Welcome
古本屋日誌
今日は8時前に起きたが、不思議なことに涼しい。関東沖合に弱い台風があって、反時計回りの北風が吹き込んできているのかもしれない。
ごもくを出して、プリンと牛乳で朝ごはん。
何通かクリックポストで発送する本を持って8時半ごろ家を出て、ポスト投函してから萱島、枚方市、プレミアムカーで9時半過ぎに出町柳。
京都も曇り空で、気温も低く、吹きつけてくる風も涼を運んでくれるという異常気象で、これなら確かに「納涼古本まつり」といえそうだ。
例年照りつける太陽光線、襲ってくるかぁ、ひといきれや体臭、汗の臭いなどに悩まされてがまん大会みたいになっているのがウソのようだ。
糺の森に向かう人もたくさんいて、古本まつり初日という感じだな。
さて、会場に到着し、橋を渡ったところに置いてある会場地図をもらう。
南の端は喫茶コーナーで、500円でコーヒーやレーコーが飲めるほか、焼き鳥、フランクフルト、かき氷(400円)、ジュース、ビールなどを販売している。
横には床几がテントがけしたところに並んでいて、座って一休みできるようになっていた。
そのすぐ北側には「小町書店」があって、例によって1冊300円、5冊なら800円でいろんな文庫、新書、単行本を売っている。
いつも思うことだが、このお店は商売上手だね。
そんなに都合よく欲しい本が5冊も見つかることはないから、「うーん、二冊やったら600円か、あと3冊こうてもプラス200円だから、探してみようか」となって、要らん本まで買うてしまうし、滞在時間も長くなって、客がたかっている。
だいぶ北の方に上がると『赤尾照文堂』があって、やはり平台にたくさんの文庫本を並べている。岩波文庫の『南総里見八犬伝』全10巻揃、化粧箱付、講談社文芸文庫の山田稔(1000円)、田中小実昌の『アメン父』(1200円)ちくま文庫の『現代民話考』(1冊欠で30000円)なんかもあった。
さらに上がると、「三密堂書店」のブースがあって、いつものように文庫を1冊150円で、テントがけした平台にたくさん並べている。立花隆の『天皇と東大』何冊か、河出文庫の『美空ひばり』なんかも並んでいる。レジ横には少し前に出た『祇園祭細見 改訂版』(2500円)も置いてある。
他に、1冊200円で、いろんな単行本を並べているほか、テント内には岩波文庫の『日本切支丹宗門史』全3巻揃(3500円)とか、最近新訳が出た、ガリレオの『天文対話』全2巻揃、角川文庫の『信長公記』(2000円)中公文庫の『秘境西域八年の潜行』(下巻のみ、800円)などもあった。
一番北側には大きい平台が2台並んでいて、たくさんの単行本が500円均一で並んでいて、中には『レーニン全集』が20冊くらいあった。
この北側は自転車置き場になっていて、例年よりもたくさんの自転車が並んでいる。
さて左側に移って、「小亀屋」のブースがあって、横長の平台が3台並んでいて、岩波文庫、講談社学術文庫なども並んでいる。文春文庫の『回想』全2巻揃(1200円)などもあった。
今回の古本まつりは現銀のほか、PayPayが大半の店で使えるようになっていて便利だと思ったな。
また本部テントでは、このイベントの主催者である、京都古書研究会が、創立50周年を来年迎えるとのことで、記念グッズの販売があるとのことだった。
5月のみやこメッセの古書大即売会は、俺の印象だが、骨董品をあつかう市みたいになっていたが、今回の古本まつりはさすがに、安い本もたくさん並んでいた。
均一で本を販売しているお店もたくさんあって、これはイベントでの基本となっているのだろう。
今日の賑わいを見ていると、「イベントをやるとお客さんもたくさん来てくれて、本も売れるのに、店売りではなかなかそうはいかない」という古本屋の悩みを改めて実感させられる。
とりわけ京都の人は、下鴨と10末の百万遍でしか本は買わないという、よくわからん方が相当数いるのではなかろうか。
