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古本屋日誌

2024-03-15 19:25:00

今日から東京で「国際稀覯本フェア」が開かれている。

 

 

参加している古本屋の数は、東京から11、京都が5、大阪は3、オーストラリアが2、イギリスも2、北海道、神奈川、アメリカ、ドイツ、オーストリアがそれぞれ1。

 

オールカラーの目録が出ていて、それを見ると織田信長の朱印状が650万、豊臣秀吉の朱印状は250万、長宗我部元親の書状が300万など。

 

やはり信長さまの人気は大変なものなんだなあ。

 

 

版画は、川瀬巴水の昭和5年の「雨乃大宮」が165000円、笠松紫浪の昭和13年の「夜雨不忍池」が99000円となっている。

 

こういった類のものは、古本とか古書といったものではなく、骨董品だな。

 

価値があるような気もするけど、よくわからない。

 

 

川瀬巴水の版画とかは欲しい気もするけど、相当な金を積んでそれなりの枚数を手に入れたとしても、それらを十分に鑑賞するには、広い和室が必要だろう。

 

 

また照明も工夫が必要だし、それを眺めるために椅子なんかもちゃんとしたものを用意しなければならないだろうし、そんな余裕などあるわけがない。

 


2024-03-14 01:31:00

ドイツの政治学者カールシュミットの著作はちくま学芸文庫や岩波文庫にも収録されていて、手軽に読める。

 

 

ルソーの一般意志、ホッブスの万人の万人に対する戦い、さらにマルクスやレーニンのプロレタリア独裁の理屈などを踏まえた上で、国家の主権を論じる彼の理論は今もなお学ぶべきものがある。

 

 

シュミットは主権は緊急事態での決断を下すもののことだという。

 

 

福島第一原発の事故では、全電源が喪失して1号機がメルトダウンする危機に直面し、直ちに電源車を調達しなければならなくなった時、これが緊急事態だ。

 

 

しかし原発に通じる道路はどこも避難民や、何やらでごった返していて、緊急車両の通行はままならず、もたもたしている間に1号機はメルトダウンしてしまった。

 

独裁国家であれば、ただちに戒厳令を布告して、主要道路の通行を全面禁止し、それでも従わない大衆は躊躇いなく射殺するだろう。

 

また3号機で格納容器の圧力が高まり、破壊を防ぐために消防車からの給水を実施したのだが、予想した通りに水が入らず、水位が回復せず、1号機のように水素爆発が発生する危険が高まったとして、吉田所長は外にいる作業員を引き上げさせた。

 

「身近な人を守ってはじめて周辺住民の命も守れる」と考えたのだそうだ。

 

でもそれは通常の場合であって、緊急事態には成り立たない。

 

 

己の命をを捨てて事態を収束させようとする人がいて、はじめて、住民は助かるのだ。

 

独裁国家ならば、当然命を捨てて作業を続行するように求め、従わなければ殺すだろう。

 

 

しかしわが国では、金儲けのために仕事をしている労働者に「みんなのために死んでくれ」と要求することは、どんな理屈をこねても認められる話ではない。

 

 

我が国の場合、シュミットの言う主権者はごく普通の住民ということになる。

 

 

その主権者の意思はとりあえず命に危険が及ばない範囲で、もしくは給料の範囲内で作業をするということだ。

 

 

これは極めて真っ当な話で、確かに究極の責任は、誰もが負わないということだから、運が悪かったら東日本や東京が壊滅して、人が住めなくなる可能性を孕んでいる。

 

 

しかしそれもこみで主権者は判断していると考えるべきだろう。

 

 

また主権者の判断は良い方向に出る場合もたくさんある。

 

 

例えば我が国は戦争はすることができなかろう。命を張るという発想がそもそもないからだ。

 

 

これは実に素晴らしいことだし、人類が進歩している証拠でもある。


2024-03-12 12:51:00

福島第一原発の事故についても、NHKが特番をやっていた。2016年放送のやつだ。

 

 

1号機と3号機はベントで格納容器の圧力の低減に成功したので、大規模な破壊は免れ、飛散した放射能も比較的少なかった。

 

 

しかし2号機はベントができなかっただけでなく、消防車からの給水によって炉心の温度を冷やす試みも失敗した。

 

 

そのため格納容器の圧力は高まり、やがて破壊されて炉心が剥き出しになってしまう恐れが強まった。

 

 

吉田所長は、もう出来る手は尽きてしまったと判断して、発電所内に残って、事故の収束作業に取り組んでいた6400人の大半に、発電所から引き上げるように要請したのだ。

 

 

格納容器の圧力はどんどん高まり、ついに地震発生から88時間後、大きな爆発音が響き渡り、サプチャン圧力がゼロとなってしまった。

 

 

これは格納容器が破損してしまったことを意味していて、吉田は残っている所員に直ちに退避するように求めて、「俺と死ぬやつはどいつだ」との述懐を抱いたと述べている。

 

実はこの爆発は、4号機の建屋が水素爆発したもので、2号機の格納容器は破損はしていなかったことが、後に明らかになった。

 

 

