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古本屋日誌

2022-01-05 15:53:00

新潮新書から北川央の「大坂城」が出た。

北川は大阪城天守閣の館長を務める。大阪城の本はいろいろ出ているがどれもおんなじようなことしか書いてなくて紙のムダと思っていたが、この本は長年の研究成果を惜しみなく盛り込んだ面白い本だ。

例の、堺の南宋寺にある徳川家康の墓については、以前からあった墓を改装するにあたっての碑文が載っている。

碑文によれば、大坂夏の陣の際家康は討ち取られて命を落として南宋寺に葬られたのだそうで、その正しさを当時の堺市長やナショナルの松下幸之助が保証するということだ。

堺市長であれ松下なんとかごときが保証したところで誰が信じるのかバカバカしい限りではある。

ただ面白いのはそこではない。

実はこの碑文を建てる時に金を出したのは松下幸之助なんだが、それを幸之助に持ちかけたのは水戸徳川家の家老の子孫である三木啓次郎という人物なのだ。

なんでも幸之助が二股ソケットを四天王寺境内で戸板を敷いて販売していたら、ヤクザに因縁つけられた。

そこへ偶然通りかかったのが三木啓次郎でヤクザを追い払って幸之助を助けた。恩義を感じた幸之助は三木の願いは何でも叶えたんだそうだ。

水戸の家老の筋とはいえ、ヤクザ相手に喧嘩を売るとはそもそも何者なんだろう。

それ以上に水戸の徳川家が偉大なる家康が大阪で殺されたんだと主張し、墓を改築し碑文まで建てる意図は何なんだろうか❓