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古本屋日誌

2022-05-04 15:27:00

天王寺さんで連日古本市だ。

 

ぬけるような青空の中だし、すぐ東には朱と青にの回廊、そして金堂に五重塔が目に飛び込んでくる。

 

せせこましく、通路を通るにも背をかがめ、横向きにならなければならないような、普段の古本屋巡りとは全く違う解放感があるよなあ。

 

塔の中には永代供養のお骨がたくさん眠っている。まるで先祖に見守られているかのような安らぎを覚えるのだ。

 

たくさん古本屋のテントが並ぶ中でいくつかの書店は「全品200円均一」とか「文庫、新書は3冊で500円」とうたって販売している。

 

昨日、青空の中、そういう古本屋で本を見ていたら別のある古本屋の主人がやってきた。

 

彼は均一販売の本屋の主人に

 

「どうもね、うっとこや、その周辺の文庫本を、おたくに持ち込んで安くこうてる人がいるみたいですわ。お手間やけどちょっと気ぃつけてみといてもらわれへんやろか」というのだ。

 

「ふんふん」と適当に主人は応じていたが、そんなことがあるのだろうか。

 

いちいちめんどくさいことなんかしなくても、単純に盗んだらいいだけではないのかなあ。

 

それを別の店にまで持ち込んで、安いながらも一応金を払ってこうてるというのだが、俺には信じられないな。

 

だいたいねじ込んできた本屋の主人はどうしてそんな事態になっていると感じたのかがわからない。

 

自分の店の棚がやけに減っていて、売り上げと合わないということなんだろうが、普通は万引きを疑うだろう。

 

そうではなく、別の均一店に本が持ち込まれていると思うのはかなり不思議な感覚だよなあ。

 

つまりは均一販売の店が目障りだということなんだろう。

 

「うちはきちんと相場の値段で売ってるのに、えらい安う売るのは売り上げに影響が出る」みたいな感覚だろう。

 

でも店舗にせよ、古本市にせよ値段は通販より安くなるのは当然だよなあ。

 

通販の相場を古本市に持ち込もうというのはバカとしか思えない。

だって古本市に来る客は近所の人だけだからな。

 

でも店舗や古本市なら50円、100円とかで通販にはなじまない本(佐伯泰英、東野圭吾、百田尚樹、宇江佐真理、司馬遼太郎、西村京太郎、赤川次郎などなど、いくらでもある)もたくさん売ることができる。

 

またすでに文庫化されてしまい、売りにくい単行本もさばくことができる。

 

 


2022-05-02 09:04:00

去年立花隆が亡くなり当初その著作の注文がたくさんあった。

 

「田中角栄の研究」や「死はこわくない」などだ。

 

今年はむかわりを迎えてつい先日、4月30日の夜、NHKで追悼特番があった。

 

立花が最後にたどり着いた死生観の話だ。

 

人生は大宇宙の果てもない時間に比べて一瞬だ。しかし人間は進歩していて、いつの日か、その最先端の知が全ての人類に共有されるものとなるというのだ。

 

立花はここから「死はこわくない」とおっしゃるのだが、俺にはよくわからない内容だったな。

 

それはさておき番組放送からすぐに立花の本の注文が立て続けに入り、例によってテレビの影響力を感じさせられた。

 

連休明けはしばらく出荷できなかったので、郵便局に持ち込む本の数がかなりに上ることがある。

 

といっても何百などということは全くなく、せいぜい数十くらいなんだが、手元の出荷数データと当初は、照合していた。

 

パソコンの出荷数が47、郵便局の窓口でのカウントも47❗️

「あ〜よかった」

 

ところが数が合わないことがしばしば起きるのだ。

 

パソコン上は出荷数は34なのに郵便局では33。こうなるといろいろ心配になるのだ。

 

店から本を運び出すときに積み上げた山から落ちた本に気がつかなかったのかとか、自転車で運搬しているときに落としてしまって気がつかなかったとか。

 

もちろんそんなことはなく、単に読み違いなのだ。なんでも気にしすぎはよくない。


2022-05-01 15:01:00

今日から岡崎公園のみやこめっせ(勧業館)で古本市。

 

2年間、開催が見送られていて、今回久しぶりで早速朝から行ってみた。

 

雨ということもあるし、コロナ騒ぎで本を入手するのは通販サイトというスタイルも定着したせいもあって、朝一の人出は以前よりかなり少ない。

 

また、今回から集合レジではなく、各店舗で精算する方式となった。

 

なんでもレジでの混雑を避けるためだそうで、これまでたくさん用意してあった買い物かごも廃止となった。

 

そのため店でたくさんこうた際には両手に山のように本を積み上げて持つことになって不便だ。

 

3年ぶりの開催だから大盤振る舞いがあるのかな❓と思ったがそういうことは全くない。値付けはごく普通と見えた。

 

ただ地元京都の本屋でなく、地方から来ている古本屋は相当安い値段で販売している。

 

奈良の法隆寺から来ている「百済書房」や奈良市の「紀文堂書店」がそれだ。

 

百済書房はJRの法隆寺駅の近所にあるのだが、この辺りは大阪のベッドタウンで、30分くらいで天王寺に出られる。

 

だからいい本を日常的に読んだり、仕事に使ったりという客層がいる。

 

