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古本屋日誌
昨日の晩、深夜だろうが、雷が長時間続き、雨も激しかった。そのため今朝は大分涼しくなった。
出荷してから、嫁と天王寺動物園に出向き、帰り新世界のだるまで串カツを食べた。
ただ、酒を飲むとそれが引き金になって気管支喘息が出ることがあって、困ったことだ。
数年前の5月1日からのみやこメッセでの古本市、毎年初日に出向いているのだが、思い出したことがある。
入り口のすぐ右手に、手荷物預り所があって、たくさん買うた人たちが、一時預かりをしてもらい、まだハンティングにもどれるようになっている。
その係りの人は、参加の古本屋が交代で務めているのだが、ふと知人を認めて「〇〇さん、今日はせどりか❓」と大きな声をあげて、真剣に問いただしている。聞かれた人は40代くらいの男性なんだが、困ったような感じで、なにも応えない。
すると、「だから、せどりなんか❗️なあ」とまた問い詰めている。
おちょくってゆうてるわけではないところが、恐ろしい。
せどりは古本屋が欲しい本を仕入れる際によくやる手法なんだが、毛嫌いする古本屋もあるようだ。
しかし京都の古本屋の人たちは、例えば破産する前の、天牛堺書店の各店舗をつらって、車で乗り付けてせどりをしていた。
それに、この時の、みやこメッセでの古本市でも、俺は初日の開店と同時に入場したのだが、既にたくさんお客さんがいる中で、ある古本屋の主人とおぼしき人が、となりの古本屋のブースにたくさんの本の束をもってやってきた。
レジには学生さんがいたが、「〇〇なんやけど、これもらうわ」と言われて、扱いかねて、主人のところに聞きに行くと、「あー、はいはい、半額にしといてあげて」というやりとりがあった。
これも立派なせどりなわけで、古本屋同士では頻繁に行われていることだと思う。
それなのに、さっきの発言はせどり行為をお前には認めないんや、と言わんばかりの勢いで、俺はびっくりしたな。
昨日、阪神百貨店の古本市で、カゴにいろんな本を入れて、しばらく状態をチェックしたり、立ち読みしたりしていると、これはよくあることなんだが、白い帽子、褐色のサングラスのおじさんが、じーっとカゴを覗き込んで「こら、ごっついな」と話しかけてくる。
「せやろー、ええ本ぎょうさん並んどるよって目移りしますわ」「わしもこうしてられへん」てな話になった。
昨日は、先輩(日能研関西で社会を教えていた、今は定年で年間暮らし)に2時半ごろ来てもらって、家まで本を運ぶのを助けてもらった。
エレベーター前で、先輩がつくぼって、自分のリュックに本をきれいに詰めていると、白髪の小柄な爺さんがトコトコちかよってきて、背を屈めてリュックを覗き込んで「こら、あれやな、本屋でけるでー」と言うから、「置く場所のうてから、往生しとります」「ほんま、ごっついな」てなやりとりがあった。
先輩によれば「東京なら考えられない。やはり大阪だな」ということだが、人の買うてる本は気になるもの、素直で好感が持てるけどね。
今日は阪神百貨店の古本市なので、8時くらいには起きて、出荷のこしらえをして、9時ちょうどに郵便局にお願いに出向いた。
9時16分の準急で天満橋に出て、谷町線で東梅田、てくてく地下街を歩いて45分くらいに到着して、地下一階の7番入り口に並んだ。
また、10人くらいしか列にはいない。エレベーターは一階待機してなので、本当はそこに並んだ方が早いんだろうが、今日も朝から強い日差しがてりつけているので、たとえ15分程度とはいえ、身体にこたえることはしない。
ガードマンが、「少し詰めてください」「ここを入られてすぐ左に折れますと、エレベーターです」などと手際よく案内している。
おれはちくま学芸文庫から出たピンカーの『人間の本性を考える 上』を読みながら開店を待つ。ちょっとしたことで激昂する、実直な女ではなく、浮気性で怠け者を伴侶に選ぶなどが、脳が無垢の石板ではなく、遺伝的にプログラムされている証拠として挙げてある。
さて10時となり、エレベーター前にやってきたが、4台あるのだが全て一階から上に向かっていて、しばらくして一番手前のがやってきたので、それに乗って上に上がる。乳母車の女や若い女のグループもいて、2階、6階にも停まってから催し物会場に到着。
降りてすぐ左に今回の催しの目玉商品がガラスケースにずらりと並んでいる。
