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古本屋日誌
通販で古本や新刊書を買うことも多い。
欲しい本が決まっている場合は一瞬で検索できるし、新刊を扱う巨大書店、ジュンク堂などに行って実際に手にとってから買う手もあるが、交通費がかかるし、電車に乗っている時間は無駄だ。
さて目当ての本が到着して早速読もうと意気込むのだが、ものすごく手間のかかった包装がしてあるようだ。封筒の四隅に大きな透明なセロテープが目張りしてあり、引きちぎろうとしてもいっかな手応えがない。
さてやっと本を取り出すと今度はご丁寧にプチプチでくるんである。
これを取り去らねば‼️と気合を入れるがその糸口が見つからない。
こちらも四隅に全てに実に細やかにセロテープ状のもので密封されている。
なんとかセロテープの起点を見つけようとするのだがなかなか見当たらない。
ようやく起点らしき端を発見して「あ〜嬉しい‼️」と喜んだのも束の間、テープの端は無情にも端から1センチもいかないところでちぎれてしまった。
仕方なくカッターを探してきて、テープの上から刃を当てて切り裂こうとするのだが、それはそれで(ひょっと刃が入りすぎて本のカバーを傷つけてしまうのではなかろうか)とビクビクする。
ようやくのようやく本にたどり着いたかと思いきやさらに半透明のビニール袋で梱包されている。
(ビニール袋はあったほうがいい。なにせ急な雨で封筒が濡れてしまうケースもあろう。万が一だが備えは大切)などと冷静に分析できる余裕は失われている。
なにせここまでくるのに5分以上かかっている上に右手の親指や人差し指は悪戦苦闘の苦悶に喘いでいる。
腹が立ってきて勢いよくビニール袋を引き裂いた時、何か重苦しい抵抗が右手に残る。
おそるおそる観察してみたらあんのじょうカバーを半分くらいまで引き裂いてしまっている。
とにかくやり過ぎなんだよなあ。
本は材木と同じでものすごく硬い。ビニール袋はまだしもそれ以上の包装は無駄だ。
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片岡壱太郎が唐衣役を務めた「輝虎配膳」をテレビで見た。
ご都合主義満載の歌舞伎で見ている方は時代劇同様次の展開から最後まで見通せるので安心してみていられる。
武田信玄の軍師である山本勘助の母越路が信玄の宿敵、長尾景虎の配下である直江兼続の屋敷にやってきて饗応を受ける話だ。
そもそもこれがおかしな話なんだが、兼続の嫁の唐衣は越路の娘という無理な設定になっていて、その唐衣から「冥途の土産にお目もじに預かりたい」と頼まれたからということでノコノコ敵の本丸にやってくるのだ。
あとはもうなんでもありになって兼続が将軍から拝領した小袖を義母に捧げようとしたら「わしは古着は着たことなどない」と拒否されるわ、果ては輝虎自らが運んだ料理を足蹴にされる。輝虎は怒り狂って越路を斬り殺そうといきりたつわけだ。
だからこの狂言はかなりコミカルでその際たるものが怒った輝虎が烏帽子を脱ぎ捨て、直垂もとって白装束となり向かっていくシーンだ。
輝虎は直垂に加えてその下に着込んでいる4枚の白装束を玉ねぎの皮むきよろしく長台詞を言いながら脱いでいく。4枚ですよ‼️南座の観客からも笑い声がこだましていた。
ただ徳川時代の武家の賓客の饗応では数枚白装束を下に着けることが作法になっていたので、輝虎の仕草は礼儀に則ったものだ。従って本来のまともな観客なら笑い声ではなく「ほーっっっ」てな歓声が起こるべきなんだが、われわれはとうの昔にその知識教養を失っている。
それにしても片岡孝太郎といい、壱太郎といい昔懐かしい大阪アクセントをあやつり上品な会話を聞かせてくれるのは誠に貴重だよなあ。
大阪に住んでいる人でもちゃんとした大阪アクセントを使える人はそもそも少ない。
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大塚ひかりの「くそじじいとくそばばあの日本史」がポプラ新書から出た。
相変わらず面白い。大塚はどこから着想が湧いてくるのかよくわからないが昔話の深層を寸鉄人を刺す要領でいろいろ展開してくれる。
以前神功皇后が朝鮮から凱旋した際身内に背かれて危機に直面した話を取り上げていた。神功皇后自ら『おきながたらしひめは死んだ‼️」とデマを流して敵を油断させて撃ち破った。
大塚は「本名を明らかにしないタブーが強い中、名乗るのみならず、死んだとまで公言するのは相当な覚悟がいっただろう。その上神功皇后は鎧甲冑を身につけて男装をし、さらに腹ぼてで差し迫った出産を止めるために石を腹に挟んで誠に異形であった。これもパワーを高める呪術で、彼女はよほど追い詰められていたのだろう」などと書いていた。