たくさんの人が、争うように本棚に目を走らせていて、自分もうっかり乗せられて買うてしまう。
下鴨は脳みそもとろけそうな暑さだし、百万遍も手も足もかじかむくらい寒い。
もう、神経も何も麻痺してしまって、欲しい本なのか、要らん本なのかの区別もどうでも良くなってしまう、そういうスタイルがお好みなのだろう。
また俺が注目していたのは、珍しい文庫本がどれくらいの並んでいるのか、ということだが、予想通りそれは大したことはなかった。
そういう本は店でも売れるし、通販で扱いやすい商材だから、わざわざ下鴨まで運んで売ったりはしないのだろう。
今日は月曜日で、7時くらいには起きて、メロンパン、クロワッサン、牛乳で朝ごはん。
前の晩に用意しておいた本を梱包して、印刷、宛名書きをして出荷の準備をする。
明日から週末までAmazonなどの出荷をしない設定にしてあるので、出来るだけ、今日中に全て出荷してしまいたい。
なんとか10時過ぎに完成して、すぐに郵便局にお願いに出向く。
先日、京都の知り合いの古本屋(店舗を構えている)と話す機会があった。
「不思議なことなんやけど、イベント(古本まつりなんかのこと)を打つと本はかなり売れるんやな。
お客さんもそんな時に慌てて買わいでもええ、思うねんけど不思議なこっちゃ。店売りは大して上がらへんのになあ。だいたい古本市でがいに本買うんやったら、普段店に来て買うてくれたらええのになあ。」
「そういうもんなん❓下鴨なんか暑いし、人は多いし、雰囲気に乗せられて、せっかく来たんやからと要らん本まで買うてまうお客さんもおるよね。ほたらイベントはやらなしゃーないな」
「でもな、売れへん時もあるし、こしらえが手間かかってもうて、俺は邪魔くさい思てる。」
「イベントのためのイベントみたいになってるわけやね」
「そう、そういう時もあるんよ。」
うちの最寄りの萱島には新刊書店がない。
一つ向こうの寝屋川市駅には商店街に老舗の書店と駅前ロータリーのイズミヤに本屋がある。
しかし規模は大したものではなく、準急で守口まで行くと、京阪百貨店の7階、食堂街の一角に「くまざわ書店」があってここはかなり大きい。
雑誌もたくさんあるし、新刊コーナーも漫画のみならず、いろんなジャンルの書籍が目立つように並べてある。
また朝日、日経、毎日の書評が拡大コピーして掲げてあって、その下の本棚には在庫のある本がズラリと並んでいるし、先週の書評で取り上げられていた本も、その旨明示して並べられている。
また絵本や児童書コーナーには大きい木目の机と椅子が備えてあって、本を座ってチェックすることができる。
以前なら、ジュンク堂の天満橋店にも本を座って確かめられる椅子が備えてあったが、いまは取り払われてしまっているから、くまざわ書店の試みは大したものだ。
7階は食堂街なので、こうた本をじっくり読める喫茶店もある。
今日は8時くらいに起きて、ごもくを出した後、ヨーグルト、牛乳、シナモンドーナツで朝ご飯。
すぐに注文品の梱包作業をして10時くらいに郵便局にお願いに行った。
家に戻ってしばらく休憩、今日も容赦なくおてらしがあって、大変だ。
昼前に萱島、枚方で特急に乗り換えて三条。26日まで三条河原町下ルの丸善地下二階で小規模な古本市が開催中だ。
エアコンの効いた涼しい環境をほぼ1ヶ月レンタルでき、レジは丸善の人が入ってくれているようで、それでも商売として成り立つわけだから素晴らしい。
俺の見るところ値段は特に安い感じはしない、高くもない普通の値付け。
例えばヤフオクとか、Amazonでも同じくらいの値段で入手出来るのだが、やはり実際に手に取ってコンディションなども確かめて、立ち読みなどもちょっとしてから買いたいというお客さんもいるのだろう。
また新刊がたくさん並ぶ丸善の一角というのも、良い環境だ。