吉田博の弟子の版画が目を引くが16万くらいとなっている。
参加店は大阪7、京都4、神戸も4、三重2、愛知2、富山2、岐阜1、石川1の23軒となっていて、なかなか素晴らしい規模だなあ。
百貨店の古本市だからとにかく涼しいし、熱風や砂あらし、雨に邪魔されることもない。本棚の間隔も十分なので、お客さんがかたまっても、隙間からいくらでも覗くことが出来てストレスがない。
すぐ上の8階には阪神大食堂があって、小腹がすいたり、のどがかわいたら、いくらでも美味しい料理を楽しめる。
富山の「いるふ」は窓側の大きなスペースにいろんなジャンルの本を並べている。
文庫ではちくまの「薔薇物語」全2巻揃、5800円には驚いた。朝日文庫から出ていた『オウム裁判』の全13巻揃なんかもあった。新書でも三一の「戯歌番外地』や小田実の『ベ平連』なんかもある。
丹波篠山の古本屋の「八上書林」も岩波文庫の『近世風俗志」全5巻揃7000円や『七番日記』全2巻揃1800円は珍しい。京都の「開風社 待賢ブックセンター」もたくさんの岩波現代文庫や新書本が目立った。
神戸の「ワールドエンズ・ガーデン」はたくさんのマンガを並べていて、畑中純の『オバケ』全4巻だが1冊欠とか、花輪和一の『刑務所の前』全3巻揃、オール初版、帯3000円などもあった。
今回もレジは統一されていて、古本屋の主人に百貨店の店員さんが加わっておこなわれた。
例によって、1人が本の最後のページに貼ってある値札を剥がして、そこには値段と屋号が書いてある。
それから、机に置いてある参加店一覧を見ながら、そこにふられている1番から23番までの中から、値札に書いてある屋号を探して「22番、500円」などと読み上げる。
すると、横に控えたもう1人の店員さんが、液晶画面をじっと見ながらデータを打ち込んでいく。最後に液晶に表示された本の冊数を「30点です」と読み上げると、もう1人が頑張って実際の本の数を読んでいき、見事一致したら終了となる。
これまでは液晶を使わずに、読み上げられるデータをもう1人が小さなメモ用紙にボールペンで一々記入していき、さらに奥に座っている会計係とおぼしき女が最終確認するというひちめんどくさいことをやっていてイライラさせられたが、今回からは大分簡素化された。
支払いは現銀の他、カードやPayPayなどが使えるし、阪神阪急のカードを示すとポイントがつくし、貯めた分を、今日の支払いで貯まる分も含めて支払いに使える。
今日も暑い。朝は8時半くらいに起きて、コーヒーと食パン、ヨーグルトで朝ごはん。注文の本を集めてから、出荷の準備。
7月29日のブックの日に箕面市役所前店に出向いたのだが、750円引きの割引券をその時もらい、その有効期限が今日なのだ。
次の2割引きの日は数日後なのだが、その前に期限を迎えてしまうわけで、商売が上手いな。ついつい乗せられてしまった。
昼前に郵便局に出向いてお願いしてから、萱島、淀屋橋、梅田、牧落。てくてく酷暑の中歩いて店に到着したが、今回は欲しい本もほとんどなかった。
本棚の下には補充するためのストックが蓄えられているのだが、名残惜しくていくつかのストックを開けて見てみたが、どこもがらがらで、この時期は入荷があまりないのかもしれない。
帰りしな、梅田の紀伊国屋書店を覗いてみると、講談社から大江健三郎のデビュー前の小説が単行本となって並んでいる。
なんでもからが学生時代に住んでいた下宿から見つかったものや、未発表の短篇小説なんだそうだ。
大江は、納得いかない作品は単行本化を許さないところがあったのに、亡くなってから、死人に口無しみたいに勝手に本にするのはどうなのか。
今日は月曜で、2日分の出荷。
このところ2階の寝室に、入荷した日ごとに本を整理して置いていっているので、7月11日以降の分はほとんど時間もかからず、見つけることができるのだが、それでも待つからない本が、稀にあるのは不思議だ。
本の写真も正面、背、小口と撮影しているし、入荷した日付も記載しているのに、その場所に見当たらないことがある。
また2階に本を追い始めて40日くらい経過し、6畳一間の半分くらいが本になっているが、この後の持って行き方がよくわかっていない。
一階はさすがにかなり空きスペースができたので、7月分の本を2階から持って降りて埋めることは出来るのだが、その労力を考えると、自分でやる気にはなかなかなれない。