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古本屋日誌
2022-01-09 20:43:00
ナショナルの松下幸之助が例の二股ソケットを発明したはものの、売れずに困って四天王寺に露天を出した話はこれまでもよく語られていた。
従来の話は折りから通りかかった水戸の三木啓次郎が
「それは何を売ってんのや❓と幸之助に話しかけてきた。
幸之助は
「これはえらい便利なもので絶対売れる思いますねやが、資金が苦しゅうて苦しゅうて弱っとりまんね」というようなやりとりがあったとする。
しかし北川央は四天王寺に露天を出していたところヤクザにからまれてしまった。そこへたまたま居合わせた三木啓次郎が助ける形になって付き合いが始まったとするのだ。
幸之助は二十歳を越していたし、縁日もそうなんだが寺社の香具師はヤクザが場割りをすることを知らないはずはない。
そこへ勝手に店を出したら揉めるのは当たり前だ。しかし一方で人情紙風船の今日とは違い、すごまれた後で事情も聞かれて、おそらくはまともな身なりすらしていなかったであろう幸之助は大いに同情してもらえたであろうことも間違いない。