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古本屋日誌

2022-02-20 11:06:00

角川文庫の「一私小説書きの日乗」には編集者と揉める話も多い。

平成23年11月9日のくだり。

「新潮文庫版『根津権現裏』三刷の知らせ。

部数の多い同文庫での、発刊四箇月にしての三刷だから、これは一応の成功である。

出版を拒否した二社の責任者に感想を聞いてみたいものだ。文芸編緝者たる者、高い給料に見合った広い視野と、感度の高いアンテナを、すべからく(との使い方は誤用だが)己がうちに備えておいてもらいたいものである。いっときの、現今の一見勝ち馬に媚びへつらう、容易く無難な道を行くばかりが能ではあるまい」

こういうコメントを堂々と書いてしまうようでは編集部との間で軋轢も多かっただろうな。  

ただ西村はこの「すべからく」を誤用としているがもちろん正しい使い方なんだけどね。

 

西村賢太の本は70点くらいは出ているようだ。

 

しかし大半は品切れで新刊書店ではなかなか入手しづらい。

 

大型書店の中には店舗在庫をネットから検索できるシステムを持つチェーンもある。

 

紀伊國屋、ジュンク堂、未来屋、大垣などだ。この中で一番優れているのは大垣書店のもので、欲しい本を入力するとたちどころに画面の下部にその本を読む所蔵している全国の支店名が表示されるのだ。

 

それ以外の書店ではいちいち支店にあたって調べていかなくてはならず、時間と手間がかかり、途中でやる気もなくなる。

ジュンク堂はアプリをダウンロードすると全国の支店と提携の大型書店の在庫がたちどころに表示されることがわかった。これも確かに便利だ。

 

昨日ジュンク堂の高槻店で文春文庫の「小銭をかぞえる」を購入したが、2020年の9月の発行のもので、西村の死後に増刷されたものではなかった。

 

今のところ文春、角川、新潮も増刷しているようには見えない。今抱えている在庫分を書店に出しているように思える。

 

うちに西村の注文で入ってくるのはやはり芥川賞の「苦役列車」が多い。単行本の帯のついたものはもちろん、普通の本でも欲しいという人が多い。

あとは世評の高い「小銭をかぞえる」だな。


2022-02-19 11:16:00

昨日から谷町四丁目の大阪古書会館で古本市。

 

早速行ってみた。参加店には特段の変化はない。横丁、矢野、アジア号、杉本、真木、唯、シルヴァン、ディック、寸心堂、厚生など。

 

変化といえばいつもは横丁が大量の和本を出品していたのだが、今回は全く見当たらずそのスペースは雑書になっている。

 

ここのレジではいつも時間がかかる。本の値段のほかにその出品書店名も同時に打ち込むからなのだ。

 

「350、シルヴァン」「1470、横丁」てな具合で、当然2倍時間がかかるし、打ち間違いも発生する。おまけにレシートは出さない。前もって申し出たら出してくれるのだが、何も言わないと金額だけ請求される。

この前の古本市では「これは高い、もう一回計算してくれ」という客がいて、やり直すと確かに間違っている。

 

「前のお客さんの分がそのままになっていてそこに足したからです」とのことだった。普通の店ではありえないミスだ。

 

先日行ってみた京都古書会館での同様の古本市では値段だけさっさと合算してお会計となっていた。

これが当たり前だろう。

でも5000円買うと300円分ただになるサービスをずっとやっていて、これは京都や神戸にはないもので素晴らしい。

 

大阪古書会館は2階も3階もあるし、一階だって向かって左側は本が並べられてはおらず、かなりのスペースがまだある。

 

ここに椅子を並べて、コーヒやケーキを飲み食いできるスペースがあったらいいといつも思う。

 

それに会館の前にはトラックを付けるスペースがかなりあるので、ここにキッチンカーを横付けしてハンバーガーや飲み物を販売することだってできそうだ。

 

客としては求めた本をすぐに読みたいし、また買うか迷っていた本も腹が膨れると気持ちもふくれて買う気になろうというものだ。

古書会館のすぐ南に「太陽コーヒー」という卸の店があって、以前は古本市に来た客にここで使える割引券を渡していた。

 

ただこの店は豆の卸で、喫茶店ではないから座って飲むスペースは全くない。


2022-02-18 09:03:00

西村賢太の日記が「本の雑誌」にずっと載っている。

単行本もかなり出ていてそのうちの一冊は角川文庫になっている。

その文庫本の平成23年の11月8日のに勝谷誠彦と揉めた話がある。

 

勝谷誠彦が大阪のテレビ局で喋った話を西村が噂で聞きつけた。

 

それはバーで勝谷誠彦が女と飲んでいると西村賢太が突然からんできた。勝谷が「俺はボクシングをやっているぞ」と凄んだところ西村は急におとなしくなって詫びを入れたとのことだった。

 

しかし西村賢太によれば事実はまるで違う。

 

西村がバー「風花」でのことだが「地声のでかい自分は、そこで一人で騒いでいると、突然カウンターの右奥から、あの声のでかい奴はなんなんだ、と云うような聞こえよがしの罵言を浴びせかけられ、その方を向くと、かの評論家がこちらを好戦的な目で見ているので、仕方なく立ち上がって歩み寄り、ハッキリした用向きをお尋ねするべく、胸倉を掴んでねじり上げてやったのである」となる。

