Welcome
古本屋日誌
今日も大阪古書会館では古本市だ。それにしても古本屋の仕事で一番問題なのが仕入れだ。
他の業種ではどう売っていくかが問題なんだろうが、こと古本業界に限ってはいい本は必ず売れるので、売り方は大した問題ではない。趣味的な問題でしかない。
やはり本をどこから入手するかが最大の課題なのだ。
お客さんから買い取ればいいやないかと思われるだろうけど、そう簡単ではない。
以前和本をたくさん持っているお客さんのところに出向いたことがある。
節用集や名所図会などもあったが、それ以外に20年くらい前の実用書や歴史書が2000冊くらいあって「ええもんやろ❗️キバって買い取りしてや❗️」とおっしゃる。
私にはよくわからない本ばかりなので値のつけようもない。
「いやあーちょっともわからしまへんわ、どないしましょ」
「古本屋やのに、わからんのかいな」とおっしゃるが、当然わからない。
わかるわけがない。
てなわけで客からの買い取りもなかなか難しいものだ。
今日から谷町四丁目の大阪古書会館で古本市、早速朝から行ってみた。
京阪電車の株主優待定期券を手に入れたい。去年は12月26日に58000円で、その次は7月2日に62000円で手に入れた。
昨日はハルカス美術館でやっている「福富太郎コレクション展」に行ってみた。
福富はキャバレーの経営者で銀座にも「ハリウッド」と銘打ったキャバレーをオープンさせその利益で様々な絵画をコレクションしていた。
鏑木清方のはその中でも有名だが、伊東深水の絵も実はあるのだ。
それは「戸外は春雨」と題された巻物状の連続画でキャバレーの楽屋や舞台袖の様子が活写されている。
福富の経営していたキャバレーもそうだが、客を入れるホールや生バンドを入れてのショーが行われる舞台は驚くほどきらびやかで、異空間といっていいものだ。
ところがその舞台裏はショーを終えてあられもない姿のまま腰に手を当てて咥えタバコのホステスたちや、難しい顔をして舞台や客席を覗き込む経営者と思しき男の姿があるのだ。
ミュージアムショップでは図録とともに2018年に出た今井晶子の「キャバレー、ダンスホールの20世紀」も売られている。こちらはミナミの「ミス大阪」や「ユニバース」東京の「ハリウッド」の内装が取り上げてある。
私は「ミス大阪」が好きで何回も出向いているのだが、表から入ると段差もなくどんつきの舞台まで遮るものもなく見渡せる解放感を感じるはものの、店内は薄暗く、くすんだ落ち着いた雰囲気だ。
ところがこの本ではそれこそあたう限りの照明を使い、カメラの角度も工夫してこれまで見たこともない灼熱のトロピカルな空間が切り取られているのだ。
だから今回展示中の伊東深水の絵とはまるっきり反対の世界がそこにはあって面白い。
生活保護を受給している人をバッシングする風潮があるよな。
自分が負担した税金から保護費が出ているのに、パチンコやギャンブルに使っているとか、不正な受給を受けているものがいるというやつだ。
でもこの手の批判は必ず自分より下の連中にだけ向けられるという、不思議さがある。
毎日汗水垂らして仕事に励んでいるのにあいつらは何をしとるんや❗️というのは会社の経営者や株で儲けている連中や、マンションを所有して不労所得をたんまり得ている見苦しい輩に向けられてもおかしくないだろう。
でもそうはならないんだよな。
俳優やタレントもまともな仕事をしているわけでもないのに、法外な所得を得ているわけだから批判があっても然るべきだがそうならない。
でもこれは現代の特徴であって、これら芸人風情はずっと河原ものと蔑まれて「あの芸人がどれだけ金を稼いでるのか知らんけど、そいつらの稼ぐ金と俺が汗水垂らして稼ぎ出す金は根本的に値打ちが違う」という価値観が一般的だった。これは山本夏彦や山城新伍が縷々述べていたことだ。
サッカー選手やプロ野球で何億円もの収入を得ている連中も「たかがサッカーや、野球みたいなガキでも出来ることを大の大人がしてるだけやないか」という批判は当然成り立つ。現に設立当初のプロ野球はそのような批判にさらされていたことは井上章一の述べるところだ。でも現代ではその批判は見られない。
例のMMTの価値観では税金を原資として国の様々な財政支出(公務員の人件費も含まれます)がなされるというのは間違いだとなる。
管理通貨制度の下では国は何もないところから金を生み出すことができる。税金はあまりにも金が市中に溢れてインフラになるのを防ぐために回収しているだけということだ。