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古本屋日誌
坂夏樹の「命の救援電車」はわれわれが見捨ててきた空襲のディテールを丹念に掘り起こした労作だ。
大阪大空襲の研究は関西大の小山のものが知られていて、3月10日の東京大空襲に比べて大阪のは死者がずいぶん少ないのは東京では自宅に火がついても逃げずに消そうとして結果逃げ遅れてしまったからだという。
それに対して大阪では既に「東京の空襲では焼夷弾を消せたものではなかった」との情報が伝わっていて、市民は火事になっても消さずに逃げたからだとの話があった。
今回の坂の作品ではあの佐藤栄作が当時大阪鉄道局の局長で「3月13日の夜に大空襲があるから地下鉄の通電を切らないようにしろ‼️」と命じていたことが書いてある。
佐藤がいかなるソースから空襲のことを知ったのか定かではないが、結果として通電されていたから、空襲の最中に3本の地下鉄列車が運行できてたくさんの人命が救われたことになる。
また空襲時、地下軌道内に避難することは禁止されていたが、心斎橋駅では当初閉められてあったゲートを開いて被災者を誘導したことが明らかになった。
それでもしばらくしてまたゲートは閉じてしまい、いくらでも受け入れたわけではないようだが、それでも上からの禁止命令を無視してゲートを開けた駅員や憲兵は大したものだ。
それはさておき大大阪時代の大阪の地下鉄と東京のそれとの違いも書いてあって興味深い。
御堂筋線は当初から10両編成を想定して駅のホームも巨大であったが、東京の地下鉄は線路が曲がりくねっていることもあって3両編成が精一杯だったとある。
この時代の大阪と東京のインフラやビル、町並みを映像で比較したら面白いだろう。
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さくら舎から坂夏樹の「命の救援電車」が出た。
昭和20年3月14日の大阪大空襲時、地下鉄が被災者を梅田方面に運び、迫りくる猛火から救ったとの風聞を追いかけてそれが真実だったことを明らかにした労作だ。
空襲時は電車に通電しないはずだから動かすのは無理ではないかとか、電車が走ったにしてもそれは午前5時の始発電車で、空襲時ではないだろうとか様々な否定的な意見を一つ一つ丹念に調査していったのだから大したものだ。
結局空襲開始の午後11時半くらいはまだ電車の運行時間中で、空襲開始で途中の駅で一時停車していた車両があって、これを空襲真っ最中に梅田に向けて動かして、地下鉄構内に避難していた被災者を乗せたということだ。
この日の空襲ではキタは焼けていないことを初めて知ったなあ。
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百田尚樹のミステリー「野良犬の値段」だが、違和感を覚えるところもあった。
まずホームレスになった面々がハッカー顔負けのネットフリックで警察を手玉に取る展開は不自然ではないか。いくら怒りや果たせぬ社会正義を心に抱いているとはいえ、ゴルゴ13並の能力を持つ犯人はおとぎ話のようにしか感じられない。
またネットに通じた猛者がいくつもの修羅場をかいくぐった真剣師の男と出会って誘拐をくわだてていくのだが、そう都合よく出会えるとは思えない。これもおとぎ話だ。
しかしそれらは瑕瑾とでもいうべきもので、トータルとしてはこの小説はよくできている。
身代金の支払いを拒否したために人質が1人処刑されてしまう。
人質とはいえ、自分の会社とは縁もゆかりもない人物で、当然身代金を支払ういわれなどない。
ところが支払い拒絶したから人命が失われた、責任は拒否した新聞社にあるなどという情緒的な世論が増加したゆえ、新聞の解約が購読者の1%にも及んで、経営陣が震え上がるところなどいかにもありそうな話で興味深い。
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LINEの電話は登録している者同士なら無料で、テレビ電話であってもパケットは使うものの無料だ。無料のWi-Fiのあるところならそれもただになるからありがたい。
先日タイのチェンマイで所帯を構えている友人からLINEのテレビ電話があった。
タイからではなく8ヶ月ほど日本に滞在中だとのことで岐阜の旅先からだった。
何でも去年入国してしばらくしたら例のゴートゥートラベルが始まり「5000円くらいの宿が1500円くらいで泊まれるので面白なってしもて泊まり歩いてるうちに帰国が難しゅうなってしもた」
彼は齢70近いがまだまだ元気で、旅に出ることや和食を楽しむことが趣味だ。
だからゴートゥーに心惹かれて楽しく遊び歩いたのは無理からぬところだ。
長い老後の楽しみ、暇つぶしとして旅行や食べ歩きは私は何ら興味はないけれど、ある人たちには極めて魅力的なのは理解できる。
しかし、今は向こうでは家族が帰りを待ちわびていることもあり早く帰国できればいいのだが、それよりも日本国内に話し相手になれる友人が少なくなっていることが困るようだった。
確かに日本を離れて10年以上も経ったら昔の友人の連絡先も変わってしまっていようし、また人間関係的にも無理を頼める感じではなくなっているだろう。
さっさとコロナ騒動を終わらして老後の小旅行の楽しみが復活できるようにしないといけないよなあ。
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依然として続くコロナ騒動はバカバカしいよなあ。
何よりコロナが危機的だというが、それがそもそもよくわからない。死者数だってインフルエンザに及んでいない。既往症のある高齢者が危険だというがそんなものインフルエンザでも全く同じではないか。
また旅行業や飲食業、医療関係に一方的な負担がかかり、存亡の危機となっているが、われわれを含むほとんど全ての通販サイト、スーパー、運輸業界などはタナボタで、景気も良く収入も増加している。
われわれは何の努力も工夫もしていないのに勝手にいい方向に向いているが、飲食業などの人たちは悪いことなど何もしていないし、それどころか創意工夫に努めているのに倒産の危機に直面している。
バカバカしいほどの理不尽さだよなあ。
古本では確かに通販は便利で読みたいものが決まっている時などは瞬時に注文でき、それがすぐに自宅まで届くわけだ。
しかし長い人生そんなに効率よく何でもスムーズに進んでしまってはありあまった時間の使い道がなくなってしまう。
雰囲気のよい古本屋に出かけて椅子に腰掛けながら、長々と自分好みの本を選んでは読み選んでは読みしてヒマをつぶして、さて購入した本を肴にダラダラスコッチを傾けるという人生がなくなってしまったら、代わりに何をするんだろうか❓
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