりしました。今回の祇園の方も伝統的な舞妓、芸妓のしきたりに黙々と従うのをよしとはしない戦後の開化の若い舞妓というスタイルで、花街の情緒を振りまいてその実えりかえにかかる大枚のお金を出してもらったからパトロンにして差し上げないと義理をかくことになるというようなドロドロしたはなしが続く。

こういうやり取りは女の方はつらいなあ、なんでやろと思うだろうし、まあその通りなんですが、金を出すパトロン側はその女の辛さがわかるから余計にエロい感じがして楽しくなるわけです。溝口の映画はその辺りは特段描かれておらず、通り一遍でした。

金持ちのエロい遊びの場として京都は伝統的に他を圧倒してました。茶屋に通って馴染みとなりパトロンになり上がって店を持たせる、そこには女の親も同居していてそれがまたエロい。祇園の近くには五条楽園というちょんのまも用意されている、この映画で改めて京都はエロの殿堂だと納得しました。


2018-01-16 18:13:00

今朝は寒さも和らぎ出荷の際も快適でした。中古の自転車をこうてまる5年乗ってるんですが、先月ついにスタンドのところが壊れてしまい金具が取れて自転車を立てられなくなりました。買い換えるか迷っていて今日自転車のあさひに空気を入れにいったついでに店の人に立てられなくなったと相談してみたらストッパーを手で右にやれば立てられるよと教えてもらえて、これでもうしばらく乗れることになりました。

先日お客さんからたくさんの「ビックコミックオリジナル」をお譲り頂きました。伊藤潤二の「人間失格」なんですがアル中の主人公が幻覚を見るシーンが描いてあり、それは雪中行軍する皇軍兵士、それもしゃれこうべのだったり、薬局のなかに保存してあるたくさんの薬草だったりするんですが、とにかく不気味極まりなく、薬草の群れはマンドラゴラなのか罌粟なのか精細な書き込みでついつい一つ一つの奇怪な花を確認したくなってしまう。以前たかもちげんの「祝福王」というマンガがあり、地獄に這い回る亡者の群れを一人一人細かく小さくしかも表情をかき分けている絵が載ってました、今回のはそれに匹敵する不気味さです。最後に主人公は酒を飲むくらいなら薬の方がよいとのことで、モルヒネを注射するのですが、酒の害に比べたらモルヒネはずっとましだという価値観は当時のものなんだろうが面白い。

伊藤潤二は以前から魚に足が生えて地上を歩き回るおかしな作品がありましたが、あれは笑えるものでした。今回のは笑いではなく恐怖を読者に与えようとして、それはうまくいったように思いました。


2018-01-15 20:18:00

今朝はぬくうて風もなく出荷の際も大丈夫でした。昨日は梅田で大学の寮の同窓会があり、なかなか面白かったのですが、酒の強い人は本当に幸せだと思いましたね。昼の2時半から9時くらいまで延々と飲み続けて眠たくもならず、戻したりもせず、楽しくまずい酒を飲み続けられるやつがいましたね。もう50もだいぶ過ぎているのに無駄に体力があって羨ましかったです。だいたいビールにしても酎ハイにしても初めはまあうまいのだがすぐに腹も大きなるし、ウィスキーに切り替えるとかするもんだろう。その必要もなくいつまでも楽しめるとはなあ。

学生の時にバイトをしてそれなりに金があるのにないふりをしてパンの耳ばかりたべたり、経済学部の教室で教授が机に置いてあるパン耳を見とがめて「これ誰のやつなんや?」とさっと投げたら「俺の大事な食料になにすんねん!」といってえらい怒り出したバカがいました。これは見苦しいだけで品性が下劣です。

それとは別にだいぶ働き続けて金もたまり飯や酒くらいなんでもないのに、今も昔の貧乏時代のノリで安いものばかり注文し、ビンボー学生が行く飲み放題2000円とかの美味しくもない店にばかり行くバカも見苦しい。

しかしちょっと金ができたからといっていちびって高い酒飲むのも見苦しいだけで、これは私のことなんですが東通りを抜けたところにあるバー「トライブ」でマスターが「モートラック70年ゆうのが手に入ったから今度貸切にしてたしなんでみよか思うねんけどあんたらもけーへんか?」というので10ミリで35000円なんだが一も二もなく承知してその集まりに参加して、8人程度だったかと思うが、他の人が舐めるように飲んでるのに、我々はさっさと二口くらいで飲み干してしまい、味も何もわからなかった。

 


2018-01-14 17:15:00

今日はさほど寒くはなく仕事に7時くらいに出かけました。ねこは不思議なことに三匹ともでてきません。先日お客さんから鈴木良雄の「フルーツ宅配便」をなどをお譲りいただきました。ビックコミック連載のマンガですが、大人の悲哀がさらりと、静かな絵柄で表現してあって面白い作品でした。デリヘルをしている女がマンションに帰ると隣のドアの前で小さい子供が泣きべそをかいていて気の毒で中へ入れてやり事情を聞いて見たら父親が外に出ていろという、日常的に暴力をふるわれているというので義侠心から引き取ってその子を住まわせてやり、父親にはその旨伝言で伝えたが、結局父親からの訴えで子どもを監禁しているかどで、警察の聴取をうけるはめになる。子供は父親と一緒に宿替えしていくという話。大人も一生懸命自分のことで精一杯なんだから、子供も精一杯生きないといけないということなんだろう。

青木雄二の「ナニワ金融道」と「闇金ウシジマくん」の違いのように、限りなくウシジマくんに近い世界をさらりと描いていていいなあと思います。