Welcome

古本屋日誌

2020-11-01 19:34:00

逢坂剛の新刊「鏡影劇場」の冒頭、マドリードの古本屋の片隅で見つけた19世紀のおぼしき、反故の裏に書かれた楽譜が欲しくなって、店主にあれこれ話しかけるくだりがある。

その楽譜を含む書類は10万を遥かに超える金額がついていて、店主に「この文書の出所は?値打ちはどこにあるのか❓」と尋ねてみるが主人は「よくわからん、ただ19世紀初頭の文書だからな、3年売れてないけどこの値段で欲しいと言う客が現れるまで待つ」とすべない。

「全部が欲しいわけではないんです、楽譜が書いてある16枚だけ3万くらいで譲ってもらえないか❓」

「いやいや、全部つながっているかもしれない、それをバラしたら値打ちがなくなることくらいわかっている」

「じゃあ3万払うからその16枚をコピーさせてもらえないか❓」と粘ると

「古本屋でそんなことがよくいえたもんだ‼️」とにべもない。

「では仕方がない、その本を欲しいという客が現れるのをお待ち下さい」とわざと立ち去ろうとすると

「マスター‼️」と呼び止められてトータルで10万まで値引きするという。

「いや、その値段ではとてもとても」と立ち去ると今度は追ってこない。

ここらかなと自ら舞い戻り「カードは使えますか❓」と買い取るわけだ。

値引き交渉はこれくらい面白くやってもらいたいよなあ。

このところのお客さんは
「この本安ならへん❓」
「いやあ、うちもギリギリでやってるもんで」というと、あっさり引き下がる。

iPhoneから送信