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古本屋日誌
今朝は一段と春めいていて、快晴で朝方は寒かったが気温はぐんぐん上がり行楽日和です。
先日
かんさい熱視線「南海トラフ巨大地震 “津波最前線”の町は今」
というNHKのドキュメンタリー番組がありました。今後30年以内に南海トラフ大地震が起きる確率は80パーセントあるので、それに備えて町ごと高台に移転しようというプロジェクトを進めている和歌山県の太地町やすさみ町の話でした。
大地震が起きる確率の話は根拠がデタラメで過去数回続けて地震があったというだけで、何の説得力もない。小学校から確率の勉強をやり直したらどうなんだ。これはどこからどう見てもナオミクラインのいう「ショックドクトリン」だろう。
高台移転には国から7割の補助が出るわけで町の予算をはるかに超える移転費もまかなえて、大規模土木事業の旨みが味わえるし、雇用も呼び込める。町を一からデザインできる楽しみもある。何より地震が来るという大義名分があるから家を破壊し、インフラを移設するという従来なら意義を丁寧に説明し、何年もかけて地上げしていた手間が一挙に片付く。
世間ではとにかく人命が唯一無二の価値となったいる風潮も「ショックドクトリン」には追い風だ。その町で長年かけて作り上げてきた思い出や潮風や磯の香を感じながら生きる生活などは人命という唯一無二の絶対価値に比べたら吹けば飛ぶようなもんでしょう、こういう話にいつのまにかなっていて異論は許されない。
お客さんは本も買いに来るけど世間話をしに来るので、勢い話が長なってなぜか将棋盤を持ち出して対局することになり、レジに別の客が本を持ってきたら将棋盤を退けて「よう、お越し」となる。
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今朝は昨日の昼からの雨も上がり、どんよりとした冬らしい天気で肌寒い。
中公新書の新田潤美「階級にとりつかれた人々」を入手しました。階級社会イギリスの姿を余すところなく活写した名作です、ぜひ求め下さい。2カ所ほど赤い線引きがございます。著者はイギリスのミドルクラスの子弟が通う学校に通学していたが初めに通ったところは中産階級でもアッパーミドルの学校で英語の話し方も微妙に違い、テーブルマナーも独特でデザートもたとえアイスクリームだったとしてもスプーンだけで食べることははしたないとされてナイフとフォークを使うように言われたりしたが、やがて転校した学校ではそういうことはなく、さらに転校した学校では最初の学校と同じようなマナーが教えられたという。
アイスクリームをスプーンで食べないというのは合理的な思考ができていない証拠でイギリスの中産階級はバカなのではないかと思うけどね。まあ王室などという身分制度をありがたがっている段階で思考が硬直化していると思うから当然ではあるね。
階級にこだわることは差別を固定化したい欲望なんだが、差別自体は悪いことばかりではなくいわゆる
ノブレス・オブリージュ
が差別ゆえに考えられていて、上のものが我が身を犠牲にしても下のものを指導していく姿勢や、戦時にはそれこそ文字通り死を厭わず勇敢に戦うわけだから、日本の金儲けしか頭にない金持ち連中とは違いますな。
今朝はやはり花曇りで霞がたなびき、気温も高うなって春たけなわです。
このところ「新明解国語辞典第4版」がないか?と聞いて来られるお客さんが多くて、「そうですね、あんまり見ませんね、見つけたらご連絡しますわ」と型どおりのお答えを返しています。4版は7刷までが「動物園」の語釈がかなり個性的で、さる筋からのクレームで変更されてしまった経緯があります。
このところ4版はえらい高騰してます、お持ちの方はぜひお売り下さいませ〜
さて4版の動物園の説明は次のようになっています。
「生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする,人間中心の施設。」というやつなんですが、確かに飼い殺しにするなどといういささか穏当ではないけれど、世間の皆様が心のどこかで抱いている動物園への思いを活字にしてみせたとも言えますね。
旭山動物園の園長だった小菅正夫はクマの縄張りを論じた文章をものしていて、その主張をまとめてみます。
クマの縄張りはその生き物が最低限継続して生きていけるだけの広さのことで、北海道のヒグマは道内に針葉樹が多くて食料の確保がままならないために広大なエリアを縄張りとしている。ところがアラスカのクマは食料資源が潤沢なために狭いエリアで事足れりとなっている。
ひるがえって動物園のクマも実は檻の中を縄張りだと認識しているのだ。それが証拠に必ず檻でマーキングをして「ここは俺のエリアだから入ってくるな‼️」と主張する。
つまり動物園の檻というのは決して動物を監禁するものなんかではなく北海道の広大な原野やアラスカの大地同様の位置付けができるんだということです。
なーるほどね、小菅正夫としては新明解国語辞典のような主張は我慢ならんのでしょう。それはわかります。
ただ小菅正夫は旭山動物園でその動物の自然の姿を客に見てもらいたいということでペンギンの生態展示をしていますね。大きな水槽の中にペンギンが入っていて、水の中を融通無碍に四方八方自由にまるで空を駆け抜けるように自由に泳ぎ回るペンギンをわれわれ人間は水中の透明の通路から拝見する仕組みで、確かに楽しそうに泳ぐペンギンを拝めます。確かにペンギンは住んでいる南氷洋に近い展示なんでしょうがクマは北海道でもアラスカでも原野でも荒野でもなく檻の中というのは不公平に思えるなあ。
今朝は春霞がたなびく陽気で気温もたこなって風も穏やかです。
中島らもがかつて朝日新聞に人生相談相談を連載していてなかなか面白く、その後を継いだ車谷長吉のやつもためになるお話がいっぱい載っていて素晴らしかった。中島らもやつで相談者が「昨日三回もババをしてしまいました、どないしたらええねやろ?」というのがあってらもは「ご先祖様に謝れ‼︎」と答えていた。
そうなのかあ、1日に3回してしまうのは親不孝、それもご先祖様に謝らなあかんくらいの重大な規律違反なのかとびっくりしました。翻って私が結核に罹患して寝屋川市にある「大阪病院」に隔離された時に毎朝看護婦から「あのなあ、昨日のお通じは何回あったんや?」と聞かれて相部屋で6人の相憐れむのメンツがいたんですが「3回や」「4回や」てな答えが多かったので、看護婦に「あのなあ3回て多ないか?そないにせなあかんもんなんか?」と聞いてみたら「ご飯の後にじきにやんのは下品やで」とか言うので回数は問題なく時間帯が問題だと知らされました。