 

結局勝谷は最後には自分が経営しているうどん屋の名刺を西村に差し出して「食べに来てくれ」と言って終わるのだ。

安藤昇のエッセイみたいな話だよな。

 

ナンバシティの南館一階に居酒屋「佐海たちばな」がある。

呑んで食べれる美味しい居酒屋でもあるし、ランチは豪快な天丼が出る。

 

うまい料理なんだが、ビールを呑んでしまうとすぐに腹がいっぱいになってしまうという問題がある。

それでここへ行く時は一食抜いて、その前に運動してからにしている。

昨日長居の自然史博物館に嫁と出向いて特別展「植物」を見た。

昼ごはんは食べず、御堂筋線の長居から寒風吹き荒ぶ中一キロ近く歩いたし、博物館の入り口は2階にあるのでエレベーターも使わず自分足で上がり、1500円✖️2を支払って見学した。

世界最大の花、ラフレシアの実物模型や巨大なこんにゃくの花、そこから立ち上る匂いを嗅ぐことができる装置などなかなか興味深い。

しかしそれはつけたりでしかなく、1時間ほどで切り上げてまた風が強い中長居の駅までとぼとぼ歩いて、地下鉄でナンバシティに出向き、「たちばな」。

 


2022-02-16 12:10:00

5時過ぎにまた熊野寮の受付に出向いて

「5時に寮自治会の委員長に会う約束で来ました。日能研労働組合のものですが」と居合わせた女に案内を乞うた。

しかし連絡がついておらなくて

「…………」と沈黙のまま睨みつけられる。

仕方ないのでまた名刺を出して「委員会の人にな、ちょっと頼みたいことあるんや、さっき来たらおらなんださかい、5時やったら帰ってる言われたんやけどな」てな話をしてようやく食堂に案内された。

 

文学部の学生だという委員長に自分は元寮生で、今は日能研関西で働いているのだが、その塾で60なると年収が6割に下げられてしまう、そこで神戸地裁に訴訟を提起したんだが裁判費用がかかる、ついては学生にいらない本を売ってもらえるよう呼びかけてはもらえないか❓と話をしてみた。

 

また趣旨を書いたビラも手渡した。

 

ビラには裁判の趣旨に加えて、不要な本を売ってもらいたいとの話、連絡先はここですと携帯番号も記しておいた。

 

「あーなるほど、それは確かに困りますね。持ってこられたビラをこの食堂に貼っておきますわ」

寮の食堂の壁にはさまざまなチラシやビラが所狭しと貼られている。

そんなところにまた一枚貼ってもらったところで誰も見ないだろうし、意味があるとも思えない。

「文学部の学友会でおんなじ話をしてはもらえないかな❓文学部の学生やったらいろいろ本を読んでいるやろうし、不要になったのもある思うねんけど」

と粘ってみた。

「ちょっと考えてみます」との返事だった。

さて結局この話の結末だが熊野寮に出向いてから一年にはなるが電話や問い合わせは全くなかったね。ただの一本も。

学生も忙しいし、興味のないことに割く時間などないということだよな。

 

 


2022-02-14 15:50:00

以前中学受験の進学塾の日能研関西の裁判があった。

 

この塾の非常勤の社会の先生が60才になって雇用延長となったのだが、時給が8割、担当時間数も減らされて結局年収では6割くらいになってしまった。

 

講師は授業だけ担当する仕事だから雇用延長となっても行うと業務はなんら変わらない、それにもかかわらず時給が減らされるのは不当だと神戸地方裁判所に日能研関西を訴えたのだ。

 

この裁判は神戸地裁では「下がった時給にサインしているから、同意したものと考えられる」などという理由で認められなかった。

 

裁判官てバカだよなあ、同意してないから訴えてるわけだから判決はそもそも、理由になっていない。

 

そのあと大阪高裁では和解となり時給を上乗せすることで決着した。

 

その過程で裁判費用がかかる(依頼した弁護士には手付金で20万くらいは払っている)し、それを賄うのに本を学生から買い取って販売するのはどうかと私が思い立った。

 

学生が本を売ってくれるかわからないが、うまくいけばうちの古本屋の利益にもつながるかもしれないなどという下品な思いつきもあった。

 

それで学生時代に住んでいた京都大学の熊野寮に出向くことにした。

 

 

学生寮に住んでいる学生は輪をかけて勉強はしない。これは昔からそうだった。

 

元から悪い頭がますます鈍磨し、酒ぴたりで麻痺してくるものだ。

 

それでも元の寮生だと通じれば話は聞いてくれるだろうし、以前日能研関西の労働組合の委員長が呼ばれて熊野寮で、講演をしたこともあるのだ。この委員長も元寮生なわけだ。

 

その辺りの繋がりからとりあえず頼んでみることにした。

 

突然行っても怪しまれるから日能研関西の労働組合の副委員長の名刺を持って行って(これはデタラメではありません、実際そうなんです)

案内を乞うた。

玄関の横に事務室があるのでそこにいる学生に名刺を差し出して

「委員会の人に会いたいんやけどな、俺はもともとここの寮生だったものなんや。」

館内放送で呼び出してもらったが折悪しく不在で、

「確か5時には寮に戻るゆうてましたわ」

との話があったので、またその時分にお邪魔することにして一旦近所の茶店に入って時間を潰した。