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古本屋日誌
今日から30日まで阪神百貨店で古本市だ。
早速朝から行ってみた。
コロナ騒ぎの影響でこのところずっと開店前はガードマンが誘導してローブを張り客を一列に並べて待たせている。
それも単に行列させるのではなく30人程度列ができるとその後ろに間隔を取ってまた並ばせている。
エレベーターも5人までにしてくれとの表示が床に立ち位置まで指定して書いてあるのだが、特段守られているようには見えない。もちろん守る必要のないルールであるのは間違いない。
今回の古本市は喫茶店も併設されていてずらりと椅子を並べたカウンター席の他に丸テーブルを囲むスタンディングスタイルのもある。
コーヒーに加えて「ろうそくケーキ」と銘打ってスポンジの上にイチゴを乗せて生クリームをたらしたケーキが450円で出ている。
大阪、京都、神戸の古本屋に加えて三重や富山の古本屋も参加している。
大阪は半分は無店舗で、不思議なことに無店舗の方が安い値段が付いている。日頃は通販でそれなりの利益を得ているので、たまの即売会では安売りをするのかもしれない。
でも古本屋ていうのはだいたいは一山当ててやろうてなことを考えていて、相手を出し抜いてやろうというスタンスの人が多い。
本が好きで好きで、本に囲まれて生活できれば御の字だというような古本バカみたいな人はあんまりいないよな。
今日から箕面のメイプルホールで古本市だ。
早速朝から行ってみた。
というのも大阪で金持ちが居住しているのはまず箕面であり、高槻の北部であり、中之島であることはよく知られている。
橘木俊詔の「日本のお金持ち研究」によるのだが、やはり金持ちはそれなりに本も読むだろうからいい本もあろうかと思うからだ。
それにこの古本市を主宰しているのは「豊能障害者労働センター」で、営利企業ではあるが、我々のように利益しか求めない古本屋ではないから、お客さんも半ばボランティア精神でいい本を売っている可能性がある。
さて古本市の内容だが古本だけでなく、レコード、DVD、児童書、たくさんのネクタイ、オモチャ、プラモデルなどもあった。
先年小学館から「蘇った古代の木乃伊」が出た。
高槻市の阿武山の山頂で昭和9年に見つかった古墳の被葬者が藤原鎌足であるのを確定する話だ。
未盗掘の古墳で、全身の骨格のみならず、内臓や皮膚の一部まで残っていたし、金糸を使った冠や当時としては貴重品のガラス玉を使った枕なども発見された。
大発見が報じられるや、一眼見たいと見学者が大挙して訪れて現場は混乱し、また皇族の墓ではないかとの可能性も出て、不敬にあたるのではないかとの配慮から憲兵隊が出て墓を埋め戻したのだ。
興味深いのは石槨内にあった木製の柩をまて石槨に戻す際、八瀬童子が駆り出されたことだ。
比叡山麓に代々住まう「八瀬童子」といわれる人たちは伝統として天皇の死去の際その棺桶を担ぐのを生業としていてそれが昭和9年にも伝えられていたわけだ。
このことは猪瀬直樹がその著作でも述べていたことで、昭和天皇が死んだ際にも宮内庁から要請はなかったが、八瀬童子側から参加したいとの申し入れがあったのだ。
今年は同年配の友人が2人も亡くなった。まだ2人とも五十代で老け込むような歳には見えなかっただけにショックだったなあ。
去年は父親が亡くなったが87だったし、長患いの末だったから来るべきものが来たなあと少し距離を置いてみることができた。
しかし歳も近かったり、歳下だったりした人が死んでしまうのは驚くしかない。
このうちの1人はまだ50に手が届くくらいの女で去年の春に余命宣告をされていたことを亡くなってから知った。
そんなことはおくびにも出さず、仕事に励んでいた。
亡くなる2月前に職場に「リクローおじさんのチーズケーキ」を持って来てナイフで小分けにしては居合わせた同僚に配っていた。
「やっぱりチーズケーキはこれですよね」という。
よく知らないという人には「知りはりませんか❗️難波の戎橋筋入ったとこに以前は店があってよう行列してたんですよ」と講釈まで垂れていた。
翌日、お礼をと思って近鉄上本町駅の地下にあるパン屋のクリームパンを彼女に持って行ったら
「あーこのパンは美味しいて有名なやつですよね❗️」と喜んでくれた。
そのあと体調が悪くなって職場の控え室で机に突っ伏してしまい、その日は仕事を休んで帰宅したこともあった。
後でその日はの話を本人にしたら
「ちょっと貧血だったんです。でもあの時は私が机に顔をつけていたら、周りの人が『あんたいけんのか❓えらい青い顔しとんで❗️』と心配してもうたんです」と言う。
もうその頃はひどい状態だったろうに、精神的に強いひとだった。
先日、劇画の平田弘史が亡くなった。
平田は1960年代初頭に大阪の日の丸文庫から「血だるま剣法」を出して部落解放同盟からの抗議を受けて、本の回収、絶版という筆禍を被った。
この本はようやく2004年に一部伏せ字を施した上で青林工藝舎から復刻がでた。
それまでは読みたくてもなかなか読めず、私は奈良の古本屋の五輪書の目録にこの本が10万円で出ているのを見つけて申し込んだが抽選に外れた。
その後ヤフオクで出ているのを見つけて8万円で落札したが入手後読んでいると何箇所も落丁がある。
下鴨の旧家が出品していたのだが「いやーこの本は大事にしていたので欠損があるとは思わなんだわ」とのことでなかなかうまくいかない。
仕方ないのでいろいろ調べたら東京の大宅壮一文庫が持っていることがわかったので、わざわざ東京くんだりまで出向いてコピーさしてもらいましたよ。
ただ、平田弘史にはもう一つ天理教の開祖の中山みきの伝記がある。
これは天理教の新聞に連載されていたのだが、なぜか途中で打ち切りになり本にもなっていない。