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古本屋日誌
NHKの「ドキュメント72時間」で新宿歌舞伎町の60年以上の歴史をもつキャバレーの閉店前三日間の密着をやっていた。
雑居ビルの6階にある店で地上にはエレベーターボーイがいて丁寧にいざなってくれる、6階フロアーには舞台があってその前で客がダンスできるようになっている。
しかし大阪のキャバレーになじんだ私からしたら6階にわざわざ上がるのは面倒だ、勢いで入るには気がそがれる。また店内も暗すぎるし、見通せず開放感がない。
また番組のコンセプトが実に下らない。
ホステスがもと二十歳のシングルマザーで周りからは白い目で見られたがキャバレーで働き始めたら同じような境遇の人がいて世間様に負い目を感じることなく過ごせたなどという使い古された話に終始して実に下らない。
そんな程度の人生などほぼ全ての日本人が経験しているし、何が辛いのかよく分からないほどだよなあ。そもそもホステスの魅力はその面白さだよなあ。
NHKのディレクターはバカ揃いなので、ホステスと話をしたこともないんだろう。
どんなに気難しい先輩を案内してもキャバレーのホステスは決して怒らせたり、気分を害するような時間を作ったりはしない。だからみんな面白くて行くわけだよ。そこに焦点を当てて番組を作らないといけない。
千日前の「ミス大阪」は私の好きなキャバレーなんだがもちろん一階にあって玄関から入ると突き当たりが大きな舞台でそれを囲んで客席が一気に視線に飛び込んでくる構造になっていて実に開放感がある。また日曜日に行って舞台でカラオケを歌いたいところだ。
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お客さんから買い取る際に時間も押しているし、面倒でもあるので、タイトルとパラパラ程度で値付けする。
あとでチェックしてみたらかなり鉛筆の線引きやマーカーの書き込みがある本も混じっている。
鉛筆や色鉛筆の線引きは消しゴムを使えば気にならない程度に消し去ることができるので、以前はこれも因果とあきらめて頑張って消しゴムをかけていたこともあった。
しかしあまりに面倒なのでこの頃はもう消すのはやめてそのままで値引きして売るようにしている。
線引きなどへの反応はお客さんによって実にまちまちで、すごく気にされる方ももちろんいらっしゃるが「線引きがかなりあります」と表示して販売しても「かまへんのや、読めたらええんや」と買ってくださる方の方が多い。
日本一の古本屋天牛書店でも以前安藤さんが天神橋店のレジで、一生懸命消しゴムを使っているのを見て「なーるほどこういう面倒な仕事もあるんですね」と言ったら「そうなんですよ、こんな作業も地道にこなしてるんですよ」とのお答えだった。
だだ現在の天牛書店の印象としては線引きのある本は値札の横に「線引き」と書いたシールを貼って客にわかるようにして相当値引きして販売している、つまり基本的には消せる鉛筆の線引きであっても消さない方針に思える。
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昨日から天満宮で古本まつりが始まった。
先だっての天王寺さんの古本市では100円均一コーナーは長机を長方形に並べたもので、本もあんまり置いていなかった。やはり安いということで密になりやすいと考えた結果だろう。
今回の天満宮のは100円コーナーは広いスペースに巨大なベニヤ板を何枚も並べた島で、それが3カ所作ってあり、ベニヤ板が見えないくらい大量の本で埋め尽くされていた。
各古本屋のスペースも従前でお客さんの出足も遜色のないものに思われた。
少し違っていると言えば100円コーナーの横にある本部の作りで、お客さんとやり取りすることが多いからなのか、長机の上からビニールシートを前面に垂らして予防しているくらい。
お客さんの数もいつもどおりのようで誠にめでたいことだ。
境内を修学旅行の高校生の行列が横切っていく。すぐ近くの「繁昌亭」に行くためだ。古本まつりに目を留めて「あ〜200円均一‼️」と言ってる子がいる。汎書店のきれいな新書本コーナーのことなんだが、高校生にとっても200円とか、もちろん100円は「安い‼️」と思える金額なんだとわかった。
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小谷野敦が「岩波文庫に入れられないものだろうか」と書いていた戯曲「兵士タナカ」を読んでみた。
この作品はドイツのカイザーの作で、1940年にチューリッヒで初演となった。
白水社から1970年に出た「現代世界演劇 1」に収録してあり送料込みで1000円くらいで入手できる。
帝国陸軍の狙撃兵で成績優秀なタナカは3日の休暇をもらって実家に帰宅したが、飢饉で苦しんでいるはずなのに、白い飯、御頭付き、酒、タバコと至れり尽くせりの歓待を受ける。
しかし妹は金持ちの家に奉公に行ったとかで不在。
その晩仲間と一緒に遊郭に登ったところ出てきたのはなんと奉公に行っているはずの妹で、親から女衒に売られたことがわかる。その金で今日のご馳走は調えられていたわけで、タナカはショックを受けた。
そこへ上官がやってきて女を所望だといい、タナカの妹があてがわれることになるが、タナカは妹を連れて部屋に立てこもり、あげく妹で刺し殺し、さらに上官も刺殺してしまう。
裁判でタナカは上官殺しのかどで死刑を宣告されるが裁判官は「陛下の御慈悲がある、それにおすがりしてみたらどうだ❓」と勧める。
タナカは強欲な地主や女衒がわれわれから搾り取った金を使って全国の連隊を維持しているのが天皇だとして、天皇こそ俺の前で土下座して謝るべきだと主張する。
天皇制への痛烈な批判である。ただタナカは天皇は徳川時代同様の身分制度で、民主主義の世の中に合わないと批判しているのではない。世の不平等の責任者が天皇で、その不手際で庶民が苦しんでいるとの批判だ。
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今日は京都のお客さんのところへ買取に伺った。いい陽気で暑くも寒くもなく快適だー。
今回伺ったお客さんは宗教関係の本をたくさん持っておられてありがたかったが、ただ面白かったのはカバーの背表紙に糊をつけて本ときつく接着しておられたことだ。
「これなんでみんなくっつけてはるんですか❓」
「いやな、こないしてくっつけたらな本のな、幅が縮まるんや、そやさかい本棚にぎょうさん置けるんやで」とのことだが
「まあそうかもしれませんけど、こないにしてくっついてもうてたら、高うは買えませんで。今度からは読んだ本は糊ではらんとすぐ私んとこに電話したっとくなはれや、じきに飛んでかますよってに」
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