今回は海幸山幸の山幸彦を取り上げる。
山幸彦が兄に釣り針を返す際に呪いをかけて潮の満ち引きを司る珠で溺れさせる顛末を取り上げて大塚は
「これは兄にとってはまことに理不尽としか言いようがない」
しかし
農耕以前の狩猟採集時代には策略にかけて相手を陥れて少ない労力で倒すのは正しい方針であり「正々堂々と戦うなんていうのは建前だけの道徳に曇らされた近代人の感覚で、やってることは人殺しなわけですから、むしろフェイントで済ませた山幸彦などは素晴らしい策士と言えます」とある。
正々堂々の戦いを建前だけのの感覚とぶったぎるのは天才、大塚ひかりにしかできないことだよなあ。
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お客さんから買い取った本でうちとこでは売れないものが溜まってくる。
潰しにして処分した方がいいのだが、今回はブックオフ古川橋店にお願いして出張買取をしてもらった。
9月28日に電話で頼んでみたが最短は10月11日になるとのことでその日の朝イチでお願いした。「何冊くらいありますか?」 「文庫が100冊くらいありますわ」「それで例えば多なって500冊とかになってしまうと取り扱えませんけど、いけますか❓」「そらそないにぎょうさんはありませんわ」というやりとりがあった。
120冊程度の全てうちでは扱えない文庫本だ。
10時過ぎにあらかじめ電話があり「あと15分くらいで行けます」とのこと。まもなく若い兄ちゃんが到着、家の前に軽のバンを止めて査定、目分量でやるのではなくスマホを少し大型にした機器でバーコードを読み取るとブックオフの統一査定金額が出る仕組みになっている。
結局120冊のうち売れたのは37冊で590円だった。
びっくりしたのは渡された明細で、一冊一冊の書名に査定金額が印字されている。今まで古本屋の査定は一括りで1500円とかみかん箱一つで2500円とかごくざっくりしたものだったのに、一応一点一点の値段を明らかにしているわけだ。
一番高かったのは岩波文庫の旧版の「論語」で150円、次が「代表的日本人」で80円、3番手が中公文庫の「1989年の因果」で60円、後は大半5円か10円だった。
文庫は全点がデータベース化されているわけではないようで「リストにないものもいくつかは買い取りました」とのことで13冊が一冊5円で買取になっていた。
古本業界ではマンガを主力に扱う「まんだらけ」が古くから一冊一冊査定金額を明示しているのだが、古本に関してそれを踏襲しているのは初めてみた。確かにお客さんのお宅に伺って「全部で57000円です」と申し上げたら「このサンリオの『万華鏡』はなんぼなん❓と聞いてこられるケースがあります。
「その本は250円です」てな具合になりますが、お客さんには一冊一冊の値段を知りたいという気持ちがあることはわかっていましたからそれを実現したブックオフはなかなか侮れないよなあ。
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文藝春秋から池上彰の「日本VS韓国、対立がなくならない本当の理由」が出た。
池上彰は例の慰安婦問題の際に帝国陸軍が直接慰安婦を募集した証拠はないとの反論が出されたことについて、「それは今のところ見つかっていないというだけのことで、今後見つかる可能性が十分ある」とか「敗戦時に帝国陸海軍は機密書類を大量に焼却している、その際に証拠となる書類が失われた可能性もかなりある」などと主張していた。
池上の主張は可能性としてはその通りだが、もともと韓国側が帝国陸軍が慰安婦を募集していたではないかと一方的に決め付けていたことへの反証として「証拠がない」との調査結果が出てきたわけなんだから、明らかに問題をすり替えている。
そこに池上彰の確かな思想性を見ることができるわけで、大日本帝国の朝鮮支配を糾弾したいとの思いで、それはそれで理解はできる。
しかし今回池上彰はどうしたことか転向してしまったようにみえる。
韓国人が旭日旗を植民地支配に絡めて嫌うことを紹介した後、大漁旗や缶詰の絵柄が旭日旗を思わせると韓国の団体が主張していることを取り上げて「こじつけだ」という。
「反日種族主義」に触発されたのか、中国には文句を言わないのに日本にはあれこれ言ってくる韓国の姿勢も「不思議なものだ」という。
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