Welcome
古本屋日誌
角川文庫ソフィアから神永暁の「さらに悩ましい国語辞典」が出ている。
神永は小学館で辞書の編纂に従事していた編集者だ。
この中で例の「負けず嫌い」問題を論じている。
負けることが嫌なのに、「負けず嫌い」では負けないことが嫌いとなって反対になってしまうのではないかといういつも言われているやつだ。
従来この表現は「負け嫌い」と「負けじ魂」が混ざり合ってできたものではないかと言われてきたが国語学者の大野晋は推量の助動詞「むず」が「嫌い」についたものでそれが短縮されたとの新説を唱えているということだ。
神永は「もちろん私には、この大野説の適否を云々できる見識も知識もないし資格もない。」としながら自分が編集に携わった「日本国語大辞典」を引用して反論する。
なんでも「負けず嫌い」の用例は江戸時代には見当たらず1913年当たりの中勘助の「銀の匙」が初見なんだそうで、「大野説が正しいと考えた場合、この例の新しさをどう判断したらよいのかといささか気になっている」と書く。
見識がないとか、知識がないとかいろいろ謙遜しているけど、実は大野晋に大いに不満を抱いていることが伝わってきて面白い。
iPhoneから送信
朝日文庫から「わが家の夕めし」という本が出ていた。面白いのでぜひお求め下さい。在庫がございます。
「アサヒグラフ」に連載していたものをまとめたもので、昭和43年から47年にかけて著名人のある日の夕食にお邪魔してカラーで撮影して、メニューの詳細と写っている家族の説明に加えて本人が1ページ分のエッセイをものしている。
湯川秀樹、梅原猛、樹木希林、庄司薫、中村紘子、森敦、小田実、遠藤周作など多士済々である。
高度成長期とはいえ、日本全体ではまだまだ貧しかった頃なんだがさすがに稼いでおられる文士や学者だけのことはあってメニューも多彩で素晴らしい。
面白かったのは遠藤周作の夕食で、嫁と2人で食卓を囲んで目刺しにかぶりついている。
おかずはなんと目刺しだけ。「いつもおかずは一品だけにしているんだ。目刺しはミネラル分もカロリーも他の魚に比べて優秀なんだ」と書いていて、遠藤一流のいちびりだろう。
贅沢の極みは梅原猛で、もともと和辻哲郎邸だったのを譲り受けたそうで、庭園から北山が借景で取り込まれて、バーベキューしているのだが桃源郷に迷い込んだとしか言いようのないゴージャスさだ。
iPhoneから送信
友人に小学校の講師をしているのがいて、こんなことを言う。
「このところ上本町の小学校の児童がえらい大人しなってしもたわ。宝塚とか西宮の子ぉみたいできみがわるい。ただ天王寺の子どもは昔ながらで騒がしい」そうだ。
小学校は1クラス30とか40とか、かなりの集団授業だからマナーも大切だ。
先生から指名されてから答える、他の子供が答えている間はしゃべらない、我がちに挙手して目立とうとしない、教室でスマホをいじらない、教室で消しゴム落としをしない、走り回らないなどが求められる。
しかしこれまで大阪市内の子どもは先生にかまってもらいたいとか、目立ちたい、あの子には負けたくない‼️などの極めて個人的な事情が最優先されて授業中騒がしかったようだ。
それが上品になったというか、周りをよく観察して場に合わないことは口にしなくなっているというわけだ。
iPhoneから送信
「ブックオフ大学ぶらぶら学部」という本が夏樹社から出ている。
ブックオフの30周年に合わせて、このチェーン店を使いこなしている人たちのエッセイを集めたものだ。
どの執筆者も書いているのだがブックオフの魅力は風通しの良い解放感だろう。
とにかく扱ってる商品のジャンルが広い。
本、CD、DVD、漫画、ゲーム、携帯、テレビ、エレキギター、パソコン、トレーディングカード、ブランドバッグとなんでもある。
数時間いても飽きない。立ち読みしていても怒られない。
店舗が街の中心部にあって、繁華な商店街の中だったりもするから、ブックオフでしばらく立ち読みをして気に入った本は1割引の券を出して買い、すぐ前にある「TULLYS coffee」に入ってゆっくりケーキなどをいただきながら読み終える。
その足でブックオフに引き返してその面白かった本を売ってしまう。
345円でこうた文庫本だが買い取りは40円だった。結構なことだ。またブックオフに入って本を探して気に入ったら購入して今度はとんかつ屋に入ってといつまでも楽しい時間を過ごすことができる。
スーパー銭湯みたいなものだよなあ。こちらも規模の大きなものでは寝転んで映画を見てそのまま仮眠できるシアターだとか居酒屋、ゲームセンター、大衆演劇、マッサージ屋、散髪屋などが併設してあって1日いても飽きがこないよなあ。
長い人生、リタイアしてからもまだまだ時間は続いてゆく。どう時間を潰していくのかは極めて大切だ。
iPhoneから送信
昨日はタイのチェンマイに家族と住んでいる友人と梅田で酒を飲んだ。
GO TOキャンペーンにつられて里帰りしてうかうかしているうちに、帰国できなくなってすでに8ヶ月滞在しているという。
彼は地元でバナナ農園などを経営して成功しているほか、「京都の桜」をテーマにしたホームページも持っていたそうでそちらもマックスで1日に40万アクセスがあったこともてなことで、なかなかエネルギッシュな男だ。
金儲けの話はとかく意地の張り合いになりがちだ。相手が自分より成功していたら羨ましいと思い、面白くないから話をもったり、虚勢を張ろうとする。
若い頃も歳を取ってからも、そこにいるのが知人であるだけに無関心ではおれないからだ。
ただ私は客がたくさん来てもうかったら一番いいとは思ってないし、ちょっとインテリ趣味が災いして、金儲けの話にはさほどの価値を置いていない。
びっくりしたのは新阪急ホテルが休業していることで一階のフロントの人に聞いてみたら「ここで営業してるのは喫茶店だけです」とのことで地下のスイーツバイキングなどに家族連れが群がっていたのを思い出すと隔世の感があるよなあ。
さて、大型書店は店舗ごとの在庫検索ができるようになっている。
紀伊国屋書店やジュンク堂、未来屋などだ。
未来屋やジュンク堂の検索は都道府県ごとに一覧で表示されるので便利だ。
先頃亡くなった坪内祐三の「酒中日記 続」が欲しくなって探してみたら埼玉県の飯能市にある丸善の丸広百貨店飯能店にあることがわかったので、早速電話してみた。
「この本ですけど在庫はありますかな❓」
「ありました」
「代引きでお願いしたいのやけど」
「うちはやってません」
「そこをなんとかなりませんかね、取りに行くには遠すぎるので」
「ちょっとお待ちください」
この分だと何か配慮してもらえるのかと期待していた。
数分待たされて
「はい、キャンセル処理が終わりました、以上です、ガチャリ」
うーん数分待たせたのはなんの意味があったのか、ドコモの回し者のようなおばちゃんでした。
iPhoneから送信