Welcome

古本屋日誌

2024-06-17 00:57:00

山田稔は90を超えた今も元気で、毎年編集工房ノアから新刊を出している。

 

 

以前『幸福へのパスポート』と題した本を読んだのだが、その中にフランス人がレジスタンスの中で、ナチスに殺された20万人を弔うために、ノートルダム大聖堂そばの地下に施設を設けて、その壁にはナチスを呪う言葉が刻み込まれていることを書いている。

 

ナチスドイツは、抵抗するフランス人を連行して、即座に射殺したり、強制収容所送りにして殺したりしていたのだ。


2024-06-16 17:58:00

先日、矢野隆二の『今東光全年譜』が出た。

 

 

1000ページを超える大部で、箱入り上製本だ。値段も20000くらいしていて、限定500部ということだ。

 

 

今東光の著作は人気があって、今も直木賞の『お吟さま」とか勝新太郎と田宮二郎の『悪名』だとかはとりわけ探しているひとが多い。

 

 

昭和22年に谷崎潤一郎が序文を書き、表紙は鳥海青児という『稚児』が出て、こちらは一度復刻されたことはあるが、なかなか見つからない。

 

 

先日ようやく、手に入れて一読したが、お寺で長年行われていた男色をテーマにした作品で、初めて稚児にあれをする際は、様々な儀礼が先立って行われるとのことで、あれこれ事細かく記されていた。

 

ただいよいよ、いとけない子どもを犯す場面はたくさん伏せ字が施されていて、よくわからない。

 

 

刊行されたのが昭和22年なので、検閲での発禁を恐れたのかなあ。わからないな。

 

 

この作品は今東光の著作集にも入っているんだけど、それも未見。


2024-06-15 20:24:00

昨日も書いた『原爆裁判』の本だが、一読してみたところ、そもそも裁判の話がほとんどない。

 

 

巻末に判決文が引用してあって、ページを稼いでる感じで、裁判において三淵が何を考えていたかや、4年にも及んだ裁判での訴訟指揮なんかについてはまったく書いてない。

 

 

前半はアメリカの原爆開発の歴史の話やオッペンハイマーが広島、長崎の残留放射能を否定していたとかいう話で、三淵とは関係ない。

 

 

だからちょっとタイトルに偽りがあるし、どうかと思う出来なんだが、三淵が原爆の国際法での是非を問う裁判に関わっていたことは、この本で初めて分かったから、その点は評価できる。

 

 

それにこの本でわかったこともある。

 

 

大日本帝国は原爆投下直後に、アメリカに対して、国際法に違反する行為だと抗議を行っていること、また東京裁判においても、原爆投下はナチスのユダヤ人虐殺に匹敵する蛮行であるとの指摘があったことなどだ。

 

 

結局アメリカ人はわが国に対して強烈な人種差別意識を持っていて、ああいう下等な連中なんか皆殺しにしても問題ないと考えていたわけだ。

 

そんなことくらい、とっくの昔にわかっていたことかもしれない。何せいまだにアメリカ人は黒人への差別がやまないわけだから。

 

 

確かに強烈な差別意識は戦闘意欲を掻き立てるだろう。何せなんの躊躇もなく人殺しができるわけだからな。原爆も投下できるし、都市への無差別爆撃も躊躇なくできるのだ。

 

差別を徹底することで、アメリカは大東亜戦争に勝ったということになる。

 

 

でも俺は別にアメリカに反感を持っているわけではない。アメリカ様には常々お世話になっているからな。

 


2024-06-14 10:58:00

NHKの連続テレビ小説は『虎に翼』という作品で、女性で初めて弁護士になった三淵嘉子の伝記だ。

 

 

つい先ごろ、毎日ムックからこの三淵が扱った原爆投下の裁判の本『原爆裁判』(山我浩)が出た。

 

アメリカが当時の国際法も無視し、広島と長崎に原爆を投下したことは許されることではない。

 

 

だいたいナチスがユダヤ人を抹殺したことを問題視するなら、広島、長崎の全市民を殺害しようとしたアメリカの蛮行はナチスと何ら変わらないわけだから、当然裁かれなければならない。

 

それなのに、単に戦勝者だからと居直るアメリカ人の言動は見苦しいだけだ。


2024-06-12 12:05:00

井上章一が所長を務める人文研の磯田道史は楽しい本をたくさん書いている。

 

 

なんでも磯田は古文書のたぐいを、まるで普通に新聞を読むスピードで読み進めることができるそうで、超人だな。

 

 

その中でも文春文庫の『江戸の備忘録』には本能寺の変の際の光秀の行動が買いてある。 

 

夜中に洛中に入った光秀は、本能寺に向かう時、通行人は全て斬り殺すように命じたそうだ。

 

 

もちろん通報されてことが破れるのを慮ってのことだ。

 

 

さて本能寺に到着すると、なんと門は開けっぱなしで、門衛は一人しかいない。難なく切り殺して中に入ったのだ。