しかし吉田をはじめ居合わせた人たちは、そんなことは知る由もなく、ただもう「これでもう、東日本壊滅だ」と打ちひしがれ無力感に苛まれた。

 

結局は2号機は、格納容器の圧力が高まり、つなぎ目からひどく汚染された空気が大気中に放散されたために、圧力が下がり爆発しなかったのだ。

 

 

確かに炉心が露出しなかったのだから、不幸中の幸いであったことは間違いない。これはベントをやったようなものだ。

 

 

ただし、10日間にわたって大量の放射線が各地にばら撒かれてしまった。

 

それにしても、神様はお人が悪い。

 

 

格納容器の破壊が切迫して、しかも打つ手もなく、絶望の淵に沈んでいる人々に、爆発音を聞かせて、死んでしまうほどの恐怖感をお与えになるんだから。


2024-03-11 15:26:00

東日本大震災から13年となって、NHKがクローズアップ現代で特集を組み、過去の番組も再放送していた。

 

 

その中に、津波が来るからと、取るものもとりあえず高台に避難して助かった人のことや、じぶんが逃げる時に周り近所の人にも避難を呼びかけて、結果たくさんの人が助かった話があった。

 

 

 

この地震では津波が三陸に押し寄せたのは、地震発生から1時間くらい経ってからで、住民は家から出て今後のことを道端で三々五々井戸端会議中だったというのだ。

 

 

ニュースでは大津波警報が出たことをアナウンスしているにもかかわらず、人々は避難をためらって、家の前にたむろったり、家で様子を伺っていたわけだ。

 

 

しかしごく一部、変わった人がいて「こら、もうえらいことやで。すぐ逃げなあかん‼️おまはんもちんたらしてんと、〇〇小学校まで走りなはれ」みたいなことを言って周りの人も巻き込んで避難したわけだ。

 

 

番組では「自分の行動が周りに影響を及ぼすことを考えて避難行動を起こさないといけない」とか「災害避難に、もうこれで大丈夫はない。だから一旦避難を完了しても、さらに高台に移ることも大切だ」などとしたり顔で解説していた。

 

 

でもこれまで幾度となく大津波警報なんかが出ても、結局空振りに終わっていて、今回もそうなるのではないか、と考えているから人々はなかなか逃げなかったのだろう。

 

 

まだまだ寒い中、貴重品をまとめて、坂を上がっていく苦労を思うと、このままで大丈夫なのではないかとの思いが強まる。

 

これは警報を出す連中が、無能であるということだ。

 

 

何回も何回も空振りが続いても「今回も大きな津波が来なくてよかった。空振りになったけどそれは仕方がない」などと人は思わない。

 

 

そんなこともわからず、いつまでも下らない警報を出していた連中は決して無罪とはいえない。

 

その程度の人間心理もわからないような連中に人の上に立ち、能書き垂れる資格などあるわけがない。

 

 

確かに奇特な人が呼びかけて周りの人の命を救ったのだろうが、それはどういう人なんだろうか❓

 

ものすごく心配症の人なのか、NHKのゆうことは正しいと信じてる人なのか、何か突然心の中に閃くものがあった人なのか、よくわからない。

 

 

でもね、一つ確かなのは、そのお方は人望があったんだろうということだ。

 

 

いくら「早よにげんとあかんで、大津波警報やで‼️」と言われても、日頃から信用されてないオオカミ少年みたいな人であれば、「あのアホまたほたえてまっせー」で終わりだろう。

 

 

そんないい加減なやつではなく「あの人がゆうてはるんやさかい、よう聞かなあかんなあ」となるわけだ。

 

 

結局それなりに人望があって、さらに心配症の人がいないといけないということになるよなあ。

 

 

なかなか難しい話だ。

 

 


2024-03-10 18:46:00

今日は3月10日で、東京大空襲の日だ。アメリカの国際法を、無視した無差別爆撃によって10万人が殺された。

当然戦争犯罪であるにもかかわらず、勝てば官軍で不問に付されてしまっている。

 

自民党政権は、アメリカの犬なので、彼らの戦争責任を追及したことは一度もない。

 

(アメリカさまにはいつもいつもお世話になっている。でもそれとこれとは話が違う。)

 

 

先ごろ亡くなった篠山紀信は『激写』という雑誌の他にも、たくさんの写真集を出している。

 

俺がびっくりしたのは、講談社から出した藁半紙の雑誌風の写真集で、右のページにいじられている女の局所のアップ、左のページにその女の喘いでいる顔のアップというセットが延々と続くやつだ。

 

よくこんなバカな本を出したよなあ。

 

 

でも別にそれは篠山の独創ではなくて、当時はおかしな雑誌がいくらでもあった。

 

 

『ビリー』は半分は盆栽の写真、もう半分はエロ写真だったよなあ。

 

 

女優の写真集では宮沢りえとか山口百恵、後藤久美子のやつが人気がある。

 

 

とりわけ宮沢りえのは3枚の写真が付録で付いていて、欲しいお客さんがたくさんいる。

 

 

山口百恵のやつは大判でなかなかこった作りなんだが、さほど値段は高くない。