いい本が集められるので、日常的に店で販売している値段をみやこめっせでもつけているのだろう。


2022-04-30 18:58:00

今日は快晴で再び天王寺さんに出向いた。

 

昨日が初日だったが強い雨で均一の安い商品棚はブルーシートがかかったままで販売されなかった上、午後からは突風でテントが巻き上げられそうになったために早めに営業をやめたそうだ。

 

だから実質今日が初日なのだ。

 

滋賀の古本屋の「クロックワーク」は、レコードやCDが専門のようだが、余技で本も扱っていて適当な文庫本は1冊150円で売っている。これはかなり相場より安い。

 

京都から来ている「シルヴァン書房」はもともと写真(戦前の風景写真など)を専門に扱っていて、カラフルな帽子をかぶった色黒の爺さんがやっている店だ。

 

昨日の雨の中、テント中で1冊200円で文庫が出ていたので、さっそく2冊買い求めて、例の爺さんに支払おうとしたら、しばらく考えて「500円」という。

 

「えーこれ200円て書いたあるで〜」

 

「あーさよか、外のやつか思たんや、ほな400円な。外にな文庫1000冊くらい持ってきとんねん、しゃーあけど今日は雨で開けられへん」

 

さて千円札で払うと600円の釣りなんだが、100円しかよこさない。

「えー千円札渡したで〜」というと

『千円やったかな❓もう頭ぼうーてなってんねん」と言いながらお釣りをくれました。

いいよね〜こういう歳の取り方は。

 

さて今日なんだが快晴で爺さんの言うとおり、外の文庫台もオープンとなり、300円均一で大量の講談社学術文庫、ちくま文庫、岩波文庫が並んでいた。

 

値段はちょっとありえないくらい安いもので、たちまち人だかりができていた。

 

またテント内を見るといろんな辞書(柳田國男の民俗学辞典、森銑三の大正人物逸話辞典など)が1000円均一となっている。

また、その横の台には「千円から5000円」と書いてあって「日本の女性名」や「近世上方語辞典」「上方語源辞典」「上方演芸辞典」といった前田勇の著作も並んでいる。

 

これらの本の値段はそれを持って爺さんのところに行って聞いてくれ❗️❗️ということなのだ。

さらに爺さんが座っているあたりの台には「定価の3割引き、相談で」てなことを書いてある。

 

爺さんが言うには「もうな、値段いちいち書き込むのがめんどくさいんや」

でもね、客が「千円から5000円まで」の台に、ある本を手に取って『これ1000円のとこにあったよ❗️❗️」と言ってきたらどうするのかな。

まあそれくらいのことはかまへん、かめへんというものなんだろう。

 

俺も試しに「上方語源辞典」を持っていって聞いてみたら、「千円❗️」と即答。速くていいね〜

 

こういう古本屋はつまりは得意分野が別にあるので、それ以外の本はもうどうでもいいのだ。

まことに結構なことだよなあ。

 

 


2022-04-29 14:14:00

今日から天王寺さんで古本市だ。

 

早速朝から行ってみた。下らないコロナ騒動で2年開催できなかったのだが、天気予報通り、開始直前の9時半くらいから激しい雨。

 

参加店はいつも通り。

 

大半は大阪の古本屋だ。

 

ただ、神戸から倉地、岡山から不死鳥、京都からシルヴァン、滋賀からクロックワーク、静岡から太一、奈良から五輪書など他府県からもいくつかの本屋が参加している。

 

100円均一は一番南にテントを設営し、雨に濡れないようにしてあった。

 

いつものことだが、いい本を安く売っている店もあれば、逆にネットで懸命に予習してAmazonの値段をつけている本屋もある。

 

一般的に言えば、いくら古本市だといっても集客は大阪周辺に限定されるから、通販と同じ価格では売りにくいことは明白だ。

 

でも店舗を持たず日頃から通販のみで商売していると、その値段で売りたくなるのは当然だ。

 

俺だってそうしている。

 

逆に通販しかしていないのに、いい本を安く売っている古本屋もある。

また専門分野がはっきりしている古本屋が安売りしていることがある。

 

 

レコードやCDが専門だとか、実は骨董品屋で、古本はついでに扱っているてな店なら、いちいち本の値段をネットで調べるのはめんどくさい、時間が無駄になるという理由で適当な値段をつけるのだ。

 

しかし無店舗、しかも本しか売っていないのに安いというのは不思議だよなあ。

 

これは店主の人徳だろう。

 

「もう、子どもも巣だったし、そんなに儲けんかてええわ。好きな本やレコードを集めて、自分も読んで、聴いてしていければいい人生だ」ということなんだろう。

 

実はこのお店の店主と以前話す機会があった。

 

「あのな、こないだの谷町の古本市でな、レジが古書ディックのおっさんと一緒やったんや。(ディックというのはSFやミステリー、探偵小説をメインに扱っている古本屋だ)

その時な、『この文庫本はこれが相場や』と『この本はちょっと安すぎる』とかいろいろ教えてもうたわ。ほんまにディックのおっさんはよう勉強してる、感心したわ」と言うのだ。

 

この最後の「感心したわ」はもちろん皮肉ではないのだ❗️

 

それがすごいよね。

 

こういうできた人は古本屋にはほとんどいないけどね。だいたいの古本屋の店主は一発当てたろ❗️てなことばかり考えてる。