お目当ての本を丸善で買うてから、ちょっと目移りして古本市にも足を運ぶ人もいるだろう。
河原町通り沿いにはOPAにブックオフがあるし、三条京阪も近い。
今、この古本市とブックオフOPA、三条駅ビル店の本を比べてみると(本の量はもちろんブックオフが圧倒している。)丸善へんちなんまへーんの方が、俺には優れていると見える。
普通の古本屋はわがままで、専門でない本は引き取ってくれなかったりしたすげないことがしばしばある。
その点ブックオフなら、たいてい引き取ってくれるからお客さんにとっては便利な感じがするけどね。
やはり京都のお客さんは、変なこだわりがあって、ブックオフなんぞに売りたくない、昔から馴染みの〇〇書房にまかせとるんや、ゆうものかもしれない。
ご指名のあった〇〇書房も、「あのお客さんの本は何でも引き受けな、しゃあない。もう三代に亘ってお付き合いさしてもうたるさかいに」という具合で、自分の店に合わない本は業者の市に出すとか、古本市でさばいてしまうとか、あるいはいっそ潰しにするとかしているのかもしれない。
飛鳥新社からデイリースポーツのデスクの西岡誠の『7657日の孤独』が出た。
タイガースの監督だった岡田の日常を描いたものだ。早速、紀伊國屋、梅田店で求めて一読、物足りなさが残る。
西岡は江川騒動でタイガースに移籍してきた小林の、例の「タイガースに歴史はあるが、伝統はない」を引用して、暗黒時代とも絡めて話を進めているのだが、本当にバカだよなあ。
小林の言葉など、俺には違和感しかない。
マンガ『巨人の星』の花形満をみてもすぐわかるように、ジャイアンツの9連覇の時代、タイガースは輝いて見えていた。
勝つことしか考えない、幼稚で、下品なジャイアンツには、どんな伝統があるというのだろう。江夏豊や村山が、王や長島から記録となる三振を奪いたいがために、あれこれ工夫して、その前のバッターは適当に打たして三振は奪わないという芸当を見せていたのが、面白かったし、プロらしい行為だと子どもながらに感じたよ。
それにしても、この本はこれまでよく謎めいていた試合の真実をいくつも取材で明かしているところがあって、素晴らしい。
まず2023年6月に佐藤が2軍降格となった事件。
6月23日の横浜戦で2三振、翌日はスタメンを外されて試合にも出なかった。そしてその24日の試合後に2軍降格を岡田は告げているのだ。
不調が原因なら前日に告げてもいいところが、1日遅れている。
これは、この本によれば24日の試合中、佐藤がベンチにもおらず、ロッカールームでテレビを見ていた、その報告を受けた岡田が「こら、アカンわ」と決断したのだという。
この事件に関しては、これまで『月刊タイガース』で取り上げられたことがあったが、佐藤がベンチから応援の声を上げていなかったのが原因となっていた。
また2005年の9月8日のドラゴンズ戦の9回裏、ワンアウト満塁のピンチを迎えていた久保田のところに、岡田は歩み寄って何か言葉をかけている。
これまでは「もうむちゃくちゃしたれ、責任は俺がとる」だとされていた。しかし、むちゃくちゃの意味がわからないね。
西岡が、直接久保田に取材したところ、「こんな試合はどうでもエエ。(デッドボールを)ぶつけて終わらせてしまってもエエから。責任は俺が取るから」だったという。
久保田は「矢野さんのサインはオールインハイの直球でした」とも明かし、結局、ウッズも含めて連続三振に取った。
さらに2008年のV逸のこと。
10月3日、神宮でのスワローズ戦、安藤が6回まで無失点に抑えて5-0でリードを奪う。
球数もまだ80くらいだったが、岡田は4日後のジャイアンツ戦を考えて、安藤を降板させ、7回からJFKを投入して逃げ切りを図ったが、何と2回で7失点してしまい敗れた。
西岡によればここから岡田は「先読みして失敗した」と総括して、例の「普通にやる」教訓を得たのではないかという。