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古本屋日誌

2021-03-04 18:42:00

山田稔が1976年に河出書房から出した「ごっこ」を入手しました。是非お求めください。

神戸の「VIKING」などに掲載していた作品を集めた短編集だ。

京大の大学紛争中やその後の日常を描いたもので活字の「パルチザン全史」といった趣のある小説だ。

キャンパスにバリケードを築いて教員が入らないようにして授業や試験をさせないようにするバリケードストライキがよく行われていた。

一般の社会では生産活動をストップさせることは直接生産者や流通に関わる人、また消費者の生活や命に直結するから、認められないし、止むに止まれぬ事情からストライキをする場合も早期の解決が図られる。

しかしこと京都大学に関しては、そんなことは全くなく、ダラダラと授業や試験がない日常が継続してしまう。

これは京都大学があってもなくてもどうでもいい存在で、機能しなくても誰も困らない大学であるからだ。

したがって緊張感もないままストライキなるものが続いてやっている学生も、規制される教員の方もすっかりたるんでいってしまう。

学生は当初キャンパスに入ろうとする教員に口頭で「授業はせーへんから」と約束させて門を通していたが、やがてその旨を書面で書くような求めるようになった。

山田稔はあまりに退屈なストライキの日常に飽き飽きして署名の欄に田中角栄だとか奥田東(当時の京大の学長)だとか書くようになる。バレたらどうなるかというスリルを求めての所業だが、これが残念なことに全然バレない。

ところがある時「佐藤栄作」と書いてバリケードを通り抜けた。係の学生は横のやつとなんのかんなと議論の最中で難なくすり抜けた。しばらくして「なんやこれは‼️佐藤栄作たら書いとるやつがおる、どこのどいつや‼️」となって一斉にゲバ学生の視線が山田に注がれる。

さてどうしたでしょう❓

続きは読んでのお楽しみ。

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